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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X42
管理番号 1230180 
審判番号 不服2009-25882 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-28 
確定日 2011-01-04 
事件の表示 商願2008-81546拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ビフォーアフター」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第42類「建築物の設計,建築物の設計に関する指導・助言及び情報の提供,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として、平成20年10月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ビフォーアフター』の文字を表してなるところ、『現代用語の基礎知識2004』の『ビフォーアフター』の項をみると『もともと美容薬・器具の広告に使われてきた言葉だが、ABC放送(テレ朝系)『大改造!!劇的ビフォーアフター』でリフォーム用語に。』との記載が、『現代用語の基礎知識2009』では『改修前、改修後。美容用語から転用』との記載があることから、これを本願指定役務中『リフォーム建築物の設計』等に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「ビフォーアフター」の文字よりなるところ、「コンサイスカタカナ語辞典(三省堂発行)」によれば、その構成中前半の「ビフォー」の文字部分は、「の前に」を意味する外来語であり、また、同後半の「アフター」の文字部分は、「の後に」を意味する外来語であるが、いずれも平易な外来語といえるものであるから、両語を組み合わせた「ビフォーアフター」の文字からは、全体として「の前と後に」の如き意味合いを容易に看取させるものである。
そして、「ビフォーアフター」の文字については、原審説示のとおり「現代用語の基礎知識2004」によれば、「もともと美容薬・器具の広告に使われてきた言葉だが、ABC放送(テレ朝系)『大改造!!劇的ビフォーアフター』でリフォーム用語に。」等との記載があり、また、「現代用語の基礎知識2010」によれば、「整形前と整形後。使用前と使用後。改修前、改修後。」との記載が認められるものである。
さらに、本願商標の指定役務に含まれる「建築物のリフォーム関連分野」において、「改修前、改修後」の語の代わりに、近年、リフォームの前と後の違いを端的に表す言葉として、「ビフォーアフター」の文字が普通に使用されている実情があるところ、このことは、以下の「インターネット情報」によっても十分に窺えるものである。(下線は当審で付した。)
ア 「松美建設株式会社」のウェブサイトの中に、「マツミのリフォーム ビフォーアフター」の記載がある。(http://www.mwh.co.jp/co_reform.html)
イ 「有限会社森建築板金工業」のウェブサイトの中に、「屋根リフォーム・雨漏り修理のビフォーアフターをご覧ください。」の記載(http://www.moribankin.com/co_reform.html)。
ウ 「関口建設」のウェブサイトの中に、「増築・改築/全面改築・改装|リフォーム施工事例集 ビフォー・アフター」の記載(http://www.sekiguchi-kensetsu.com/cgi/list_re/list_7.html)。
エ 「美し信州建設株式会社」のウェブサイトの中に、「美し信州建設のリフォーム ビフォーアフター」の記載(http://www.sinshuu.co.jp/as_co_reform.php/month/new)。
オ 「GREEN-REMAKE リフォーム事業部 blog」のウェブサイトの中に、「川越市 外壁塗装工事ビフォーアフター」の記載(http://www.69ie.jp/reform/archives/002218.html)。
カ 「株式会社建築工房サトウ」のウェブサイトの中に、「リフォーム 札幌市豊平区 H様邸 ビフォーアフター」の記載(www.k-satoh21.com/saishin/sa004_002.html)。
キ 「TENPOCO」のウェブサイトの中に、「『普通のビフォー・アフター和風例 施主さんと一緒にリフォームを楽しむ』/建築家はやしてつぞうさんの作品」の記載(http://www.tenpo-houseco.jp/work/detail/4287/104287)。
ク 「株式会社アコール」のウェブサイトの中に、「ビフォーアフターを写真で見る」の記載(http://accole.jp/design/d08.html)。
ケ 「三和エクステリア岐阜販売株式会社」のウェブサイトの中に、「設計施工ビフォーアフター」の記載(http://www.sanwa-ex-gifu.com/after/200910/-t.html)。
コ 「KISHIWADA STUDIO」のウェブサイトの中に、「【泉州版ビフォー・アフター】 第2期工事スタート!」の記載(http://www.asj-k.jp/topics/archives/2006112485.php)。
サ 「西地設計有限会社」のウェブサイトの中に、「ビフォーアフター☆アルバム 築27年の1階全面リフォーム!!」の記載(http://www.nishichi.com/reform/before-after-u.htm)。
シ 「タムラ建設株式会社」のウェブサイトの中に、「『タムラ建設的ビフォー・アフター』・・・。築30年の家を増改築させていただくことになりました。」の記載(http://www.tamura-k.co.jp/works/actual/post_36.html)。

(2)上記の実情を総合して判断すれば、本願商標をその指定役務中、例えば、「建築物のリフォーム設計,建築物のリフォーム設計に関する指導・助言及び情報の提供」等、「建築物のリフォームに関連する役務」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、リフォームの「前と後」の違いを表す際に使用される「改修前、改修後」と同義の語であると理解、認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
そうとすれば、本願商標は、取引者、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができない商標であるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(3)請求人の主張について
なお、請求人は、建築物のリフォーム関連分野において、「改修前」「改修後」を写真等により判りやすく伝えることを目的とした広告宣伝を行うときに、しばしば「BEFORE」や「AFTER」の文字を用いる使用実態があるとしても、これらの文字は、あくまで別個の言葉として、各別に離れて用いられており、需要者は、これらを写真や説明の付記表示と認識するにすぎず、それ以上に、「ビフォーアフター」の一連の文字が使用されたと認識することはない旨主張している。
しかしながら、「ビフォーアフター」の文字については、前記(1)で示したとおり、リフォームの前と後の違いを端的に示すことによって、需要者の役務の提供を受ける意欲を促進させる目的で普通に使用されているものであるから、「ビフォーアフター」の文字が、写真等の付記的な表示であるとは認め難く、請求人の主張は採用することができない。

(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-09-07 
結審通知日 2010-10-01 
審決日 2010-10-28 
出願番号 商願2008-81546(T2008-81546) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大島 勉 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
小田 昌子
商標の称呼 ビフォーアフター 
代理人 亀川 義示 

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