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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X12 審判 一部申立て 登録を維持 X12 審判 一部申立て 登録を維持 X12 |
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管理番号 | 1235078 |
異議申立番号 | 異議2010-900261 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-08-30 |
確定日 | 2011-03-16 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5325398号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5325398号商標の指定商品中、申立てに係る指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」について、その登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5325398号商標(以下「本件商標」という。)は、「ジュリエット」の片仮名と「JULIET」の欧文字を上下二段に書してなり、平成21年4月28日に登録出願、「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」ほか、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年4月16日に登録査定、同年5月28日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標はその指定商品中の「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」について、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について (1)引用商標 申立人が引用する登録第4276296号商標(以下「引用商標」という。)は、「GIULIETTA」の欧文字を書してなり、平成9年2月7日に登録出願、「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」ほか、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年5月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 (2)本件商標と引用商標の類否 ア 本件商標 本件商標は、「ジュリエット」の片仮名と「JULIET」の欧文字を上下二段に書してなるところ、その構成文字に相応して、「ジュリエット」の称呼及び小説「ロミオとジュリエット」の女性主人公の名(甲第3号証)の観念を生ずる。 イ 引用商標 引用商標は、「GIULIETTA」の欧文字を書してなるところ、その構成文字に相応して、「ジュリエッタ」の称呼を生ずる。 ところで、「GIULIETTA」は、申立人の傘下にあるイタリア国の自動車メーカー「アルフア・ロメオ」の小型自動車の名であり(甲第4号証ないし甲第6号証)、映画「ジャッカルの日」で用いられ、我が国でも「ジャッカルの日のジュリエッタスパイダー」として広く知られている(甲第7号証)。 また、小説「ロミオとジュリエット」は、イタリアでは「ロメオとジュリエッタ」(Romeo e Giulietta)と称呼されており、日本においても、「ロミオとジュリエット」と「ロメオとジュリエッタ」は、呼び方の違いと理解されている(甲第8号証)。 以上の実情よりすれば、「アルファ・ロメオ」の「ロメオ」と「ジュリエット」に通じる「ジュリエッタ」の組み合わせは、必然的に、小説「ロミオとジュリエット」の女性主人公の名をイメージさせるというべきである。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標から生ずる「ジュリエット」の称呼と引用商標から生ずる「ジュリエッタ」の称呼を対比すると、両者は、語尾において「ト(to)」と「タ(ta)」の調音位置・調音方法を同じくする子音を共通にし、帯有する母音も近似した音である。 そうとすれば、本件商標と引用商標は、称呼上互いに極めて紛らわしい商標である。 そして、称呼の差異が語尾の「ト」と「タ」のみであれば、特許庁の審決例において類似とされている(甲第11号証ないし甲第19号証)。 さらに、上述のとおり「ジュリエット」と「ジュリエッタ」は同義であって、呼び方の違いにすぎず、その差異感は希薄になる。 してみれば、本件商標と引用商標は、称呼において紛らわしく、その観念も共通にする。 また、両商標は、その指定商品中の「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」が共通する。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 2 商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、自動車の商標として広く認識されている(甲第4号証ないし甲第6号証)ところ、自動車メーカーが二輪自動車を製造・販売する例があることから、自動車と二輪自動車とは、密接な関連性がある。 また、昨今、自転車に自動車のメーカーやそのライセンシーが自動車のメーカーの商標やその管理するブランドを付して販売することが流行している(甲第20号証及び甲第21号証)。 そして、本件商標は、引用商標と称呼及び観念において相紛らわしいものであるから、自動車の需要者はもちろん二輪自動車や自転車の需要者が本件商標を使用した二輪自動車や自転車を見てそれが著名な自動車のメーカーの「アルファ・ロメオ」と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務にかかるものと誤認することは明白である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 3 むすび 本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同15号に違反してされたものであるから、同法第43の2第1号により取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は、「ジュリエット」と「JULIET」の各文字を二段に書してなるところ、その構成文字に相応して「ジュリエット」の称呼を生ずるものである。 そして、「ジュリエット」「JULIET」はシェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」(Romeo and Juliet)の女主人公として、我が国において広く知られていることから、本件商標からは、「シェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の女主人公」の観念を生ずるというべきである。 (2)引用商標 引用商標は、「GIULIETTA」の欧文字からなるところ、甲各号証によれば、「GIULIETTA」は、イタリア国の自動車メーカー「アルファ・ロメオ」の小型自動車名として、我が国の取引者、需要者にある程度知られていること及び当該小型自動車「GIULIETTA」が、「ジュリエッタ」と称呼されていることが認められる。 そうとすれば、引用商標からは、「ジュリエッタ」の称呼及び「アルファ・ロメオの小型自動車名」の観念を生ずるものである。 なお、我が国におけるイタリア語の普及度からみても、シェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」(Romeo and Juliet)のイタリア語読みの「ロメオエジュリエッタ」(Romeo e Giulietta)が、我が国において広く知られているということはできないから、引用商標からは、「シェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の女主人公」の観念は、生じないというべきである。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標から生ずる「ジュリエット」の称呼と引用商標から生ずる「ジュリエッタ」の称呼とは、6音中の前半の5音「ジュリエッ」を共通にし、その差異は、同行音に属する語尾の「ト(to)」と「タ(ta)」のみであるから、両者は、称呼上類似するものである。 しかしながら、本件商標と引用商標とは、その外観構成において著しく相違するものであり、また、本件商標から生ずる「シェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の女主人公」の観念と引用商標から生ずる「アルファ・ロメオの小型自動車名」の観念とは明瞭に相違するものである。 以上の外観、称呼及び観念を総合してみれば、本件商標と引用商標における、外観及び観念の相違は、称呼の類似を凌駕しているというべきであるから、本件商標と引用商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号について 申立人提出の証拠(甲第4号証ないし甲第6号証)によれば、「GIULIETTA」が、イタリア国の自動車メーカー「アルファ・ロメオ」の小型自動車名として我が国の取引者、需要者にある程度知られていることを認めることができる。 しかしながら、申立人提出の証拠によっては、「GIULIETTA」が、申立てに係る指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」についてまで知られていると認めることはできない。 そして、本件商標と引用商標とは、前記1のとおり、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。 そうすると、本件商標は、申立てに係る指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、当該商品が、自動車メーカー「アルファ・ロメオ」又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じるおそれはないものというのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 むすび 本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項に基づき、申立てに係る指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」についてその登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2011-02-28 |
出願番号 | 商願2009-32502(T2009-32502) |
審決分類 |
T
1
652・
263-
Y
(X12)
T 1 652・ 271- Y (X12) T 1 652・ 262- Y (X12) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 末武 久佳 |
登録日 | 2010-05-28 |
登録番号 | 商標登録第5325398号(T5325398) |
権利者 | 宮田工業株式会社 |
商標の称呼 | ジュリエット |
代理人 | 秋元 輝雄 |