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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 009 |
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管理番号 | 1195554 |
審判番号 | 取消2008-300478 |
総通号数 | 113 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-05-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2008-04-17 |
確定日 | 2009-04-03 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4007196号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4007196号商標(以下「本件商標」という。)は、「パワーコン」の片仮名文字を表してなり、平成7年2月15日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、平成9年6月6日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 また、本件審判の請求の登録日は、平成20年5月7日である。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、「本件商標の指定商品中『電線及びケーブル,電気通信機械器具』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第2号証を提出した。 本件商標は、その指定商品中『電線及びケーブル,電気通信機械器具』について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである旨主張している。 第3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 乙第1号証である商品カタログは、本件商標が商品「電気通信機械器具」に使用されていることを示している。ここで同カタログに示される商品「パワーコン遠隔制御装置」は、「電気通信機械器具」に分類される商品の中の「遠隔測定制御機械器具」に相当する商品である。 なお同カタログは、その表記のとおり平成17年(2005年)11月から現在も継続して使用しているものである。 2 乙第2号証である商品カタログに示すように、本件商標は、商品「電線及びケーブル」に使用されている。なお同カタログは、その表記のとおり平成18年(2006年)1月から現在も継続して使用しているものである。 3 乙第3号証の1及び2は被請求人が発行した売上伝票であって、同号証の1は平成19年4月13日、同号証の2は平成18年11月22日発行のものであり、何れも商品「パワーコン接続ケーブル」、「パワーコン遠隔制御装置」を販売したことが記載されている。 4 乙第4号証はケーブルの図面であり、ケーブル購入者の求めにより同購入者にサービスとして配付するものである。同図面は平成14年(2002年)3月17日に作成し、現在も使用しているものである。図面は同号証に示すように表紙を付けて配付するものであり、配付した図面(表紙も含めて)自体は被請求人の元には残っていない。このため、乙第4号証は、出図スタンプの日付「08.6.12」で示されるように今回の審判請求を受けて、商品販売時に配付したものと同じものを作成した見本である。 5 乙第5号証は、「パワーコン遠隔制御装置」の図面であり、ケーブル購入者の場合と同趣旨で配付するものである。また図面自体は平成7年(1995年)2月25日及び27日に作成し、現在も使用しているものである。またスタンプの日付も乙第4号証と同じ趣旨である。 6 以上、乙各号証から明らかなとおり、被請求人は本件商標をその指定商品について本審判事件の予告登録前3年以前から現時点まで一貫・継続して使用しているものである。また乙各号証に示される表記の商標は全て商標法第50条第1項の括弧書きに示される、登録商標の使用と認められる構成の商標である。 第4 請求人の弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。 第5 当審の判断 1 乙第1号証は、商標権者の商品カタログと認められるところ、その上部に「パワーコン遠隔制御装置」の文字が記載され、その下の青い帯の中に「Power Con(nの文字の右上には丸の中に小さなRの文字が記載されている。) Remote Control Unit」の文字が白抜きされている。 青い帯の右下には、「POWER CON」の文字及び「PCU-10A」の文字が付された「遠隔制御装置」と思しき商品の写真が掲載されている。 さらに、標準品一覧の欄には、型名として「PCU-10A」、「PCU-10V」、「PCU-20A」及び「PCU-20V」の文字が記載されている。 その下には、「本カタログの内容は2005年11月現在のものです。」の文字並びに商標権者の名称、住所及び電話番号等が記載されている。 2 乙第2号証は、商標権者の商品カタログと認められるところ、その上部に「パワーコン信号接続ケーブル」の文字が記載され、その下の青い帯の中に「Power Con(nの文字の右上には丸の中に小さなRの文字が記載されている。) Connecting Cable」の文字が白抜きされている。 青い帯の右下には、信号接続ケーブルの写真が掲載されている。 さらに、標準品一覧の欄には、型名として「PCC-2」、「PCC-3」及び「PCC-5」の文字が記載されている。 その下には、「本カタログの内容は2006年1月現在のものです。」の文字並びに商標権者の名称、住所及び電話番号等が記載されている。 3 乙第3号証の1は、商標権者から(有)タイム電機商会に対する平成19年4月13日付けの売上伝票と認められるところ、「品名・型名」の欄の1行目から2行目に「パワーコン遠隔制御装置」の文字及び「PCU-10A」の文字が記載されており、「品名・型名」の欄の3行目から4行目に「パワーコン信号接続ケーブル」の文字及び「PCC-5」の文字が記載されている。 4 乙第3号証の2は、商標権者から(株)エレコンに対する平成18年11月22日付けの売上伝票と認められるところ、「品名・型名」の欄の1行目から2行目に「パワーコン遠隔制御装置」の文字及び「PCU-20V」の文字が記載されており、「品名・型名」の欄の3行目から4行目に「パワーコン信号接続ケーブル」の文字及び「PCC-2」の文字が記載されている。 5 乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)によれば、商標権者は、乙第1号証の商品カタログを平成17年(2005年)11月に作成し、平成18年11月22日に型名が「PCU-20V」の「パワーコン遠隔制御装置」を(株)エレコンに対して販売し、平成19年4月13日に型名が「PCU-10A」の「パワーコン遠隔制御装置」を(有)タイム電機商会に対して販売したものと認めることができる。 また、商標権者は、乙第2号証の商品カタログを平成18年(2006年)1月に作成し、平成18年11月22日に型名が「PCC-2」の「パワーコン信号接続ケーブル」を(株)エレコンに対して販売し、平成19年4月13日に型名が「PCC-5」の「パワーコン信号接続ケーブル」を(有)タイム電機商会に対して販売したものと認めることができる。 6 使用されている商品について (1)乙第1号証には、「サイリスタ電力調整器パワーコンを外部信号により遠隔制御する事が出来ます。」と記載されている。 一方、請求人が取消しを求める指定商品「電気通信機械器具」には、「遠隔測定制御機械器具」が含まれることから、乙第1号証及び乙第3号証(枝番号を含む。)に記載されている「遠隔制御装置」は、「電気通信機械器具」に属するものと認めることができる。 (2)また、 乙第2号証及び乙第3号証(枝番号を含む。)に記載されている「信号接続ケーブル」は、「電線及びケーブル」に属するものと認めることができる。 7 商標の同一性について (1)乙第1号証及び乙第3号証(枝番号を含む。)に記載されている「パワーコン遠隔制御装置」の文字中の「遠隔制御装置」の文字は、販売された商品「遠隔制御装置」を表したものと認められるものであり、使用されている商標中、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、「パワーコン」の文字部分にあるものということができる。 (2)同様に、乙第2号証及び乙第3号証(枝番号を含む。)に記載されている「パワーコン信号接続ケーブル」の文字中の「信号接続ケーブル」の文字は、販売された商品「信号接続ケーブル」を表したものと認められるものであり、使用されている商標中、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、「パワーコン」の文字部分にあるものということができる。 (3)してみれば、商標権者は、「パワーコン」の商標を使用しているものと認めることができる。 また、商標権者が使用する商標「パワーコン」は、本件商標「パワーコン」と社会通念上同一の商標と認めることができる。 8 まとめ 乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者が指定商品中「電気通信機械器具」に属する「遠隔制御装置」及び指定商品中「電線及びケーブル」に属する「信号接続ケーブル」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-11-06 |
結審通知日 | 2008-11-10 |
審決日 | 2008-11-21 |
出願番号 | 商願平7-12899 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(009)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 杉山 和江 |
登録日 | 1997-06-06 |
登録番号 | 商標登録第4007196号(T4007196) |
商標の称呼 | パワーコン |
代理人 | 吉澤 桑一 |
代理人 | 佐藤 辰彦 |