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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X30 審判 全部申立て 登録を維持 X30 |
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管理番号 | 1206866 |
異議申立番号 | 異議2009-900188 |
総通号数 | 120 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-12-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-05-25 |
確定日 | 2009-11-02 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5206650号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5206650号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5206650号商標(以下「本件商標」という。)は、「フルーツ&フルーツ」の文字と「キャンディ」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成20年1月21日に登録出願、第30類「キャンディー」を指定商品として、平成21年2月20日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 (1)本件商標は、構成中の「フルーツ&フルーツ」の文字部分につき、その指定商品「キャンディ」との関係上果物を使用したということないしは果物の風味を付したということを理解させるにとどまるものであるとともに、構成中の「キャンディ」の文字部分につき、当該商品が「キャンディ」であることを理解させるにすぎないものと認められる。 そうとすると、本件商標は、これをその指定商品中の果物を使用してなるキャンディや果物の風味を付したキャンディに使用するときは、これに接する者にその品質を認識させるにとどまる。 また、本件商標は、これをその指定商品中、前記のような商品以外の商品、すなわち「果物を使用していないキャンディ」や「果物の風味を付していないキャンディ」に使用するときは、これに接する者に当該商品があたかも果物を使用ないしは果物の風味を付したものであるかのようにその品質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号並びに同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、取り消されるべきものである。 (2)具体的理由 ア 本件商標は、「フルーツ&フルーツ」の文字を普通に用いられる方法により上段に表すとともに、その下段に「キャンディ」の文字を、やはり普通に用いられる方法により表してなるものと認められる。そして、下段における「キャンディ」の文字部分については、本件商標の指定商品を表すものであって、当該商品につき「キャンディ」であることを理解させるにすぎないものと認められる。 イ そこで、上段における「フルーツ&フルーツ」の文字部分についてみるも、これは「果物」の意味合いにおいて親しまれている平易な外来語の「フルーツ」の文字二つを、「?と、そして、及び」等の意味合いに係る英語「and」を表す記号「&」を介して表したものであって、「果物と果物」ないしは「果物、そして果物」という程度の意味合いを想起させるものと認められる。すなわち、該「フルーツ&フルーツ」の文字は、前記いずれの意味合いを想起させるものとしても、飲食料品との関係においては、果物を使用したということや果物の風味を有するということを強調的に表現したものと理解されるにとどまるものといわざるを得ない。 ウ たとえば、甲第1号証及び甲第2号証は、いずれもインターネットサイトの打ち出しであって、飲食料品の取り扱い分野における「フルーツ&フルーツ」の文字用例を示すものであるところ、これらにおける該文字の表示については、それが具体的にはどのような意味合いに係るものであるのかは定かでないとしても、需要者に果物を使用したということを理解させるにほかならないものということができる。 エ 一方、本件商標の指定商品には、果物を使用したものや果物の風味を付したものが少なくない。なお、この点については、立証するまでもないものである。 オ そうとすると、本件商標の構成における「フルーツ&フルーツ」の文字部分は、その指定商品「キャンディ」との関係上、当該商品につき、果物を使用したということないしは果物の風味を付したということを理解させるにとどまるものと認められる。 カ なお、甲第3号証ないし甲第5号証として示す特許電子図書館「経過情報検索」の打ち出し、又は、甲第6号証ないし甲第8号証として示す「拒絶文字商標集」の写しによれば、飲食料品の品質等に関わる意味合いの文字を、「&」又は「AND」、「アンド」を介して表してなる商標につき、自他商品識別力を有しないことや、商品の品質の誤認を生じるおそれがあることを理由とした出願の拒絶例は少なくなく、さらに、「フルーツアンドフルーツ」の文字からなり、旧第30類に属する商品を指定商品とする商標の拒絶例をみることもできる(甲第7号証)。 キ したがって、本件商標は、これをその指定商品中の果物を使用してなるキャンディや果物の風味を付したキャンディに使用するときは、これに接する者に、その品質を認識させるにとどまるといわざるを得ないから、商標法第3条第1項第3号の規定に該当する。 また、本件商標は、これをその指定商品中、前記のような商品以外の商品、すなわち「果物を使用していないキャンディ」や「果物の風味を付していないキャンディ」に使用するときは、これに接する者に、当該商品があたかも果物を使用ないしは果物の風味を付したものであるかのように、その品質について誤認を使用じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号の規定に該当する。 3 当審の判断 本件商標は、「フルーツ&フルーツ」の文字と「キャンディ」の文字よりなるものであるところ、その構成中の「フルーツ&フルーツ」の文字は、「フルーツ」と「フルーツ」の文字を「&」で結合したものであって、「果物と果物」という程の意味合いを理解させるものであり、また、「キャンディ」の文字は、商品「キャンディー」の商品名、品質を表示するものと認められる。 ところで、商品「キャンディー」について、味、原材料等の品質の表記に関しては、「フルーツ」の語は、「果物」を意味するものとして使用されている。そして、「フルーツ(果物)」を用いた商品や「フルーツ(果物)」の味わいのある商品といった場合、「フルーツ」の語が単独で使用される場合があることを否定するものではないが、通常、その多くは、「フルーツ(果物)」といった漠然とした言葉よりも、たとえば、ストロベリー、アップル、メロン、パイナップル、オレンジなどのように、より具体的な果物の名称(名前)を表記するのが一般的であるというのが相当である。 そして、「フルーツ&フルーツ」の文字の意味するところの「果物と果物」の意味合いが直接的かつ具体的に商品の品質等を表しているものとはいい得ないところであり、当審において職権をもって調査したが、これが直ちに商品の品質等を表すものとして、その指定商品を取り扱う業界において、取引上普通に使用されている事実を発見することができなかった。 してみれば、本件商標は、商品の品質等を表すにすぎないものということはできず、また、該「フルーツ&フルーツ」の文字構成は、まとまりよく一体不可分になされているものであって、その他、独占適応性に欠けるともいい難いところである。 そうとすれば、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないといわなければならないから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に該当するものではない。 したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 なお、甲第1号証及び甲第2号証は、「フルーツ&フルーツ」の文字が飲食物の提供に付随するメニューにおいて使用されているが、これは、たとえば、「フルーツ(果物)が多い」等というような意味合いで暗示的に使用されているものであり、また、本件商標が「フルーツ」という果物の総称的なものを対象としているのに対し、甲第3号証ないし甲第6号証及び甲第8号証は、原材料となる個別具体的な果実等の名称を対象にしているものであるから、本件商標とは事案を異にするものである。 また、甲第7号証については、上記判断を妥当とするところであるから、採用することができない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-10-15 |
出願番号 | 商願2008-3167(T2008-3167) |
審決分類 |
T
1
651・
272-
Y
(X30)
T 1 651・ 13- Y (X30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 武谷 逸平、小田 明、田口 善久 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 鈴木 修 |
登録日 | 2009-02-20 |
登録番号 | 商標登録第5206650号(T5206650) |
権利者 | 三星食品株式会社 |
商標の称呼 | フルーツアンドフルーツキャンディ、フルーツフルーツキャンディ、フルーツアンドフルーツ、フルーツフルーツ |
代理人 | 森川 正仁 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 河野 誠 |
代理人 | 河野 生吾 |
代理人 | 足立 泉 |