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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900294 審決 商標

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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X19
審判 一部申立て  登録を維持 X19
審判 一部申立て  登録を維持 X19
審判 一部申立て  登録を維持 X19
管理番号 1230246 
異議申立番号 異議2009-900136 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-02-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-04-10 
確定日 2010-12-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5195684号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5195684号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5195684号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年5月27日に登録出願、第19類「墓用石材,その他の石材,墓石,墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。),石製彫刻,大理石製彫刻,灯ろう」を指定商品として、同年11月20日に登録査定、同21年1月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4142441号商標(以下「引用商標」という。)は「世にも不思議なお墓の物語」の文字を横書きしてなり、平成8年8月30日に登録出願、第35類「インターネットによる墓石販売情報の提供」を指定役務として同10年3月18日に登録査定、同年5月1日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立の理由の要点
(1)本件商標は「世にも不思議なお墓の物語」の文字からなり、指定商品に墓石石材や墓石、墓標及び墓碑用銘板を含む。他方、申立人は、インターネットによる墓石販売情報の提供という類似の指定役務について、同一文言の「世にも不思議なお墓の物語」からなる引用商標を既に保有する。よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するので、その登録は取り消されるべきである。
(2)申立人は、その石材店舗の看板に「世にも不思議なお墓の物語」と大きく掲示してきた。また申立人は平成11年より運営するウェブサイト「世にも不思議なお墓の物語」において墓石の情報提供をし続けており、申立人の使用する商品等表示として広く需要者に知られた商標となっている。
そして、申立人は京都府石材業協同組合に加盟する墓石等販売業者であり、札幌、東京、名古屋、京都、大阪、神戸と全国的に支店を展開し、さらに、全国各地で、お墓の相談会を毎月定期的に開催しており、新聞紙面広告等においてもその旨を種々に繰り返し広告してきたものである。
したがって、仮に本件商標を商標権者が使用すれば、需要者が申立人の業務と何らかの関わりをもつと誤認混同するおそれが高いことは明らかである。また「世にも不思議なお墓の物語」という一般的に耳慣れない言い回しの文言であるから、偶然に一致するものではなく、申立人の使用する周知の商標使用を承知のうえで出願されたものであるから、不正な目的で使用するものであって、商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、別掲のとおり、「世にも不思議なお墓の物語」の文字を横書きしてなるものであって、当該文字から「ヨニモフシギナオハカノモノガタリ」の称呼及び「世にも不思議なお墓の物語」の観念を生ずるものである。
また、引用商標は、前記2のとおり、「世にも不思議なお墓の物語」の文字を横書きしてなるものであって、当該文字から「ヨニモフシギナオハカノモノガタリ」の称呼及び「世にも不思議なお墓の物語」の観念を生ずるものである。
してみると、本件商標と引用商標は、平仮名部分において、大きさの違いがあるとしても、同一の綴り字よりなるものであるから、外観上極めて近似し、称呼及び観念を共通にするものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛らわしい類似の商標である。
イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定役務について
本件商標の指定商品は、第19類「墓用石材,その他の石材,墓石,墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。),石製彫刻,大理石製彫刻,灯ろう」であり、引用商標の指定役務は「インターネットによる墓石販売情報の提供」である。
そこで、本件商標の指定商品と引用商標の指定役務について検討すると、商品と役務の類否を判断するに際しては、例えば、ア)当該商品の製造・販売と当該役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるかどうか、イ)当該商品と当該役務の用途が一致するかどうか、ウ)当該商品の販売場所と当該役務の提供場所が一致するかどうか、エ)当該商品と役務の需要者の範囲が一致するかどうかを総合的に考慮して判断するのが相当である。
これを本件についてみると、本件商標の指定商品と引用商標の指定役務について、一般的には次のとおりといえる。
事業者については、前者がいわゆる石材店等であるのに対して、後者は、いわゆる情報提供業者である。用途については、前者は墓石、供養等であり、後者は、墓石の売れ筋商品データや価格の比較データ等の販売情報の把握である。また、前者は、いわゆる石材店等の店舗を販売場所とし、後者はインターネットを通じての提供である。そして、需要者についてみると、前者は一般需要者を、後者は葬祭業者、石材業者をそれぞれ主とするものである。
してみると、本件商標の指定商品と引用商標の指定役務とは、一般的には、それぞれの事業者、用途、商品の販売場所と役務の提供場所及び需要者を異にするから、両者に同一又は類似の商標を使用しても、出所の混同を生ずるおそれのないものと判断するのが相当である。
そうすると、本件商標の指定商品と引用商標の指定役務とは、互いに相紛れるおそれのない非類似のものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)申立人が使用する商標「世にも不思議なお墓の物語」(文字の大小の異なるもの、三段書きしてなるもの等、使用態様の異なるものを含む。以下「申立人商標」という。)の周知・著名性について
ア 申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)甲第3号証は、申立人の履歴事項全部証明書の写しであり、会社成立の年月日の欄に「昭和55年7月9日」、目的の欄に「1.石材並びに石工品の施行、販売」の記載があることから、申立人は、昭和55年に設立された「石材並びに石工品の施行、販売」等を目的とする事業者である。
(イ)甲第4号証は、平成19年1月22日付け株式会社エイコーの閉鎖事項全部証明書の写しであり、目的の欄に「1.各種石材の販売及び加工」、登記記録に関する事項の欄に「平成11年10月19日京都市下京区(中略)の株式会社亘徳に合併し解散」の記載がある。
(ウ)甲第5号証は、申立人の2004年(平成16年)から2007年(平成19年)の売上実績件数一覧表であるが、この売上実績がどのような商品(又は役務)の売り上げなのか不明であり、また、その件数を裏付ける証左もない。。
(エ)甲第6号証及び甲第7号証は、霊園と墓石の広告であって、記載されている日付と曜日との関係から2008年(平成20年)の広告と推認できるものであるが「株式会社亘徳社(「徳」は旧字であるが「徳」と表す。以下、同様)」の記載はあるものの、申立人商標の表示はない。
(オ)甲第8号証は、平成19年11月、平成20年2月、3月及び4月のチラシ広告業者の請求書等の写しであるが、チラシ、広告の内容は不明である。
(カ)甲第9号証は、申立人の大阪支店の店舗、申立人商標が表された看板の外観写真及び店舗に石材を展示している写真の写しであるが、作成年月日が不明である。
(キ)甲第10号証は、申立人の札幌支店の店舗及び久保田茂多呂著の書籍「世にも不思議なお墓の物語」の広告塔の写真の写しであるが、「世にも不思議なお墓の物語」の文字は書籍の題号であって、申立人の使用する商標とは認められない。
(ク)甲第11号証は、申立人の神戸支店の店舗及び申立人商標が表された看板の外観写真の写しであるが、どのような業務を行っている店舗なのか不明であるし、作成年月日も不明である。
(ケ)甲第12号証及び甲第13号証は、本件商標の登録査定日以降である2009年(平成21年)4月にプリントアウトされた申立人のウェブページの写しであり、左上に申立人商標の表示があるが、その内容は、いずれもお墓の相談に関するものである。
(コ)甲第14号証及び第15号証は、申立人の作成に係る平成13年ないし平成20年の申立人のウェブサイトの月別アクセス数の統計表及びホームページの作業リストの写しであるが、その当時のウェブサイトの内容は不明である。
(サ)甲第16号証は、申立人の社員の名刺の写しであるが、申立人商標の表示もなく、作成年月日も不明である。
(シ)甲第17号証は、封筒の写しと認められるところ、「世にも不思議なお墓の物語」「久保田茂多呂著」及び「株式会社亘徳」の表示はあるが、「世にも不思議なお墓の物語」の表示は書籍の題号であって、申立人の使用する商標とは認められない。
(ス)甲第18号証及び甲第19号証は、平成16年11月19日発行及び昭和62年1月20日発行の書籍「世にも不思議なお墓の物語」の写しであるが、「世にも不思議なお墓の物語」の文字は書籍の題号であるから、いずれも申立人の使用する商標とは認められない。
(セ)甲第20号証及び甲第21号証は、2002年(平成14年)、2003年(平成15年)の京都リビング及び2000年(平成12年)、2001年(平成13年)の中日新聞の写しであり、前者には書籍「世にも不思議なお墓の物語」の写真が掲載され、後者には「世にも不思議なお墓の相談会」「株式会社亘徳」の表示はあるが、いずれにも申立人商標の表示はない。
(ソ)甲第22-1号証ないし甲第22-3号証は、2006年(平成18年)の福島民報及び下野新聞、2008年(平成20年)の東奥日報及び下野新聞の広告であるが、「世にも不思議なお墓の物語」の表示は書籍の題号であるから、申立人の使用する商標とは認められない。
以上を総合判断すると、申立人が、申立人商標を看板に表示していること(甲第9号証、甲第11号証)、お墓の相談会について使用していること(甲第12号証、甲第13号証)及び「世にも不思議なお墓の物語」を題号とする書籍を広告していること(甲第10号証、甲第17号証ないし甲第22-3号証)は認められるものの、申立人商標が使用されていると認め得る証左は、甲第9号証、甲第11号証ないし甲第13号証のみであり、それらにしても本件商標の出願の日前のものとは認められないものである。
そうとすれば、申立人の提出に係る証拠によっては、申立人商標が申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、本件商標の登録出願日である平成20年5月27日及び本件商標の登録査定日である同年11月20日の時点において、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(3)商標法第4条第1項第10号について
前記(2)で認定したとおり、申立人商標が、申立人の業務に係る商品等を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(4)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、申立人商標は、申立人の業務に係る商品等を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。また、他に本件商標が申立人の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとする格別の事情も見いだせない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用したとしても、これに接する取引者・需要者が申立人商標を想起又は連想して、当該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(5)商標法第4条第1項第19号について
申立人商標が、取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められないこと上述のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の要件を満たすものとはいえないばかりでなく、本件商標が不正の目的をもって使用するものと認めるに足る証拠の提出はない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)





異議決定日 2010-12-02 
出願番号 商願2008-40063(T2008-40063) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (X19)
T 1 652・ 222- Y (X19)
T 1 652・ 25- Y (X19)
T 1 652・ 265- Y (X19)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浦辺 淑絵 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
瀧本 佐代子
登録日 2009-01-09 
登録番号 商標登録第5195684号(T5195684) 
権利者 久保田征鑑
商標の称呼 ヨニモフシギナオハカノモノガタリ 
代理人 横井 健至 
代理人 杉本 勝徳 
代理人 横井 知理 

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