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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 |
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管理番号 | 1199135 |
異議申立番号 | 異議2008-900277 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-07-16 |
確定日 | 2009-06-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5128384号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5128384号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5128384号商標(以下「本件商標」という。)は、「玉岡尭舜幼稚園」の文字を書してなり、平成20年1月9日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成20年4月11日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由の要点 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第331号証を提出した。 (1)引用商標 申立人の引用する登録商標は、以下の4件である。 ア 登録第4995613号商標(以下「引用商標1」という。)は、「堯舜」の文字を標準文字としてなり、同じく登録第4995614号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ぎょうしゅん」の文字を標準文字としてなり、いずれも、平成18年3月24日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成18年10月13日に設定登録されたものである。 イ 登録第5031807号商標(以下「引用商標3」という。)は、「堯舜会」の文字を標準文字としてなり、同じく登録第5031808号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ぎょうしゅんかい」の文字を標準文字としてなり、いずれも、平成18年7月21日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成19年3月9日に設定登録されたものである。 (2)理由の要点 本件商標は、下記ア又はイにより、その登録を取り消されるべきものである。 ア 商標法第4条第1項第11号該当 (ア)本件商標は、識別性のない地域名称と、役務の内容を示す語から構成される商標であって、その要部は、「尭舜」の語にある。他方、引用商標1は、本件商標の役務と同一の役務であって、「尭舜」の旧書体により示される語からなる構成である。引用商標1と、本件商標の要部とでは、外観上共通の性質を有し、称呼上及び観念上一致するものである。さらに、引用商標2は、本件商標の役務と同一の役務であって、平仮名「ぎょうしゅん」からなる構成である。引用商標2と本件商標の要部とでは、称呼、観念が一致し類似するものである。 (イ)また、引用商標3は、本件商標の役務と同一の役務であって、「尭舜」の旧書体及び「会」の結合商標として構成されるものである。引用商標3と、本件商標の要部とでは、外観上共通の性質を有し、称呼上及び観念近似し、類似するものである。さらに、引用商標2は、本件商標の役務と同一の役務であって、平仮名「ぎょうしゅんかい」からなる構成である。引用商標4と本件商標の要部とでは、称呼、観念が近似し類似するものである。 イ 商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第7号該当 本件商標は、識別性のない地域名称と、役務の内容を示す語から構成される商標であって、その要部は、「尭舜」の語にある。他方、甲第37号証ないし甲第266号証に示される商標(堯舜幼稚舎)は、引用商標1ないし4を有する商標権者が、永年に亘って幼稚園事業及びその関連業務に継続的に使用してきたものであり、永年の使用により周知商標として、商標権者の信用が化体したものである。なお、甲第37号証ないし甲第266号証に示される商標は、本件商標と同一の役務であって、本件商標の要部と、外観上共通の性質を有し、称呼上及び観念上一致するものである。さらに、引用商標1ないし4、及び前述の周知商標と、本件商標は、出所混同を生じる蓋然性が極めて高く、また、本件商標は、不正の目的を持って使用するものと認められ、加えて、公序良俗に反するものでもある。この出所混同の蓋然性が極めて高い、或いは、不正の目的を持って使用する理由、或いは、公序良俗に反するものと認められる理由は、本件商標権者が、出願の際に提出した早期審査制度の資料からも明白である。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当について 本件商標は、「玉岡尭舜幼稚園」の文字からなるものであるところ、その構成各文字は同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって、視覚上一体的に表されているものである。 そして、構成中「幼稚園」の文字は、我が国において、満3歳から小学校就学までの幼児を対象とする教育機関を指す語として一般に親しまれたものであり、指定役務との関係においてみれば、役務の提供場所や提供主体を表す語として普通に使用されるものである。 しかして、幼稚園の名称を表したものと容易に認められる「玉岡尭舜幼稚園」にあって、役務の提供場所や提供主体を示す「幼稚園」の文字部分を略して、称呼・観念される場合があるというべきであるが、「玉岡」と称される地域(字)が仮に実在したとしても、かかる構成態様の本件商標にあっては、これより「尭舜」の部分に限定して取引上の称呼・観念が生ずるとすべき理由はみいだせないから、幼稚園の名称を構成する標章において、「玉岡尭舜」部分は不可分一体のものとして把握されるとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成文字から「タマオカギョウシュンヨウチエン」あるいは「タマオカギョウシュン」の称呼を生ずるものであり、単に「ギョウシュン」の称呼は生じないというべきである。 一方、引用商標1及び2は、ともに、その構成文字から「ギョウシュン」の称呼を生ずること明らかである。また、引用商標3及び4は、ともに、その構成文字から「ギョウシュンカイ」の称呼を生ずるものであること明らかである。そして、いずれも、特定の観念を生じさせない造語よりなるものと認められる。 しかして、本件商標の称呼「タマオカギョウシュンヨウチエン」あるいは「タマオカギョウシュン」と、引用商標1ないし4の称呼「ギョウシュン」又は「ギョウシュンカイ」とを対比しても、構成音数が明らかに相違するうえ、構成音及び音の配列において著しく異なるものであるから、相紛れることなく判然と区別し得るものである。 そして、本件商標と引用商標1ないし4とは、外観構成において明らかに相違し、また、観念においては比較することができないものであるから、外観上及び観念上で相紛れるおそれはないというべきである。 してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1ないし4に類似する商標であると判断することはできないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号、同第15号該当について ア 申立人提出の証拠(甲第37号証ないし同第329号証)によれば、申立人に関連する教育施設の一として「堯舜幼稚舎」があること、当該施設が1985年に設立され、前記名称のもと現在に至るまで事業が継続されていること、「堯舜幼稚舎」の文字を冠したパンフレット等が作られたこと、「堯舜幼稚舎」の文字を表示した堯舜幼稚舎単独の新聞広告が、本件商標の出願前から継続して掲載されたこと、なお、この広告の掲載は、栃木県在住の購読者が主な対象である下野新聞に限られていること、読売新聞及び朝日新聞の栃木版や栃木特集の同紙面に、申立人グループの広告の中で他の機関とともに「堯舜幼稚舎」が掲載されたこと、が認められる。 そして、申立人の進学塾等の事業は、その塾等の所在地からみて栃木県のほぼ全域に及ぶものであるが、「堯舜幼稚舎」を除き、これら進学塾等の事業に関連して、「堯舜」の標章、あるいは「堯舜」を一部に有する名称等の標章が使用されている事実は見当たらないこと、また、申立人の行う幼稚園等の幼児教育事業は宇都宮市の「堯舜幼稚舎」のみであること、等が認められる。 以上によれば、「堯舜幼稚舎」の商標は本件商標の出願前から幼児教育事業について使用されたことが認められる。しかし、その使用も継続的ではあるとはいえ、使用地域が限定的であるうえ、その使用の程度(頻度)等を勘案しても、当該「堯舜幼稚舎」が、需要者間に広く認識されるに至っていた商標であるとまで認めることができないものである。 また、全証拠に徴しても、「堯舜」の文字が、本件商標の出願前に、申立人に係る教育事業を表示するものとして需要者間に広く認識されるに至っていたと認めることは到底できないものである。 しかして、本件商標は、その構成及びそれより生ずる称呼や観念のいずれからみても、「堯舜幼稚舎」あるいは「堯舜」とは相紛れることのない非類似の商標と認められるものであり、前記を総合してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。 イ 前記(1)のとおり、本件商標は「尭舜」部分のみに注目して取引に資されるものとは言い難く、また、前記アのとおり、「堯舜幼稚舎」や「堯舜」が需要者間に広く認識されるに至った商標である等の事情も認められないから、本件商標の構成文字中に「尭舜」が含まれており、このうち「尭」の文字が「堯舜幼稚舎」や「堯舜」の「堯」の文字の新字体に該当するとしても、本件商標は、「堯舜幼稚舎」や「堯舜」と関連付けられることなく別異の出所を表示する標章として看取されるものというべきである。 してみれば、本件商標の出願時に、本件商標を指定役務に使用しても、需要者が引用商標等申立人に係る商標を想起し連想して、当該役務を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く誤信するとはいえず、役務の出所について混同するおそれがあったとすることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当ない。 (3)商標法第4条第1項第19号該当について 本件商標は、前記のとおり、引用商標1ないし4及び「堯舜幼稚舎」と類似する商標とは認められず、また、引用商標等が需要者に広く認識されるに至っていた商標であるとは認められないものである。加えて、申立人の主張及び立証によって、不正の目的をもって本件商標を使用するとみるべき事情が、明らかにされているとはいえない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の要件を充足するものとは認められない。 (4)商標法第4条第1項第7号該当について 本件商標は、その構成自体において、公序良俗を害するおそれがないことは明らかである。また、その出願の経緯において著しく社会的妥当性を欠くものがあったというような事情や、本件商標を指定役務に使用することが公の秩序を乱すこととなる等の事情も認められない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。 よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-05-21 |
出願番号 | 商願2008-752(T2008-752) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(X41)
T 1 651・ 25- Y (X41) T 1 651・ 26- Y (X41) T 1 651・ 271- Y (X41) T 1 651・ 22- Y (X41) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 亨子 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 内山 進 |
登録日 | 2008-04-11 |
登録番号 | 商標登録第5128384号(T5128384) |
権利者 | 学校法人清芳学園 |
商標の称呼 | タマオカギョーシュンヨーチエン、タマオカギョーシュン、タマオカ、ギョーシュンヨーチエン、ギョーシュン |
代理人 | 永岡 儀雄 |
代理人 | 木川 幸治 |
代理人 | 渡邉 一平 |