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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X35 審判 査定不服 外観類似 登録しない X35 審判 査定不服 観念類似 登録しない X35 |
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管理番号 | 1233350 |
審判番号 | 不服2010-7187 |
総通号数 | 136 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-03-18 |
確定日 | 2011-02-18 |
事件の表示 | 商願2009-39354拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「イルカ店」の文字を標準文字で表してなり、第35類「自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成21年5月15日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第2275802号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和62年10月29日登録出願、第12類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成13年2月14日に、第12類「自動車並びにその部品及び付属品」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、前記1のとおり、「イルカ店」の文字を書してなるところ、その構成中前半の「イルカ」の文字部分は、「いるか【海豚】歯クジラ類のうちの小形種の総称。」を表すものであり、また、後半の「店」の文字部分は、「品物を置き並べて商売するところ。みせ。たな。」(いずれも広辞苑第六版)であることから、本願指定役務との関係においては役務の提供場所を表示したものというのが相当である。 そうとすれば、本願商標は、「イルカ」の文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、該文字部分より、単に「イルカ」の称呼をも生じ、「いるか【海豚】歯クジラ類のうちの小形種の総称。」である「いるか」の観念を生ずるものである。 (2)引用商標 引用商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、全体を黒塗りで表し、腹部に白を配して表した魚が飛び跳ねたような形状で、このような図形は広く親しまれている「イルカ」を表現したものとして認識されるとみるのが自然といえるものである。 そうとすれば、引用商標は、「イルカ」の称呼をも生じ、本願商標と同様に「いるか」の観念を生じさせるものと認められる。 (3)本願商標と引用商標の類否について 図形のみからなる商標と、文字商標の類否については、「観念は副次的なものであるから、外観、称呼が相違する場合には、たとえ観念において類似しても全体として類似の商標とはいえないということはできない。取引者、需要者は商標の外観、称呼ばかりでなく、その有する観念(意味)を記憶し、これのみによつて商品を選択する場合も稀ではないから、観念において紛らわしい商標である以上類似の商標というべきである。」(東京高裁昭和37年(行ナ)第215号判決)との判例、及び、商標の類否については、「商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかも,その商品の取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断しなければならない(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)」との判例がある。 そこで検討するに、本願商標は、「イルカ」の文字部分より、単に「イルカ」の称呼及び「いるか」の観念を生ずるものであり、引用商標は、「イルカ」を描いた図形であることから、「イルカ」の称呼をもって取引に当たる場合も少なくないものであり、「いるか」の観念を生じさせるものである。 そうとすれば、本願商標と引用商標とは、外観において類似するとはいえないものの、「イルカ」の称呼及び「いるか」の観念を同一にする類似の商標であって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すると、同一又は類似の指定商品又は指定役務に使用した場合、その出所につき誤認混同されるおそれがあるということができる。 そして、本願商標は、引用商標の指定商品と同一又は類似の役務に使用をするものである。 (4)まとめ したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当であって、取消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 <引用商標> |
審理終結日 | 2010-12-06 |
結審通知日 | 2010-12-10 |
審決日 | 2010-12-21 |
出願番号 | 商願2009-39354(T2009-39354) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(X35)
T 1 8・ 261- Z (X35) T 1 8・ 262- Z (X35) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 恩田 早穂、池田 光治 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 田中 亨子 |
商標の称呼 | イルカテン、イルカ |