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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X35
管理番号 1224851 
審判番号 不服2009-11202 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-06-16 
確定日 2010-09-06 
事件の表示 商願2008-26499拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「薬局3.0」の文字を標準文字により書してなり、第35類「医療事業に関する経営の診断又は経営に関する助言,介護事業に関する経営の診断又は経営に関する助言,薬局に関する経営の診断又は経営に関する助言,医療事業・介護事業・薬局に関する市場調査,病院・介護施設・薬局のためにする文書又は磁気テープのファイリング」を指定役務として、平成20年4月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、薬事法第2条第5項で規定されている『薬局』の文字と数字『3.0』を結合して『薬局3.0』と標準文字で表してなるにすぎないものであるから、これを本願指定役務に使用する場合、自他識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「薬局3.0」の文字からなるところ、その構成は、漢字部分と数字部分という文字種を異にするものであるから、視覚的に分離して看取されるといえるもので、「薬局」と「3.0」の文字を結合してなるのものと容易に理解されるものである。
そして、その構成中前半の「薬局」の文字部分は、「薬剤師が調剤する場所、また併せて医薬品の販売を行う店。開設には都道府県知事の許可が必要。開設者自身が薬剤師であるか、あるいは管理に専任の薬剤師を置かなければならない。」を意味する語(広辞苑第六版)であって、薬事法においても「この法律で『薬局』とは、薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所(その開設者が医薬品の販売業を併せ行う場合には、その販売業に必要な場所を含む。)をいう。ただし、病院若しくは治療所又は飼育動物診療施設(獣医療法(平成4年法律第46号)第2条第2項に規定する診療施設をいい、往診のみによつて獣医師に飼育動物の診療業務を行わせる者の住所を含む。以下同じ。)の調剤所を除く。」(同法第2条第11項)と定義されているものであり、本願指定役務に表示された「薬局に関する」、あるいは、「薬局」と関連が深い「医療事業に関する」、「介護事業に関する」及び「病院・介護施設・薬局のため」の役務の提供との関係においては、目的又は内容(質)等を表す文字部分といえるものである。
また、多くの産業分野において、数字は、商品の品番、型番等、又は、役務の種別、等級等を表示するための記号、符号等として、一般的に広く採択、使用されているところであり、「3.0」の数字も、その一類型と認識されるものというのが相当である。
そうとすれば、「薬局3.0」と表した本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者は、「薬局の事業に関する役務の提供であること」及び役務の種別、等級等が「3.0」であることを併記したものと理解、認識するに止まり、識別標識として役務の出所を表示したものとは認識し得ないものであるから、需要者が、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標とみるのが相当である。
(2)請求人の主張について
請求人は、ソフトウェア製品や文具商品・釣り具製品などでは文字と数字を組み合わせた商標はバージョンや記号として普通に使用されることから、自他識別標識として機能し得ない場合があるが、本願指定役務の分野、とりわけ医療や薬局の経営の診断等の分野では、文字と数字を組み合わせた商標は普通に使用されていないばかりか、むしろ非常に斬新であり、一般需要者にとって本願商標は自他識別標識として十分認識し得る旨、主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成から「薬局」と「3.0」の文字との組み合わせにより表したものと容易に認識され得るものであって、また、漢字と数字による表示自体も格別請求人のみによる特異な表示方法とはいえないものである。そして、本願商標は、その指定役務との関係において構成各文字が有する意味合い等により、構成全体として検討しても自他役務識別標識としての機能を果たし得ないこと前記認定のとおりである。
また、本願商標が、自他役務の識別標識と認識し得る根拠として示した登録例は、本願とは商標の構成態様を異にするばかりでなく、商標の認定判断は、出願に係る商標とその指定役務との関係において個別具体的に考察し検討されるべきものであって、他の登録例の存在によって上記判断が左右されるものではないから、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-07-14 
結審通知日 2010-07-15 
審決日 2010-07-27 
出願番号 商願2008-26499(T2008-26499) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 三男津金 純子 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
田中 亨子
商標の称呼 ヤッキョクサンゼロ 
代理人 小林 正樹 

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