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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X35363742
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X35363742
管理番号 1253552 
審判番号 不服2010-12400 
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-08 
確定日 2012-02-27 
事件の表示 商願2008- 53190拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「戸建マンション」の文字を標準文字で表してなり、第35類ないし第37類及び第42類に属する願書に記載された役務を指定役務として、平成20年7月2日に登録出願され、その後、原審における同21年5月25日付け手続補正書により、第35類「賃貸住宅・駐車場の経営の診断及び指導,賃貸住宅・駐車場事業の経営の代行」、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」、第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」及び第42類「建築物の設計,測量,デザインの考案,建築又は都市計画に関する研究,土木に関する試験又は研究」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、「本願商標は、『一戸建て風に建てられたマンション』の意を認識させる『戸建マンション』の文字を標準文字で書してなるところ、インターネットによれば、『戸建マンション』の文字は、『一戸建て風に建てられた小規模で充実した設備のマンション、メゾネットタイプの一戸建て風のマンション』等の意味合いで、戸建住宅とマンションの特長を併せ持つ住まいを意味するものとして使用されていることが認められるから、これをその指定役務中「賃貸住宅の経営の診断及び指導,賃貸住宅の経営の代行,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物の鑑定評価,建物の情報の提供,建設工事,建築工事に関する助言,建築物の設計」等の住宅に関連する役務に使用しても、単に役務の質(内容)を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「戸建マンション」の文字よりなるところ、その構成中「戸建」の文字は、「独立した一戸の住宅。一戸建て住宅」を意味し、また、「マンション」の文字は、「中高層の集合住宅」(いずれも「広辞苑第6版」)」を意味するいずれも住宅関連の用語として、広く知られた語である。
ところで、本願の指定役務中、不動産関連の役務を提供する業界においては、住戸の独立性を高めたり、専用の庭や門扉を設置するなど、戸建てに近い居住性、建築形態を採る戸建て感覚のマンションが多数取引されている実情にあることが、別掲(1)の新聞記事及びインターネット情報より、窺い知ることができる。
また、「戸建(て)マンション」あるいは「戸建型マンション」の語が、戸建住宅とマンションの特長とを併せ持ったマンションの一建築形態を表すものとして、実際に使用されている事実が、別掲(2)のインターネット及び新聞記事情報からも窺えるものである。
そうすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、「戸建て住宅の機能、特長を併せ持ったマンション」程の意味合いを容易に認識、理解させるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務中「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,建設工事,建築工事に関する助言,建築物の設計」等の建物に関連する役務に使用しても、単に役務の質(内容)等を表示するにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。
また、本願商標は、前記「戸建マンション」に係る建物に関連する役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標の『戸建マンション』については、直ちに役務の質等を直接的、かつ、具体的に表示するものとはいえず、むしろ、出願人により新たに企画された事業を指標する呼び名であり、出願人によって創作された造語として認識し把握されるものである」旨主張する。
しかしながら、戸建てに近い居住性等を有する戸建て感覚のマンションが多数取引されている実情と、本願商標と実質的に同一内容を表すものと認められる「戸建てマンション」及び「戸建型マンション」の語が、戸建住宅とマンションの特長とを併せ持ったマンションを表すものとして、実際に使用されていることは前記(1)のとおりであって、請求人の主張する「出願人によって創作された造語」とは言い得ないから、請求人の係る主張は採用することができない。

(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)戸建て感覚のマンションが取引きされている事実(なお、下線は当合議体で付したもの。)

(ア)「goo住宅・不動産」のサイト内「戸建て感覚マンションはプライバシーが高い」の項に、「マンションは、多くの世帯が共同生活を送る形式なので、とかくプライバシーが問題になりやすい。いかに1つ1つの住戸の独立性を高めて、戸建て感覚を採り入れるかが重要になる。」の記載。
(http://house.goo.ne.jp/useful/knowledge/M00001.html)

(イ)「ValuePress!」のサイト内「プレスリリース要約(全角150文字以内)」の項に、「株式会社環商事は、京都市上京区に建設中のマンション『コンフォール円町』の事前案内会を9月上旬より開始します。『住まいにおける高い独立性と快適性』をコンセプトに、戸建感覚の住居配置で優れた独立性と採光・通風を確保し、68の間取りと4種類のカラーコーディネイトプランで、唯一の住まいづくりを実現します。」の記載。
(http://www.value-press.com/pressrelease.php?article_id=28214&medium_id=1143)

(ウ)2004年6月29日 読売新聞 東京夕刊 5頁
「[今どき消費事情]マンション “高さ”だけじゃない」の見出しのもと、「マンションの付加価値競争が過熱している。景観などを売り物に二十階建て以上の超高層物件などが急増しているほか、専用の庭に“離れ”を設けるといった戸建て感覚を強調したマンションも登場しており、好みや用途によって、様々なスタイルのマンションを選べる時代が到来している。」の記事。

(エ)2010年6月10日 毎日新聞 東京朝刊 15頁
「役立つ住宅情報:三菱地所『パークハウス蕨市民公園』安心で上質な暮らし」の見出しのもと、「三菱地所の分譲マンション『パークハウス蕨市民公園』(埼玉県蕨市)=外観イメージ=が好評分譲中だ。・・・・ 全81戸が南東向きで、プライベート駐車場など戸建て感覚を楽しめる1階部分や、土手を残した小川の前に用意した子供広場なども特徴の一つ。」の記事。

別掲(2)「戸建(て)マンション」あるいは「戸建型マンション」の語が使用されている事実

(オ)「横浜空間」のサイト内「物件紹介」の項に、「【 戸建てマンション 】126m2の広さを、余す事なくふんだんに使った造りは、一度室内に入ってしまうとマンションという事忘れ、ごくごく普通の一戸建て2階家のような空間で来客者を魅了します。」の記載。
(http://www.yokohama-kukan.com/msys/contents/preview/detail.php?id=69)

(カ)「セキスイハイム住宅ブログ」のサイト内「リス子のもぐもぐ日記 セキスイハイム東海」の項に、「その4 『究極の戸建てマンション』/大きな音で映画を見たい。/庭でバイクをいじりたい。/子供たちと大声で歌いたい。/ペットと自由に暮らしたい。/友達とガーデンパーティーをしたい。/二人で静かに暮らしたい。/ ・・・究極の戸建てマンションだからあなたの夢を叶えます。」の記載。
(http://www.blog816t.com/2010/10/%E5%B9%B3%E5%B1%8B%E3%81%A7%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%99.html)

(キ)「21Style byCENTURY21」のサイト内「マンション」の項に、「戸建型マンション 売買マンション物件情報」の記載。
(http://bukken.century21.jp/mansion/%E6%98%A5%E6%B1%9F%E7%94%BA%20%E6%88%B8%E5%BB%BA%E5%9E%8B%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/)

(ク)「セイワハウジング株式会社」のサイト内「セイワグループ沿革 2003年(平成15年)1月」の項に、「相模原駅徒歩5分の恵まれた立地に誕生した『新・戸建型』マンション、ロアーブル・ビュー相模原。ビューの名前にふさわしい地上13階の豊かな眺望が眼下に広がります。」の記載。
(http://www.seiwagp.co.jp/company/index.html)

(ケ)「HOMEPLAZA」のサイト内「特集企画」の項に、「関連特集情報『東小金井戸建てマンション』に関連するマンション・住宅情報」の記載。
(http://www.home-plaza.jp/realestate/t/%E6%9D%B1%E5%B0%8F%E9%87%91%E4%BA%95%E6%88%B8%E5%BB%BA%E3%81%A6%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/1)

(コ)2009年3月31日 日刊工業新聞 31頁
「第21回中小企業優秀新技術・新製品賞(1)」の見出しのもと、「《中小企業庁長官賞》・・・・・【オプナス】・・・・入居のたびに必要だったシリンダー交換を不要にし、費用や手間を大幅に削減。分譲戸建てマンションでのキー紛失時などにもすばやく対応できる。」の記事。

審理終結日 2011-05-11 
結審通知日 2011-05-17 
審決日 2011-05-30 
出願番号 商願2008-53190(T2008-53190) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X35363742)
T 1 8・ 13- Z (X35363742)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 深沢 美沙子津金 純子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 大橋 良成
小川 きみえ
商標の称呼 コダテマンション、コダテ 
代理人 加藤 久 
代理人 久保山 隆 

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