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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X1632
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X1632
管理番号 1239901 
審判番号 不服2010-8099 
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-16 
確定日 2011-06-28 
事件の表示 商願2008-93838拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「HIMALAYAN」の文字を標準文字で表してなり、第16類「紙類,紙製品,紙袋,紙製又はプラスチック製のカバー及びフォルダ,宣伝広告物,カタログ,パンフレット,書類挟み,書籍,写真,宣伝広告用の印刷物,名刺,記録帳,封筒,カード,日記帳,グラフィック写真,ラベル(布製のものを除く。),広告用紙,ステッカー,ポスター,便せん,定期刊行物,印刷物,教材(器具に当たるものを除く。),包装材料(文房具)」及び第32類「ビール,ミネラルウォーター,炭酸水,その他の清涼飲料,果実飲料,シロップ,飲料製造用調整品」を指定商品として平成20年11月20日に登録出願されたものである。
その後、第16類に属する指定商品については、当審における平成22年4月16日付け手続補正書によって、「紙類,紙袋,紙製又はプラスチック製のカバー及びフォルダ,宣伝広告物,カタログ,パンフレット,書類挟み,書籍,写真,宣伝広告用の印刷物,名刺,記録帳,封筒,カード,日記帳,ラベル(布製のものを除く。),広告用紙,ステッカー,ポスター,便せん,定期刊行物,印刷物,教材(器具に当たるものを除く。),包装材料(文房具)」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、猫の一種である「ヒマラヤン」を理解させる「HIMALAYAN」の欧文字を標準文字で表してなるので、本願商標を指定商品中、「書籍,写真,グラフィック写真,印刷物」等に使用しても、これに接する取引者・需要者は、ヒマラヤンの写真、ヒマラヤンに関する書籍、ヒマラヤンに関する印刷物であること程度を認識するにとどまるので、本願商標は、単に商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認める。
また、本願商標は、「ヒマラヤ(山脈)の」の意味合いも理解させるものであるから、これをその指定商品中、「ビール,ミネラルウォーター,炭酸水,その他の清涼飲料,果実飲料,シロップ,飲料製造用調整品」等に使用しても、これに接する取引者・需要者は、単に、「ヒマラヤ(産)の」商品であること程度を認識するにとどまるので、本願商標は、単に商品の品質(生産地)を表示するにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記の品質を有する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、その指定商品中、第16類「紙製品,紙製又はプラスチック製のカバー及びフォルダ,宣伝広告物,名刺,記録帳,グラフィック写真」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないから、本願出願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。
(3)本願商標は、以下の商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の指定商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
ア 登録第2546145号(以下「引用商標1」という。)は、「ヒマラヤ」の片仮名を横書きしてなり、平成2年10月30日登録出願、第18類「包装用容器、その他本類に属する商品」を指定商品として、同5年6月30日設定登録され、その後、同15年6月24日に、商標権の存続期間の更新登録がなされ、同16年10月13日に指定商品を第6類「ワイヤロープ,金網,金属製包装用容器」、第16類「紙製包装用容器」、第17類「ゴムひも,石綿ひも,石綿網,ゴム製包装用容器,ゴム製栓,ゴム製ふた」、第18類「革ひも,皮革製包装用容器」、第20類「麦わらさなだ,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器」、第21類「ガラス製又は陶磁製の包装用容器」、第22類「編みひも,真田ひも,のり付けひも,よりひも,綱類,網類(金属製又は石綿製のものを除く。),布製包装用容器,わら製包装用容器,結束用ゴムバンド」及び第26類「組みひも」とする指定商品の書換登録が行われ、現に有効に存続しているものである。
イ 登録第2580953号(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成2年10月30日登録出願、第18類「包装用容器、その他本類に属する商品」を指定商品として、同5年9月30日設定登録され、その後、同15年6月24日に、商標権の存続期間の更新登録がなされ、同16年10月13日に指定商品を第6類「ワイヤロープ,金網,金属製包装用容器」、第16類「紙製包装用容器」、第17類「ゴムひも,石綿ひも,石綿網,ゴム製包装用容器,ゴム製栓,ゴム製ふた」、第18類「革ひも,皮革製包装用容器」、第20類「麦わらさなだ,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器」、第21類「ガラス製又は陶磁製の包装用容器」、第22類「編みひも,真田ひも,のり付けひも,よりひも,綱類,網類(金属製又は石綿製のものを除く。),布製包装用容器,わら製包装用容器,結束用ゴムバンド」及び第26類「組みひも」とする指定商品の書換登録が行われ、現に有効に存続しているものである。
ウ 登録第4268495号(以下「引用商標3」という。)は、「ヒマラヤ」の文字を標準文字で表してなり、平成9年7月22日登録出願、第16類「紙類,文房具類」を指定商品として、同11年4月30日設定登録され、その後、同20年12月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。

3 当審の判断
(1)商標の類否について
商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)(平成11年(行ケ)第422号 平成12年6月13日判決)。
以下、これを踏まえて本願商標と引用各商標の類否について判断する。
(2)本願商標
本願商標は、前記1のとおり「HIMALAYAN」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「ヒマラヤ(山脈)の、ヒマラヤン(小さく白い飼育ウサギの一品種、長毛のペルシャネコと色彩の多いシャムネコの交配種)」(「小学館ランダムハウス英和大辞典」株式会社小学館)の意味を有する英語であるから、該文字に相応して「ヒマラヤン」の称呼が生じるものである。
そして、観念については、請求人は、「『HIMALAYAN』の文字の意味は、上記のように複数あるから、みるものにより異なる解釈がなされる」旨述べている。
しかしながら、該文字は、上記のとおり「ウサギやネコの品種名」を表すものであるとしても「ヒマラヤ(山脈)の」の意味をも有する英語であることに加え、語尾の「an」の文字が「・・・の」の意味の形容詞を作る接尾辞(「ベーシックジーニアス英和辞典」株式会社大修館書店)であり、「America(アメリカ合衆国)」の語尾を「an」としたときに、「American」となり「アメリカ合衆国の」の意味を有する語及び「Australia(オーストラリア)」の語尾を「an」としたときに、「Australian」となり「オーストラリアの」の意味を有する語、並びに「Itaiy(イタリア)」の語尾」を「an」としたときに「Italian」となり、「イタリアの」の意味を有する語になる例にならえば、「Himalaya(ヒマラヤ(山脈))」の文字の語尾を「an」とした、「Himarayan」の文字からは、「ヒマラヤ(山脈)の」の観念が無理なく生ずるものである。
してみれば、本願商標は、「ヒマラヤ(山脈)の」の観念が生ずるものとみるのが相当である。
(3)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、前記2(1)のとおり「ヒマラヤ」の片仮名を横書きしてなるところ、該文字は、「パミール高原に続いて南東に走り、インド・チベット間に東西に連なる世界最高の大山脈。」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店)を表す語として親しまれている語であるから、該文字に相応して「ヒマラヤ」の称呼及び「ヒマラヤ山脈」の観念を生ずるものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲のとおり3個の三角形を重ねた図形を表し、その下段に「ヒマラヤ」の片仮名文字を書した構成よりなるところ、該図形部分と文字部分は、視覚的に分離して看取されるばかりでなく、これらを常に一体不可分のものとして認識、把握させなければならない特段の事情を見いだし得ないものであるから、図形部分と文字部分は、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって、引用商標2は、構成中の「ヒマラヤ」の文字部分より、「ヒマラヤ」の称呼及び「ヒマラヤ山脈」の観念を生ずるものである。
ウ 引用商標3
引用商標3は、前記2(3)のとおり、「ヒマラヤ」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字に相応して「ヒマラヤ」の称呼及び「ヒマラヤ山脈」の観念を生ずるものである。
(4)判断
本願商標から生ずる「ヒマラヤン」の称呼と引用各商標から生ずる「ヒマラヤ」の称呼とは、語頭から4音目までの「ヒマラヤ」を共通にし、語尾の「ン」の音の有無に差異を有するものである。
しかして、この「ン」の音は、それ自体響きの弱い鼻音であって、前音の「ヤ」に吸収され易い音であるばかりでなく、比較的聴取され難い語尾に位置することから、該「ン」の音の有無が称呼全体に及ぼす影響は、決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合は、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものというのが相当である。
次に、観念についてみるに、本願商標は、上記(2)のとおり「ヒマラヤ山脈の」の観念を有するものであるに対して、引用各商標は、「ヒマラヤ山脈」の観念を有するものであるから、観念においては近似した印象を与えるものである。
また、外観については、本願商標が前記(2)のとおり「HIMALAYAN」の文字を標準文字で表してなるに対して、引用商標1は、前記(3)アのとおり「ヒマラヤ」の片仮名文字を書してなり、引用商標2は、別掲のとおり、図形と「ヒマラヤ」の文字を2段に表した構成よりなり、引用商標3は、前記(3)ウのとおり「ヒマラヤ」の文字を標準文字で表してなるものであるから、本願商標と引用各商標は、外観において相違する
そうすると、本願商標と引用各商標とは、外観において相違していることを考慮しても、観念において近似した印象であることも相まって、上記称呼の類似性を凌駕するものということができず、かつ、指定商品の取引の実情等において、商品の出所の混同を生ずるおそれはないとみるべき特段の事情が存在するものとも認められない。
そして、引用商標1及び引用商標2の指定商品中「紙製包装容器」と本願商標の指定商品中「紙袋」は、類似の商品であり、引用商標3の指定商品と本願商標の指定商品中「紙類,書類挟み,封筒,カード,ラベル(布製のものを除く。),広告用紙,ステッカー,便せん,教材(器具に当たるものを除く。),包装材料(文房具)」は、同一又は類似の商品であるから、本願商標と引用各商標とは、これを同一又は類似の商品に使用した場合、商品の出所の混同を生ずるおそれのある称呼において相紛らわしい類似の商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する商標といわざるを得ない

4 結語
以上のとおり、その他の拒絶の理由について検討するまでもなく本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
引用商標2



審理終結日 2011-01-25 
結審通知日 2011-01-31 
審決日 2011-02-15 
出願番号 商願2008-93838(T2008-93838) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X1632)
T 1 8・ 263- Z (X1632)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 守屋 友宏 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
大森 友子

商標の称呼 ヒマラヤン 
代理人 幡 茂良 
代理人 吉田 親司 
代理人 小出 俊實 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 石川 義雄 
代理人 潮崎 宗 
代理人 橋本 良樹 

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