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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X30
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X30
管理番号 1228372 
審判番号 不服2010-1710 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-01-26 
確定日 2010-12-14 
事件の表示 商願2009-163拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「恋麦」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子及びパン,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズ,ソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,黒米を混合した押麦及びその他の押麦,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成21年1月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、次の(1)及び(2)の登録商標を引用した上で、「本願商標は、(2)の登録商標と、『コイ』の称呼及び『男女間の思慕の情』等の観念を共通にする類似の商標であって、その登録商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(1)登録第4983595号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「恋豆」の文字と、その上部に小さく「こいまめ」の文字を表してなり、平成17年11月22日に登録出願され、第29類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同18年9月1日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5095186号商標(以下「引用商標2」という。)は、「恋米」の文字と、その上部に小さく「こいこめ」の文字を影付きの中抜き文字で表してなり、平成19年3月27日に登録出願され、第29類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月30日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1及び2をまとめていうときは「引用各商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり「恋麦」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、漢字二字が同書、同大で表され、全体として外観上まとまりよく一体に表されているものである。また、該構成文字を訓読み及び音読みした「コイムギ」及び「レンバク」の称呼が生じると認められ、いずれの称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、「麦」が、「えん麦、大麦、押麦」等の総称であり、また、「菓子、パン」等の原材料であるとしても、本願商標は、かかる構成でわずか4音の称呼であることからすれば、その構成全体が一体不可分のものであって、特定の観念を生じないものと認識されるとみるのが自然である。さらに、本願商標は、その構成中「恋」の文字のみをもって取引に資されるとすべき特段の事情は見いだせない。
してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して「コイムギ」、「レンバク」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものといわなければならない。
(2)引用商標1
引用商標1は、前記2(1)のとおり、同書同大で表された「恋豆」の文字とその上部に小さく同書同大等間隔で表された「こいまめ」の文字を表してなるところ、それら構成文字は外観上まとまりよく一体に表されており、かつ、構成中の「こいまめ」の文字部分が「恋豆」の読みを特定したものと無理なく認識されることから、「コイマメ」の称呼のみを生じるものと認められ、該称呼はよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ「豆」「まめ」が「菓子」等の原材料であるとしても、引用商標1は、かかる構成でわずか4音の称呼であることからすれば、その構成全体が一体不可分のものであって、特定の観念を生じないものと認識されるとみるのが自然である。さらに、引用商標1は、その構成中「恋」又は「こい」の文字のみをもって取引に資されるとすべき特段の事情は見いだせない。
してみれば、引用商標1は、その構成文字全体に相応して、「コイマメ」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものといわなければならない。
(3)引用商標2
引用商標2は、前記2(2)のとおり、同書同大で表された「恋米」の文字とその上部に小さく同書同大等間隔で表された「こいこめ」の文字を表してなるものであり、引用商標1と同様に、その構成全体が一体不可分のものであって、「コイコメ」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものといわなければならない。
(4)本願商標と引用各商標の類否
本願商標と引用各商標を比較すると、外観においては、本願商標は漢字のみを表してなるのに対し、引用各商標は漢字二字の上部に小さく平仮名を表してなるものであるから、また、漢字二文字の比較においても、二文字のうち一文字が異なる点に明らかな差異を有するものであるから、両者は相紛れるおそれはなく、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
また、称呼においては、本願商標から生じる「コイムギ」の称呼と引用各商標から生じる「コイマメ」、「コイコメ」の称呼の比較において、両者は、4音のうち後半の2音が明らかに異なり、その差異音が称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼しても、語調語感が異なり明瞭に聴別できるものである。また、本願商標から生じる「レンバク」の称呼と引用各商標から生じる称呼とは、その構成音の全てが異なるから、相紛れるおそれがないことは明らかである。
そうとすれば、本願商標と引用各商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
さらに、本願商標と引用各商標とが、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとすべき特段の事情は見いだせない。
(5)まとめ
したがって、本願商標と引用各商標とは非類似の商標であるから、本願商標と引用商標2とが類似するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものということができず取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2010-12-02 
出願番号 商願2009-163(T2009-163) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (X30)
T 1 8・ 262- WY (X30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石塚 文子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
板谷 玲子
商標の称呼 コイムギ、レンムギ、レンバク、コイ、レン 
代理人 久保山 隆 
代理人 加藤 久 

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