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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X03
管理番号 1230001 
審判番号 不服2009-25642 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-25 
確定日 2011-01-07 
事件の表示 商願2008- 34885拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおり、「Natural Aqua Jel」及び「Cure」の欧文字を二段に表してなり、第3類「皮膚の角質除去用ジェル」を指定商品として、平成20年5月7日に登録出願されたものである。

第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4822994号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおり、「キュア」の片仮名と「CUA」の欧文字を上下二段に表してなり、平成16年4月21日に登録出願され、第3類「化粧品」を指定商品として、同年12月3日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「Cure」の文字とその小文字「ure」の上に「Natural Aqua Jel」の文字とを併記してなるところ、その文字全体の高さを語頭の「C」に合わせる構成態様でまとまりよく一体的に表してなるものである。
そして、その構成文字中の「Natural」は、「自然なさま、天然」(ナチュラル)を、「Aqua」は、「水、水の」(アクア)を意味する語と認められる(以上「広辞苑第六版」)。
また、その構成中「Cure」の文字は、「治療薬、治療法」(キュアー)等の意味を有する英語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」)または「治療、治癒」(キュア)等を意味する外来語(「コンサイスカタカナ語辞典」)と認められる。
ところで、その指定商品との関係では、「アクアジェル」(aqua gel)の文字は、「ジェル状の化粧品」程の意を指称する語として、普通に採択使用されているところである。
そうとすれば、その構成中の「Aqua Jel」の文字は、「aqua gel」の文字と「アクアジェル」の称呼を共通にするから、前記意を認識させるものと判断するのが相当である。
してみれば、その構成中の「Natural Aqua Jel」の文字からは、全体として「天然水を使用したジェル状の化粧品」の意を認識、理解させるものである。
しかしながら、その構成中の「Cure」の文字は、「世話、注意」の意味を有する「care」(ケア)の英語を原義(「ベーシック ジーニアス英和辞典」)とするものであるとしても、前記意味をもって、商品の品質、用途を具体的に表示するものとして直ちに認識し、把握されるものとはいい難いものであって、かつ、「角質層の手入れ用ジェル商品」に使用される「角質ケア」の語のように普通に使用されている事実は見いだせない。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体から、「ナチュラルアクアジェルキュア」の称呼及び「Cure」の文字に相応して「キュア」の称呼を生ずるものであるが、「治療薬、治療法」等の観念を生ずるものであるとまではいえないと判断するのが相当である。
ところで、請求人から提出された甲各号証によれば、本願商標は、「皮膚の角質除去用ジェル」の包装容器に付され、2006年から継続的に使用され、20代ないし30代の女性を中心に、請求人の製造販売に係る商品を表すものとして、ある程度知られているものと認められる。
してみれば、本願商標からは、「キュア印の天然水を使用したジェル商品」程の観念を生ずるものと判断するのが相当である。
他方、引用商標は、「キュア」及び「CUA」の文字を併記してなるところ、「キュア」の文字が「CUA」の文字の読みを特定しているものと解すことができるから、これより「キュア」の称呼を生じるが、観念については特定することができない造語というのが相当である。
ところで、昭和39年(行ツ)第110号判決によれば、「商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによつて決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。(中略)商標の外観、観念または称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準に過ぎず、従って、右3点のうちその1において類似するものでも、他の2点において著しく相違することその他取引の実情等によつて、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない。」旨判示されている。
そこで、これを踏まえて判断するに、本願商標と引用商標とは、称呼においては「キュア」の称呼を共通にし、外観については明らかに異なるものであり、観念については引用商標から観念を生ずるものではないから、比較することができないものであるが、本願商標は、その指定商品の需要者間において、ある程度認識されていることを総合勘案すると、本願商標と引用商標とをそれぞれの指定商品について使用しても、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。
したがって、本願商標が引用商標と称呼上類似するものであるとして、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)本願商標


(2)引用商標


審決日 2010-12-17 
出願番号 商願2008-34885(T2008-34885) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X03)
最終処分 成立  
前審関与審査官 神田 忠雄前山 るり子 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小畑 恵一
板谷 玲子
商標の称呼 ナチュラルアクアジェルキュア、ナチュラルアクアジェル、キュア、ナチュラルアクア 
代理人 古関 宏 

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