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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 |
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管理番号 | 1233473 |
異議申立番号 | 異議2010-685006 |
総通号数 | 136 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-06-04 |
確定日 | 2011-01-24 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 国際登録第992102号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 国際登録第992102号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件国際登録第992102号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)の構成よりなり、2008年(平成20年)9月10日に国際商標登録出願、第33類「Wine.」を指定商品として、平成21年11月9日に登録査定、同22年3月19日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由(要旨) 1 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、以下の商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。 (1)登録第1305114号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)の構成からなり、昭和49年3月5日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同52年10月12日に設定登録されたものである。その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成19年12月26日に第33「食卓用ワイン,甘口ワイン,その他の果実酒,洋酒,日本酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)国際登録第766271号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)の構成からなり、2001年(平成13年)9月3日に国際商標登録出願され、第33類「Wines of all kinds,with the exception of extra dry,white table wines,with properties resembling those of Rhine wines,brandy.」を指定商品として、平成14年5月31日に設定登録されたものである。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は別掲(1)のとおり、「PUERTA」、「DEL」及び「SOL」の3つの単語よりなるところ、各単語の間には、一文字分の空白があり、また、本件商標の構成全体としての長さも、冗長である。 さらに、本件商標の構成全体が特定の観念を認識させる可能性も低い。 そうとすれば、本件商標の構成全体を常に一体として把握しなければならないとする必然性はない。 一方、取引者、需要者は、本件商標の構成中の「SOL」が視覚上及び聴覚上印象に残りやすい最後に位置していること及び「SOL」がスペイン語、ポルトガル語及びラテン語において「太陽」を意味する最重要単語であることから、「SOL」を「PUERUTA DEL」と分離独立して認識しやすいといえる。 してみれば、本件商標は、その構成中「SOL」の部分から、「ソル」と称呼される場合も決して少なくないというべきである。 (2)引用商標 引用商標1は別掲(2)及び引用商標2は別掲(3)の構成よりなるところ、引用商標構成中の「VINA」(審判注:「N」の文字の上には、波線符号が付されている。)は「ぶどう畑」を意味するから、引用商標の指定商品との関係では、「ワイン」の品質(生産場所)を表示するにすぎない。 このことは、我が国の商品カタログ中において、「VINA SOL」が「太陽のワイン」と呼ばれていることからも明らかである。 また、最近になって、引用商標を使用した商品のラベルに、太陽の図形マークが付されるようになった。 そうとすれば、引用商標の要部は、「SOL」にあるといえる。 してみれば、引用商標は、その構成中「SOL」の部分から、「ソル」と称呼され得るというべきである。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標とは、「SOL」の部分において、その外観、「ソル」の称呼及び「太陽」の観念を共通にする類似の商標である。 (4)小括 本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 申立人は、スペインでも屈指の大手アルコール飲料メーカーである。 申立人の製品中引用商標を銘柄として使用したワインは、本件商標の登録出願前から、我が国及び外国において、ワインの取引者、需要者に周知、著名となっていた。 そして、本件商標と引用商標が類似することは、上記2で述べたとおりである。 してみれば、本件商標がその指定商品に使用された場合、当該商品が、引用商標又は申立人の製品と関連づけられて、申立人又は申立人と関連する者の業務に係る商品であるかの如く誤認、混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同第15号に該当する。 4 むすび 本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号又は同第15号に違反してなされたものであるから、その登録は、同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は、別掲(1)のとおり「PUERTA DEL SOL」の欧文字よりなるところ、構成各文字は、「PUERTA」と「DEL」及び「DEL」と「SOL」の間に半文字分の間隔を有するものの、同一の書体、同一の大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており、また、本件商標全体の構成文字より生ずると認められる「プエルタデルソル」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 してみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、殊更、前半部の「PUERTA DEL」の文字部分を省略して後半部の「SOL」の文字部分のみに着目し、当該文字部分より生ずる「ソル」の称呼をもって取引に当たるというよりも、むしろ、本件商標の構成全体に相応して、「プエルタデルソル」の称呼のみをもって取引に資するとみるのが相当である。 そして、観念については、「PUERTA DEL SOL」の文字は、「太陽のとびら」等の意味を有するスペイン語と認められるものであるが、我が国におけるスペイン語の普及度にかんがみれば、本件商標からは、特定の観念を生じないというのが相当である。 (2)引用商標 引用商標は、別掲(2)及び別掲(3)のとおり「VINA SOL」の欧文字よりなるところ、構成各文字は、「VINA」と「SOL」の文字の間に一文字分の間隔をもって表しているものの、引用商標1及び引用商標2は、同一の書体、同一の大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており、また、引用商標全体の構成文字より生ずると認められる「ビニャソル」又は「ビナソル」の称呼も冗長とはいえず一連に称呼し得るものである。 してみれば、本件商標に接する取引者、需要者をして、殊更、前半部の「VINA」の文字部分を省略して後半部の「SOL」の文字部分のみに着目し、当該文字部分より生ずる「ソル」の称呼をもって取引に当たるというよりも、むしろ、その構成全体に相応して、「ビニャソル」又は「ビナソル」の称呼のみをもって取引に資するとみるのが相当である。 そして、観念については、「VINA SOL」の文字は、「太陽のぶどう畑」等の意味を有するスペイン語と認められるものであるが、我が国におけるスペイン語の普及度にかんがみれば、本件商標からは、特定の観念を生じないというのが相当である。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標より生ずる「プエルタデルソル」の称呼と、引用商標より生ずる「ビニャソル」又は「ビナソル」の称呼とは、音構成において明らかに相違するから、両者は、称呼上において聞き誤るおそれはないといえるものである。 また、外観上についてみても、両者の構成は、上記(1)及び(2)のとおりであって相紛れるおそれはなく、観念上についてみても、両者は、共に特定の意味合いを生じない造語といえるものであるから比較することができない。 したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。 (4)小括 以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたということはできない。 2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 申立人は、引用商標を銘柄として使用したワインは、本件商標の登録出願前から、我が国及び外国において、ワインの取引者、需要者に周知、著名となっていた旨主張する。 そして、乙第4号証の1ないし8によれば、「世界の名酒辞典」と題する書籍において、引用商標を銘柄として使用したワインが紹介されていることが認められる。 しかしながら、本件商標の登録出願前に、少なくとも我が国において上記ワインがどの程度の取引量があったのかも不明であり、上記証拠のみをもって、引用商標が申立人の取扱いに係る商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、外国をはじめ、我が国の需要者の間で広く認識されているものと認めることはできない。 かつ、本件商標と引用商標が別異の商標であることは前記1で認定したとおりである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたということはできない。 また、以上のとおりであるから、本件商標は、商標権者が、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、申立人の引用商標を連想、想起させるものとはいえず、当該商品が、申立人又は同人と経済的、組織的の関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとはいえないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたということはできない。 3 むすび 本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別記】 |
異議決定日 | 2011-01-05 |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(X33)
T 1 651・ 26- Y (X33) T 1 651・ 271- Y (X33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 福田 洋子 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
瀧本 佐代子 小林 由美子 |
登録日 | 2008-09-10 |
権利者 | Martinez Chacon, Manuel |
商標の称呼 | プエルタデルソル |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 中村 稔 |