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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X25
審判 一部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1235025 
異議申立番号 異議2009-900357 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-09-10 
確定日 2011-04-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5238928号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5238928号商標の指定商品中、登録異議の申立てに係る指定商品についての商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5238928号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲の構成からなり、平成19年3月20日に登録出願、第14類「貴金属及びその合金,キーホルダー,貴金属製身飾品用容器,貴金属製宝玉用容器,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,装身小物(宝飾品),その他の宝飾品,貴金属製靴飾り,貴金属製時計用容器,時計」、第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,貴金属製がま口及び財布,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘及びその部品,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、同21年5月28日に登録査定、同年6月12日に設定登録されたものである。

第2 本件登録異議申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第19号証(枝番を含む。)を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
本件商標は、「marie claire」の欧文字と「bis」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、上段の「marie claire」は、商標権者「マリクレールアルバン」の略称及びハウスマークとして認識されるものである。また、当該文字部分は、履物業界を含めた、いわゆるファッション・アパレル業界において、周知性を有しているといえるものである(甲第5号証の1及び2)。
そうとすれば、下段の「bis」は、商標権者のいわゆるペットネームとして認識される可能性が十分あり、一種の造語であると認識される。
さらに、上段の「marie claire」と下段の「bis」は、書体が相違しており、文字の大きさも異なっているため、外観上まとまりよく構成されているということはできない。
してみれば、「marie claire」と「bis」とを一体として称呼し得るとする特段の事情もないものである。
加えて、上段の「marie claire」が会社の代表出所標識として認識される場合があるという商取引の実情をかんがみれば、下段の「bis」部分のみで、商取引を行うことがあるとするのが妥当である。
そして、本件商標を使用する商品を取り扱う取引業者においても、「マリクレールビス」の称呼を用いて商取引を行っている実情もある(甲第6号証)。
よって、本件商標からは、「ビス」の称呼を生ずる。

(2)引用商標
ア 登録第2175676号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ViS」の欧文字とその右側に正円輪郭内にアラビア数字の「1」を表した図形よりなり、昭和60年9月17日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成元年10月31日に設定登録、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同21年12月24日に指定商品の書換登録があった結果、第14類「貴金属製靴飾り」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」となったものである。
引用商標1の「ViS」の文字部分からは、その構成文字に相応して「ビス」の称呼を生ずる。

イ 登録第4208160号商標(以下「引用商標2」という。)は、「VIS」の欧文字を縦長に表した横書き文字よりなり、平成9年4月11日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として、同10年11月6日に設定登録、その後、商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
引用商標2からは、その構成文字に相応して「ビス」の称呼を生ずる。

以下、引用商標1及び引用商標2を一括していうときは、「引用両商標」という。

(3)本件商標と引用両商標の類否
本件商標と引用両商標は、「ビス」の称呼を共通にする類似する商標であり、指定商品も同一又は類似のものであるから、商品の出所について混同を生ずるものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中第25類「履物」については、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について
申立人は平成8年から現在まで、商品「履物」について、商標「VIS」(以下、「使用商標」という。)を継続的に使用しており、使用商標は、履物業界において周知、著名性を獲得している。
そして、使用商標からは、「ビス」の称呼を生ずる。
一方、本件商標から「ビス」の称呼を生ずることは、上記1で述べたとおりである。
してみれば、本件商標と使用商標とは「ビス」の称呼を共通にするものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、申立人の業務に係る商品であるかの如く商品の出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、その指定商品中第25類「履物」については、例え商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、同第15号に該当する。

3 むすび
本件商標の指定商品中、第25類「履物」については、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって、その登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
本件商標は、別掲のとおり、「marie claire」の欧文字と「bis」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、「marie claire」の文字部分と「bis」の文字部分は若干異なる書体が用いられているものの、構成文字がすべて小文字の欧文字で書されていること、構成文字の大きさがほぼ同一であること及び「marie claire」の文字と「bis」の文字が上下2段にバランス良く配されていることから、本件商標は、外観上は一体的に認識、把握されるものである。
そして、上段の「marie claire」は、1937年に創刊された月刊ファッション雑誌として出版され、日本国内においても、その日本版が1982年に刊行されて以来、そのブランド力を生かしてレディース、メンズ服飾系でライセンスビジネスを行っている(甲第5号証の1)ことから、一般に広く知られるに至っていることが認められ、また、下段の「bis」は、「第2の」等の意味を有するフランス語である(乙第2号証)ことよりすれば、本件商標の構成全体から、「第2のマリクレール」程の観念を生ずるというべきである。
以上で認定したとおり、本件商標は、外観上一体性があること及び構成全体から観念が生ずることよりすれば、本件商標は、その構成全体から「マリクレールビス」の称呼を生ずるものである。
そして、本件商標は、「marie claire」の周知、著名性から「マリクレール」の称呼を生ずることがあるとしても、「bis」の文字に着目し「ビス」の称呼を生ずることはないというのが相当である。

(2)引用商標1
引用商標1は、「ViS」の欧文字とその右側に正円輪郭内にアラビア数字の「1」を表した図形よりなるものであるから、その構成全体から「ビスマルイチ」の称呼を生じ、また、「ViS」の欧文字部分から「ビス」の称呼を生ずるものであり、「ViS」の欧文字部分から、「ねじ」の観念を生ずるものである(「コンサイスカタカナ語辞典」、株式会社三省堂、1996年12月1日発行)。

(3)引用商標2
引用商標2は、「ViS」の欧文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「ビス」の称呼を生ずるものであり、また、「ねじ」の観念を生ずるものである。

(4)本件商標と引用両商標の類否
本件商標と引用両商標は、上記(1)ないし(3)で認定したとおりであるから、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、別掲のとおり、「marie claire」の欧文字と「bis」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものであり、上記(1)で認定したとおり、「マリクレールビス」及び「マリクレール」の称呼及び「第2のマリクレール」程の観念を生ずるものである。
一方、使用商標は、「VIS」の欧文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「ビス」の称呼を生ずるものであり、また、「ねじ」の観念を生ずるものである。
してみれば、本件商標と使用商標は、外観、称呼、観念のいずれをみても、全く別異の商標であるというべきである。
そうとすれば、使用商標が、仮に、婦人靴の商標として知られているとしても、本件商標がその指定商品について使用されることによって、申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係にある者の業務に係る商標であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、申立てに係る指定商品、第25類「履物」について、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲

本件商標





異議決定日 2011-03-25 
出願番号 商願2007-24378(T2007-24378) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (X25)
T 1 652・ 262- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 内藤 順子林 圭輔 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 大島 勉
小林 由美子
登録日 2009-06-12 
登録番号 商標登録第5238928号(T5238928) 
権利者 マリー クレール アルバン
商標の称呼 マリークレールビス、マリークレアビス、マリークレール、マリークレア、マリー、クレール、クレア、ビス、ビイアイエス 
代理人 恩田 博宣 
代理人 恩田 誠 
代理人 中村 政美 

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