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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X1825 |
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管理番号 | 1235067 |
異議申立番号 | 異議2010-900238 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-08-11 |
確定日 | 2011-04-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5322399号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5322399号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5322399号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成22年1月5日に登録出願され、第18類「トランク,旅行かばん,スポーツバッグ,バックパック,アタッシェケース,書類入れかばん,ハンドバッグ,ビーチバッグ,キャンプ用バッグ,その他のかばん類,革製袋物,買物袋,がま口,カードケース,財布,その他の袋物,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「スーツ,ズボン,コート,ワイシャツ類及びシャツ,パジャマ,ガウン,下着,靴下,手袋,ネクタイ,マフラー,スカーフ,帽子,ベルト,バンド,その他の被服,履物,制服及びユニフォーム」を指定商品として同年4月21日に登録査定、同年5月14日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 1 引用商標 登録異議申立人が引用する登録第4885807号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2004年7月27日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成17年1月27日に登録出願され、第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」、第18類「書類入れかばん,ビーチバッグ,キャンプ用バッグ,旅行用小型手提げかばん,ハンドバッグ,狩猟用獲物袋,旅行用衣服かばん,旅行用トランク,旅行かばん,バックパック,登山用バッグ,通学用かばん,雑のう,その他のかばん類,札入れ,がま口(貴金属製のものを除く。),財布(貴金属製のものを除く。),買物袋,その他の袋物,携帯用化粧道具入れ」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として同年8月5日に設定登録され、現に有効に存続するものである。 2 申立ての理由(要点) 本件商標は、その構成中の下段の図形のみが独立して認識され得るものである。 他方、引用商標は、左側の図形要素と右側の欧文字がその間に配された直線によって分離されていることから、かかる図形要素のみが独立して認識され取引に資されることもある。 してみれば、本件商標と引用商標とは、共に近似した図形要素をその構成中に含んでおり、また、これらの図形要素が各商標から分離独立して認識されること明らかであるから、その全体の外観において類似の商標である。そして、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。 第3 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性 (1)本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、上部に、「K」「&」及び「C」の各文字を重ねたモノグラムを表し、中央部に、「KENT&CURWEN」の欧文字を小さく表し、下部に、黒塗りのシルエットで表した片方の前足を上げて左向きに歩く姿のライオンのごとき図形を縦に3頭並べた図形(以下「本件図形」という。)を配した構成からなるところ、上部に配されたモノグラムからは、特定の称呼及び観念を生ずるものとは認められないが、「KENT&CURWEN」の欧文字部分に相応して、「ケントアンドカーウェン」の称呼を生ずるものであり、これから観念を生ずるものではない。 他方、本件図形については、当審における調査によれば、以下のような事実が認められる。 ア 「英国皇室御用達の証『スリーライオンの紋章』を持ち、多くの著名人に愛されているケント&カーウェン。」及び「ケント&カーウェンは英国王室のシンボルとして大紋章の中に存在する『3ライオン』を世界中で唯一ブランドモチーフとして展開できるブランド」との記載(http://e-shop.renown.com/pc/feature/003306.html?aid3=)。 イ 「英国皇室のシンボルであるスリーライオンをブランドモチーフとして展開できるブランドとしても知られています。」との記載(http://www.wjr-isetan.com/kyoto/floorevent/mens/back_casual.html)。 ウ 「シャツの見ごろにシルバーでスリーライオンの刺繍」との記載(http://handmade.yumichoice.com/?eid=1067047)。 エ 「バックのポケットデザインもやっぱりスリー・ライオンの刺繍付き。」との記載(http://founy.com/fashion-mens/fashion/TREND-CASUAL/KENT-and-CURWEN-mens/detail100770000454.html。 オ 「ブランドアイコンのスリーライオン」との記載(http://labs.accesstrade.net/atws_fin/fashion/detail/item_id/354376-KCW10C0231101101)。 カ 「ケント・アンド・カーウェンのモチーフ、3ライオンをモチーフにしたピンバッジ。」との記載(http://porco16.blog67.fc2.com/blog-date-20110316.html)。 キ 「クリケットセーターで有名な英国 Kent & Curwen 」及び「ブランドの特徴でもある3匹のライオンとK&CのロゴがVの字の下に青く刺繍」との記載(http://www.geocities.co.jp/Milano/5208/kc.htm)。 ク 「レナウン カジュアルが堅調 『ケント・アンド・カーウェン』 英スポーツモチーフに」の見出しの下、「ブランドロゴのスリーライオン使いで英国らしい配色のラグビーシャツ、ポロシャツが受けた。」との記載(2007.9.21 繊研新聞 2面)。 以上の事実によれば、本件図形は、英国皇室の紋章をモチーフにした「スリーライオンの紋章」として相当程度知られており、「スリーライオン」といわれているということができる。 そうすると、本件図形は、「スリーライオン」の称呼及び「スリーライオンの紋章」の観念を生ずるものというのが相当である。 以上によれば、本件商標は、その構成中の文字部分から「ケントアンドカーウェン」の称呼を生ずるほかに、本件図形から「スリーライオン」の称呼をも生ずるものであり、「スリーライオンの紋章」の観念を生ずるものである。 (2)引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、黒塗りのシルエットで表した片方の前足を上げて左向きに歩く姿のライオンのごとき図形を縦に3頭並べた図形(以下「引用図形」という。)を表し、その右に細い縦線を介して、上下3段に横書きした「GEORGE」、「GINA &」及び「LUCY」の各文字を配した構成からなるところ、引用図形を構成する個々のライオンのごとき図形部分は、上下3段に表された各段の文字部分と対になるように配されており、引用図形と文字部分が視覚上一体的な印象を看者に与えるものとみられるものである。そして、引用図形は、特定の称呼及び観念を生ずるものとは認められない。 ところで、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、引用商標は引用図形と欧文字がその間に配された直線によって分離されていることから、引用図形のみが独立して認識されると主張する。 しかし、当審における調査によれば、引用商標は、その構成全体をもって、かばんの正面、外ポケット、織りネームなどに使用されていることが認められるものであるが、他方、引用図形は、それ自体単独で使用されている事実を見いだすことができない。 そうすると、引用商標は、引用図形と文字部分とが切り離されたり、引用図形のみが使用されることはないものと解される。 したがって、申立人の上記主張は、採用することができない。 以上によれば、引用商標は、文字部分に相応して、「ジョージジーナアンドルーシー」の称呼を生ずるものであるが、観念を生ずるものではない。 (3)類否判断 ア 外観 本件商標と引用商標の外観についてみると、別掲1及び2のとおり、それぞれの構成全体は、明らかに相違するものであるから、十分区別できるものである。 しかし、本件図形と引用図形の外観を比較すると、両者を子細にみれば、前者の頭部において口とおぼしき部分が白抜きで表されているほか、胴部、脚部の表現方法が異なるとしても、両者は、片方の前足を上げて左向きに歩く姿を表していること、尾をS字状に湾曲させ背中の上方に配していること、前足が真っ直ぐで後ろ足が屈折していることが、両者に共通してみられる特徴であるうえ、これら特徴を有する動物が3頭上下に並べて表されていることも相まって、上記差異がこれらの共通点と比べてそれほど看者の印象に残るとはいい難いものであり、むしろ、看者に与える印象の骨格を決定づける図形としての基本的構成において、両者は、構成の軌を一にするものである。 そうすると、本件図形と引用図形に接する需要者は、両者から共通する印象を強く受けるものとみるのが相当であるから、両図形は、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合、互いに見誤るほどに類似するものということができる。 イ 称呼 本件商標は、前記(1)のとおり、「ケントアンドカーウェン」の称呼と「スリーライオン」の称呼を生ずるのに対して、引用商標は、前記(2)のとおり、「ジョージジーナアンドルーシー」の称呼を生ずるものであるから、本件商標から生ずる上記各称呼と引用商標から生ずる称呼とは、構成音数及び音構成が顕著に相違し、十分区別できるものである。 ウ 観念 引用商標は、前記(2)のとおり、観念を生ずるものではないから、本件商標と引用商標とは、観念について比較することができない。 エ まとめ 以上の本件商標と引用商標との外観、称呼及び観念についての比較検討の結果を踏まえて、全体的に考察すると、両商標は、外観及び称呼が相違し、観念において比較できないものであり、たとえ、それぞれの構成中の本件図形と引用図形の外観が類似するとしても、引用商標は、前記(2)のとおり、その構成中の引用図形と文字部分とが常に一体として使用されているという取引の実情をも考慮すれば、引用図形のみが使用されることはないといえるものであるから、本件商標と引用商標とは、これらを同一又は類似の商品に使用しても、その出所の混同を生ずるおそれはないといえる。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 1 本件商標 2 引用商標 |
異議決定日 | 2011-03-29 |
出願番号 | 商願2010-259(T2010-259) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(X1825)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 平松 和雄 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 酒井 福造 |
登録日 | 2010-05-14 |
登録番号 | 商標登録第5322399号(T5322399) |
権利者 | リーフォン トリニティー マネジメント(シンガポール)プライベート リミテッド |
商標の称呼 | ケイアンドシイ、ケイシイ、ケントアンドカーウエン、ケントアンドクルウエン、ケントカーウエン、ケントクルウエン |
代理人 | 特許業務法人あーく特許事務所 |
代理人 | 小田 治親 |