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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X09
管理番号 1228367 
審判番号 不服2010-9925 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-05-10 
確定日 2010-11-25 
事件の表示 商願2009-51926拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「電力量測定器」を指定商品として、平成21年7月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5282909号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成21年5月20日登録出願、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具」を指定商品として、同年11月27日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、別掲1のとおり、円図形の周囲に8個の小さな円図形が等間隔に配置され、緑色に着色されたかかる図形の右側に、当該図形と同一色で着色された「Smart」及び「Meter」の欧文字を上下2段に横書きしてなる構成からなるところ、その図形部分と文字部分とは、同色に着色されてはいるものの、視覚的に容易に分離して看取され得るものであり、また、これらを常に一体のものとして把握すべき意味上の関連性もない。
そして、文字部分については、請求人提出の資料1によれば、「スマートメーター:通信機能をもつ高性能な電気メーター。各家庭での現在の消費電力量や、太陽光発電などによる自家発電量をリアルタイムに計測し、無線通信によって電力会社にデータを提供する。」と記載され、また、資料3によれば、「スマートメーター(賢い電力量メーター)は、自宅で消費する電力量や、太陽光パネルによって発電(売電)する電力量をリアルタイムにデータ化し、無線もしくは有線通信で、外部のアプリケーションや電力事業者に提供することができる。」との記載がある。
さらに、インターネットの記事によると、以下のようなことがうかがい知ることができる。
ア 「きのまま」のウェブサイトにおいて、「スマートメーター」の見出しのもと、「スマートメーターとは、通信機能やほかの機器の管理機能を持つ高機能型の電力メーターを含んだシステムのこと。」との記載がある。
(http://eco.kinomama.jp/lohas/yogo/337/post_3550/)
イ 「未来ナビ」のウェブサイトにおいて、「スマートメーターの出現」の見出しのもと、「…現在では双方向通信が可能で電力メーター間及び家電などの他の機器との通信が行える機器が実用化されています。このような電力メーターは「スマートメーター」と呼ばれ、欧米の有力電力会社により本格的な導入が始まっています。」との記載がある。
(http://www.nri.co.jp/navi/2009/090917_1.html)
ウ 「asahi.com」のウェブサイトにおいて、「スマートメーター、東電も導入へ 10月から実証実験」の見出しのもと、「東京電力は11日、一部地域で住宅の電力メーターを「スマート(賢い)メーター」に交換し、各世帯の電気使用量を通信回線で把握する実証試験を始めると発表した。結果をみて、2013年度から全戸に広げる。スマートメーターは関西、九州の両電力が取り付け始めており、他の電力会社も導入を検討している。…」との記載がある。
(http://www.asahi.com/business/update/0312/TKY201003110558.html)
以上のことから、本願商標構成中の「Smart Meter」の文字部分は、これを本願指定商品の「電力量測定器」に使用したときは、「電気使用量を通信回線で通信できる機能を有した電気メーター」程の意味合いを容易に理解させるものであるから、取引者、需要者は、単に商品の品質を表示するものと理解するにとどまり、自他商品識別標識として認識し得ないといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、その図形に自他商品識別標識としての機能を有するものである。
そうとすれば、本願商標の文字部分は、出所識別標識としての称呼及び特定の観念は生じないものとみるのが相当であり、また、その図形部分は、称呼及び特定の観念が生じないものと認められる。
一方、引用商標は、別掲2のとおりの構成からなり、円図形の周囲に8個の横長の楕円状図形が等間隔に配置された図形の右側に、「soldio」の欧文字を横書きしてなる構成からなるところ、その図形部分と文字部分とは、視覚的に容易に分離して看取され得るものであり、また、これらを常に一体のものとして把握すべき意味上の関連性もないことから、それぞれの部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
そして、「soldio」の文字部分は、特定の意味を有する語ではなく、造語と認められるものであるから、その構成文字に相応して「ソルディオ」の称呼が生ずるものであり、観念については、造語であるから特定の観念が生じないものであり、また、その図形部分は、称呼及び特定の観念が生じないものと認められる。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、まず、図形部分において、両者は、色彩が相違し、中央に描かれた大きな円図形の周囲に配置された8個の図形において、前者は、円図形、後者は、楕円状という差異があるとしても、基本的な構成態様については、(1)中央に大きな円図形が描かれている点、(2)その周囲に8個の小さな円図形のような図形がある点、(3)それらは等間隔に配置されている点、(4)中央の円図形の大きさに比して、8個の図形が小さく描かれている点で共通しており、両者は、共に、一見して、大きな円図形の周囲に8個の小さな円図形のような図形が等間隔に配置されている図形を表したものと理解されるものであって、それぞれを特徴付ける主要な部分において、その着想及び構図が構成の軌を一つにするものであるから、看者に外観上酷似した印象を与えるものであり、両者を時と所を異にして離隔的に観察した場合、互いに相紛れるおそれのあるものとみるのが相当である。
そして、図形部分においては、上記のとおり本願商標及び引用商標ともに、称呼及び特定の観念が生じないものであるから、称呼及び観念については、比較することができない。
次に、本願商標と引用商標の文字部分において、称呼については、上記のとおり、本願商標からは称呼は生じないものであり、引用商標からは、「ソルディオ」の称呼が生じるから、両者は、比較することができない。
また、観念については、上記のとおり、本願商標からは特定の観念が生じないものであり、引用商標は、造語であるから、特定の観念を生じないものであるから、両者を比較することはできない。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念が比較できないとしても、外観において互いに相紛れるおそれのある類似の商標と認められ、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中の「電気磁気測定器」と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標の図形部分は、自然エネルギーの代表格である「太陽」の観念を有しており、図形及び文字の緑色は、「自然」、「エコロジー」、「省エネルギー」等を想起させるから、本願商標の図形と文字が有する意味合いは共通しており、全体として一個の統一的な観念を形成しているから、本願商標は概念上においても不可分一体のものである旨主張する。
しかしながら、請求人は、本願商標の図形部分が「太陽」の観念を有すること、緑色は、「自然」、「エコロジー」、「省エネルギー」等を想起させることを具体的に証明する証拠を提出していないことから、請求人の主張は失当である。
さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張するが、請求人が挙げている登録例は、対比する商標の構成態様において本願商標と異なるものであり、また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断するべきものであって、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は採用することはできない。
(3)むすび
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標

(色彩については、原本参照。)

2 引用商標


審理終結日 2010-09-21 
結審通知日 2010-09-22 
審決日 2010-10-13 
出願番号 商願2009-51926(T2009-51926) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 薩摩 純一古森 美和 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
榎本 政実
商標の称呼 スマートメーター、スマート 
代理人 是枝 洋介 
代理人 右田 敏之 

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