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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X3543 |
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管理番号 | 1212882 |
審判番号 | 不服2009-6800 |
総通号数 | 124 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-04-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-04-01 |
確定日 | 2010-03-02 |
事件の表示 | 商願2008-12660拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「M・R・S」の文字及び記号「・」(中黒)を標準文字で書してなり、第35類「飲食店事業の管理運営,レストランの設立及び運営に関する指導及び助言,レストランの経営の指導及びそれに関するコンサルティング,ホテル事業の管理」及び第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供」を指定役務として、平成20年2月22日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定の拒絶の理由に引用した登録商標は以下の(1)及び(2)のとおりである。 (1)登録第3097752号商標(以下「引用商標1」という。)は、「NRS」の欧文字よりなり、平成4年7月30日に登録出願され、第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成7年11月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 (2)登録第5114277号商標(以下「引用商標2」という。)は、「NRS」の欧文字と「日本レストランシステム株式会社」の文字とを上下二段に書してなり、平成19年4月13日に登録出願され、第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年2月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (以下、一括していうときは「引用商標」という。) 3 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「M・R・S」の文字及び記号「・」(中黒)よりなるところ、その構成文字に相応して「エムアールエス」の称呼が生じ、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。 他方、引用商標1は、「NRS」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して「エヌアールエス」の称呼が生じ、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。 また、引用商標2は、「NRS」の文字と「日本レストランシステム株式会社」の文字を二段に配してなるところ、その構成中の「NRS」の文字部分が「日本レストランシステム株式会社」の文字部分に比して顕著に表されている上、二段に表されていることから、「NRS」の文字と「日本レストランシステム株式会社」の文字とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、ほかにこれらを常に一体不可分のものとして看取、把握しなければならない特段の事情も見出せない。 してみれば、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標2に接する取引者、需要者は、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得ると認められる「NRS」の文字部分に着目して、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである、 そうとすると、引用商標2は、「NRS」の文字部分に相応して「エヌアールエス」の称呼をも生ずるものであり、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。 そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標から生じる「エムアールエス」の称呼と、引用商標から生じる「エヌアールエス」の称呼とは、第2音において、音質を異にする「ム」と「ヌ」の差異音を有するところ、一般にアルファベット3文字を羅列した商標の場合、一気一連に発音されるというよりは、一文字一文字区切って明瞭に発音されるのが普通であり、加えて、本願商標が各文字の間に「・」(中黒)を配した構成からなることも相まって、前記発音の事情及び音の差異を合わせて考えれば、両商標は、相紛れることなく称呼され得るものというのが相当である。 そして、両商標は、共に3文字により構成され、かつ、その構成中の語頭において「M」と「N」の差異を有するものであるから、それぞれの構成に照らし外観上判然と区別し得る差異を有し、さらに、観念については、両商標はいずれも特定の観念を生じない一種の造語よりなるものであるから、観念上も両商標を比較することはできないものである。 そうすると、両商標の外観、称呼及び観念について総合的に考察すれば、両商標が取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等は大きく異なるというべきであり、これらを同一又は類似の役務に使用した場合、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれはなく、両商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2010-02-17 |
出願番号 | 商願2008-12660(T2008-12660) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X3543)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 板谷 玲子 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 久我 敬史 |
商標の称呼 | エムアアルエス |
代理人 | 西脇 民雄 |