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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) Y06
管理番号 1197264 
審判番号 無効2008-890117 
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2008-11-17 
確定日 2009-04-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第5027384号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5027384号の指定商品中「金属製建造物組立てセット,建築用又は構築用の金属製専用材料」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5027384号商標(以下「本件商標」という。)は、「Goody」の欧文字を表してなり、平成17年11月7日に登録出願され、第6類「金属製建造物組立てセット,鉄及び鋼,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製人工魚礁,金属製養鶏用かご,金属製の吹付け塗装用ブース,金属製セメント製品製造用型枠,金属製管継ぎ手,金属製フランジ,キー,コッタ,てんてつ機,金属製道路標識(発光式又は機械式のものを除く。),金属製航路標識(発光式のものを除く。),金属製貯蔵槽類,金属製輸送用コンテナ,金属製金具,ワイヤロープ,金網,金属製包装用容器,金属製のネームプレート及び標札,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製郵便受け,金属製帽子掛けかぎ,金属製貯金箱,金属製工具箱,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製のバックル,金属製あぶみ,拍車」を指定商品として、同19年2月23日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求める。」と申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 本件商標の登録を無効とすべき理由
(1)本件商標と引用商標との類否
本件商標は、「Goody」の欧文字からなるものであるから、これより「グッディ」(音の表記方法によっては「グッデイ,グッデー」と表記される)の称呼、「菓子,楽しいもの等」の観念を生じる。
一方、引用商標は、「GooDay」の欧文字と「グッデイ」の片仮名文字からなるものであるから、これより「グッデイ」(音の表記方法によっては「グッデー,グッディ」と表記される)の称呼を生じる英単語「Good」と「Day」を組み合わせたものと解される造語である。
本件商標と引用商標から生じる称呼は、音の表記方法によっては、語尾に僅差を有するが、いずれも同一音の表記上の差異によるものであるにすぎず、実際に両商標から生じる称呼は聴別することが困難なほど相紛らわしいものである。
したがって、本件商標と引用商標は観念および外観が相違するものとしても、当該相違点に論及するまでもなく、称呼を同一または類似にする類似の商標である。
(2)指定商品について
本件商標の指定商品中、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット」と、引用商標の指定商品中、第6類「建築用又は建築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット」とは、同一または類似の商品である。
(3)結論
本件商標と引用商標とは、観念および外観が相違するとしても称呼を同一または類似にする類似の商標であり、その指定商品も同一または類似する商品である。

2 むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
1 本件商標は、同書同大のローマ文字を以て「Goody」と横書きしてなり、「グッディー」の称呼が生じ、「うまい物、菓子」等を意味する英単語で構成されたものである。
上記のように「Goody」は英単語である故に、その称呼は唯一「グッディー」であるため、請求人が主張するような「グッデイ」や「グッデー」という称呼が生じる余地はなく、したがって本件商標についての称呼に関する請求人の主張には理由がない。

2 一方、引用商標は、同書同大のローマ文字を以て「GooDay」と横書きした下に、これらの文字よりも小さな片仮名文字を以て横書きした「グッデイ」を併記した構成であるから「グッデイ」の称呼が生じ、また、上記外観上の構成態様、及び、併記された「グッデイ」の称呼より、英語の「Good」と「day」を「d」を重複させて表記したものであることが、直ちに、かつ、容易に看取されるので、正に「良い日」(グッデイ)といった意味合いが看取される。
以上より、請求人が主張するように、引用商標から「グッディ」という称呼が生じないことは明白であり、よって、請求人の引用商標の称呼に関する主張には理由がない。
本件商標と引用商標は、外観、称呼、観念のいずれにおいても明らかに非類似である。

3 請求人が引用商標を引用したのは、本件商標の称呼「グッディー」と引用商標の称呼「グッデイ」が類似するとの見解に立ったからと思料する。
しかしながら、「グッディー」と「グッデイ」は語頭部の「グッ」を共通にするとはいえ、後半部の「ディー」と「デイ」の部の称呼は大きく異なる。
すなわち、本件商標の称呼における「ディー」は、普通の大きさの文字「デ」、小さい文字「ィ」、長音記号「ー」から成るので、称呼としては「ディー」と一音であるのに対し、引用商標の「デイ」の部分は、同じ大きさの文字「デ」と「イ」が並んだ構成であるため、明瞭に「デ」と「イ」の二音が生じるからである。
また、両商標における第3音の「ディ」と「デ」はともにその前の音が促音(ッ)であるために、語頭と同等のアクセントが掛かって強く称呼されるために、「ディ」と「デ」の相違は明瞭に識別される。
しかも、本件商標の「グッディー」は末尾が長音であるために、「ディー」の一音が伸びて称呼されるのに対して、引用商標の「グッデイ」は全体が簡潔に称呼され、特に後半部は「デ」と「イ」の二音が明瞭に区切られて称呼されるから、両商標は商標全体の称呼が語調語感を全く異にしている。
加えて、両商標はわずが3音ないし4音の短い音数での称呼に構成されているので、上記「ディ(一音)」と「デ」「イ」(二音)の相違、及び、全体の語調語感の相違が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、また、両商標が上記のように異なる観念を伴って称呼される点を考慮すれば、両称呼は十分かつ明瞭に聴き別け可能であるから、彼此混同するおそれのない非類似の商標とみるのが取引の実際、或は、社会通念に照らして至当である。
ちなみに、引用商標は本件商標の審査において拒絶理由に引用されたが(乙第1号証参照)、上述した理由と同旨の意見書での主張が容認されて登録査定を受け(乙第2号証参照)商標登録されたものである。

4 以上述べたように、本件商標と引用商標は外観,観念においては無論のこと、称呼においても非類似することは明白であるから、本件商標と引用商標の指定商品に互いに抵触する部分があるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当せず、同法第46条第1項の規定によりその登録が無効にされるべきものではない。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号に関し、本件商標と引用商標との類否について判断する。
本件商標は、「Goody」の欧文字を表してなるところ、株式会社小学館が発行した「小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版」によれば、この文字は、「特別なごちそう。うまいもの。(特に)おいしい菓子」の意味を有する英語であり、発音記号は[gudi(uの文字の上にアクセントを表す記号が付されている。)]であることから、「グッディ」の称呼及び「特別なごちそう。うまいもの。(特に)おいしい菓子」の観念を生ずる。
一方、引用商標は、別掲に表示したとおり、「GooDay」の欧文字を書してなり、「Da」の文字の下に、「グッデイ」の片仮名文字を小さく表してなるところ、当該片仮名文字は、欧文字「GooDay」の読み方を表すものと認識し得るものであるから、「グッデイ」の称呼をもって引用商標の称呼を特定したものとみるのが相当である。
また、引用商標は、特定の観念を生じない造語と認められる。
しかして、本件商標から生ずる「グッディ」の称呼と引用商標から生ずる「グッデイ」の称呼を比較すると、「グ」の音及び促音を同じくし、異なるところは、語尾における「ディ」と「デイ」の音の差異にすぎないものである。
そして、引用商標の称呼において唯一の母音である「イ」が、直前の「デ」と極めて結び付きやすい音であることに鑑みれば、引用商標の称呼の後半の「デイ」が、「ディ」あるいは「デイ」のように、一音節あるいはそれに近い形で滑らかに発音され聴取されることも、十分に考えられるところである。
そうすると、引用商標は、本件商標の称呼「グッディ」と同一に、あるいはこれと相紛れるほど近似して称呼される場合が少なからずあると考えざるを得ない。
したがって、本件商標及び引用商標の両称呼をそれぞれ一連に称呼するときには、語調・語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれがある商標ということができる。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較できない点を考慮しても、称呼において類似する商標といわなければならない。
また、本件商標の指定商品中、第6類「金属製建造物組立てセット」は、引用商標の指定商品中、第6類「金属製建造物組立てセット」、第11類「便所ユニット,浴室ユニット」及び第19類「建造物組立てセット(金属製のものを除く。)」と生産部門、販売部門、用途等が一致することから類似するものであり、また、本件商標の指定商品中、第6類「建築用又は建築用の金属製専用材料」は、引用商標の指定商品中、第6類「建築用又は建築用の金属製専用材料」と同一又は類似すること明らかである。
そうとすれば、本件商標の指定商品中、第6類「金属製建造物組立てセット,建築用又は建築用の金属製専用材料」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。
なお、本件商標の指定商品中、第6類「金属製建造物組立てセット,建築用又は建築用の金属製専用材料」以外の指定商品は、引用商標の指定商品と原材料等を異にする非類似の商品である。
してみれば、本件商標の指定商品中、第6類「金属製建造物組立てセット,建築用又は建築用の金属製専用材料」以外の指定商品ついての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものではない。

2 まとめ
したがって、本件商標の指定商品中、第6類「金属製建造物組立てセット,建築用又は建築用の金属製専用材料」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
引用商標





審理終結日 2009-03-03 
結審通知日 2009-03-05 
審決日 2009-03-17 
出願番号 商願2005-104192(T2005-104192) 
審決分類 T 1 11・ 262- ZC (Y06)
最終処分 一部成立  
前審関与審査官 馬場 秀敏 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 杉山 和江
平澤 芳行
登録日 2007-02-23 
登録番号 商標登録第5027384号(T5027384) 
商標の称呼 グッディー 
代理人 原 慎一郎 
代理人 加藤 久 
代理人 樋口 盛之助 

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