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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y09 |
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管理番号 | 1190861 |
審判番号 | 取消2007-301429 |
総通号数 | 110 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-02-27 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2007-11-06 |
確定日 | 2009-01-05 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4711943号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4711943号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成15年1月30日に登録出願、第9類「アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,検卵器,製図用又は図案用の機械器具,写真複写機,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火ホース用ノズル,火災報知機,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,光学機械器具,映画機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、同15年9月19日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 請求人は、「本件商標の指定商品中『電子応用機械器具及びその部品』について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人は平成20年2月12日付け(特許庁受付印の日付は「20.2.13」)で本件審判についての審判事件答弁書を提出した。被請求人は、当該答弁書では「商標権者は、自ら、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「ALTIA」を、指定商品「第9類 電子応用機械器具及びその部品」について、それぞれ本審判請求予告登録日(平成19年11月26日)前3年以内に、すなわち平成16年11月25日から平成19年11月25日の間に日本国内において、使用している。」と主張している。 しかしながら、上記答弁書では「この使用の事実を証明する書類については、後に証拠方法提出書により証明する。」と記載されるのみで、商標権者による本件商標の使用は証明されていない。 かくして、審判長により指定された答弁書提出の期間内に本件商標の使用が証明されていないし、また登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを証明してもいないのであるから、前記指定商品に係る商標登録の取消しは免れるものではない。 なお、被請求人は、平成20年2月21日付け(特許庁受付印の日付は「20.2.22」)で「証拠書類提出書」を提出したが、これにより提出された証拠資料は前記答弁書提出が認められた期間を過ぎて提出されたものであるから、それらの証拠資料については事実認定のために利用しうる資格がない。よって請求人は証拠の成立を否認する。 したがって、本件商標についての前記登録が取消されるべきことに変わりはない。 (2)ちなみに、前記「証拠書類提出書」に添付された書類を見ても、後述のように、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「ALTIA」を、指定商品「第9類 電子応用機械器具及びその部品」について、本審判請求予告登録日(平成19年11月26日)前3年以内に日本国内において使用した事実は証明されていない。 したがって、仮に前記「証拠書類提出書」が、前記答弁書提出の指定期間内に提出されたものと仮定しても、本件商標の前記期間内の使用が証明されるものではない。 すなわち、 (ア)乙第1号証では、「車両電子システム故障診断器」のカタログと見られるものに「ALTIA」の文字が記載されている。但し、カタログであると仮定しても、これが前記3年の期間内に頒布された証拠はない。 (イ)乙第2号証では、「車両診断機」に関するインターネット上の広告記事に「ALTIA」の文字が記載されている。但し、この広告記事が前記3年の期間内に提供された証拠はない。 (ウ)乙第3号証では、自動車が映し出されたパソコンのディスプレイが記載されている。但し、これが何を証明しようとしているのか不明である。 (エ)乙第3号証と同4号証の間に綴じ込まれた頁には、株式会社アルティアのホームページのうちの一画面のように見える画面に「ALTIA」の文字が記載されている。但し、これが何を証明しようとしているのか不明である。 (オ)乙第5号証では、「自動車整備業サポートコンピュータ式車検システム」と題するパッケージ状の物の表面に「ALTIA」の文字が記載され、CD-ROMのように見える物の表面に「ALTIA」の文字が記載されている。但し、これについて前記3年の期間内に譲渡等がなされた証拠がない。 (カ)乙第6号証では、パソコンのディスプレイの画面をコピーしたものと思われる2枚のそれぞれに「ALTIA」の文字が記載されている。但し、これが何を証明しようとしているのか不明である。 (キ)乙第7号証では、同6号証に記載されたものと同じ「CAI-EX05」の文字が記載された操作マニュアルの表紙のように見えるものに、「ALTIA」の文字が記載されている。但し、これが何を証明しようとしているのか不明である。 (ク)乙第8号証では、商品名称の欄に「CAI-EX05」や他の商品名称を表すと思われる多くの文字ないし記号が記載され、かつ2007年9月28日の日付が記載されている納品書が1枚目にあり、この納品書との関係は不明であるが、2枚目以下に複数の請求書等々の取引書類が添付されている。ここでは、商品名称「CAI-EX05」なる商品が前記日付で納品されたことが理解できるが、これにより、指定商品に登録商標が使用されたことの証明になっていない。 (ケ)乙第9号証では、「CAI-Pen05」なる商品のカタログに「ALTIA」の文字が記載されている。但し、これが前記3年の期間内に頒布された証拠はない。 (コ)乙第10号証では、「整備工場向けコンピュータ車検システム」に関するインターネット上の広告記事に「ALTIA」の文字が記載されている。但し、この広告記事が前記3年の期間内に提供された証拠はない。 (サ)乙第11号証では、パソコンのディスプレイの場面をコピーしたものと思われる2枚のそれぞれに「ALTIA」の文字が記載されている。但し、これが何を証明しようとしているのか不明である。 (シ)乙第12号証では、「CAI-PEN05」の文字が記載された操作マニュアルの表紙のように見えるものに「ALTIA」の文字が記載されている。但し、これが何を証明しようとしているのか不明である。 (ス)乙第13号証の1は、「第31回オートサービスショー」のパンフレットである。但し、ここには本件商標も指定商品も記載されていない。 (セ)乙第13号証の2では、第31回オートサービスショーの出展リスト中に「株式会社アルティア橋本」が記載されている。但し、ここには本件商標も指定商品も記載されていない。 (ソ)乙第13号証の3では、第31回オートサービスショーのガイドブックに出展会社として「株式会社アルティア橋本」が記載されている。但し、ここにも本件商標は記載されていない。 (タ)乙第13号証の4は、1枚目が、建物又は小屋のようなものの壁面に「ALTIA」の文字が記載された写真であり、2枚目が、前記建物又は小屋の外側に自動車と人が写った状態の写真である。1枚目の写真に写っている「ALTIA」なる標章が商標であるとは見えないし、これで何を証明しようとしているのか不明である。 これら乙第13号証の1ないし4については、いずれも乙第13号証として一括りされているものの、乙第13号証の1ないし3についてはオートサービスショーのパンフレット等であることは分かるが、これらと乙第13号証の4の関係が不明である。仮に、乙第13号証の4に写された場面が前記オートサービスショーの場面だとしても、そこには指定商品に本件商標を使用したことの証明は存在しない。 (チ)乙第14号証では、「CAI-Pen05」と表現された商品広告に「ALTIA」の文字が記載されている。但し、この広告が前記3年の期間内に頒布された証拠はない。 (3)被請求人は平成20年3月7日付け(特許庁受付印の日付は「20.3.10)の「証拠書類提出書」により乙第4号証の1ないし5を提出した。しかし、これらの乙第4号証も、審判長により指定された答弁書提出の期間を過ぎて提出されたものであるから、それらの証拠資料については事実認定のために利用しうる資格がない。 よって、請求人は、乙第4号証の1ないし5についても証拠の成立を否認する。 なお、乙第4号証をみたところで、これらは「スーパースキャンツール」なる商品に関する納品書や請求書等であって、この取引時に本件商標が使用されたという事実が証明されているわけではない。 (4)以上の証拠資料を見ると「ALTIA」の文字が何らかの物に表示されている例は幾つかあるものの、商標「ALTIA」を、指定商品「第9類 電子応用機械器具及びその部品」について、本審判請求予告登録日(平成19年11月26日)前3年以内に日本国内において使用した事実は証明されていない。 したがって、前記「証拠書類提出書」が前記答弁書提出の指定期間内に提出されたものと仮定しても、本件商標の前記期間内の使用が証明されるものではない。 第3 被請求人の答弁 1 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、平成20年2月21日付け及び同20年3月7日付けの証拠書類提出書により、証拠方法として、答弁書に添付した乙第1号証(番号が重複するので「乙第15号証」として扱った。)及び証拠書類提出書に添付した乙第1号証ないし乙第14号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)被請求人である株式会社アルティアは、本件商標の商標権者である。 審判請求書に記載の被請求人株式会社アルティア橋本は、平成19年11月29日に「名称変更による登録名義人の表示変更登録申請書」を提出し、同年12月07日に登録された。したがって、現在の名称は株式会社アルティアである。 (2)被請求人は、審判請求の予告登録よりも3年以内、例えば、平成16年11月25日から平成19年11月25日の間、日本国内において、本件商標を広告宣伝用の媒体物等に付して、指定商品「第9類 電子応用機械器具及びその部品」に関して使用しているという事実を証明する。 その使用事実は次のとおり (a)使用者 商標権者 使用商品 画面タッチ式の画像入出力機能を備えたコンピュータ。 (b)使用者 商標権者 使用商品 電子計算機用プログラム よって、本件商標は、「第9類 電子応用機械器具及びその部品」については取消されるものではない。 第4 当審の判断 1 商標の使用について (1)被請求人提出の各証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)乙第15号証は、商標登録原簿(写し)と認められるところ、本件商標の権利者は、平成19年11月26日受付の「名称変更による登録名義人の表示変更登録申請書」の提出により「株式会社アルティア橋本」から「株式会社アルティア」に変更され、その登録が同年12月7日になされている。 (イ)乙第5号証は、「記録媒体の一であるCD-ROM」、「ソフトウェア登録票(使用許諾同意書)および物品受領書」及び「これらを収納したケース」の写真と認められるところ、当該CD-ROMの表面に別掲(2)に示すとおりの構成からなる標章(以下、「使用標章」という。)の他、「CAI-EX05」及び「インストールCD」等の文字が表示されており、また、収納ケースには、「使用標章」、「自動車整備事業サポートコンピュータ式車検システム」、「CAI」、「The Computerized Automatic Inspection System」及び「株式会社アルティア橋本」等の文字が表示されている。 これらのことから、当該CD-ROMには、自動車整備事業サポートコンピュータ式車検システムに用いる電子計算機用プラグラムが記録されていること、すなわち、これは、CD-ROMに記録された「電子計算機用プログラム」であることが容易に推認できる。 (ウ)乙第6号証は、パソコン等のディスプレイに表示される初期画面及びメニュー画面を出力したものと認められるところ、これには、「使用標章」、「CAI-EX05」及び「The Computerized Automatic Inspection System」等の文字が表示されている。 (エ)乙第8号証は、「株式会社アルティア橋本」が、取引先向けに発行した納品書及び請求書等の取引書類(写し)と認められるところ、その中の2007年9月28日付の株式会社日産サティオ高知宛ての納品書には、貴発注番号欄に「エダシゲサマ」、受注番号欄に「0003275326」、商品名称・型式規格欄に「CAI-EX05」及び「IM980000EX」、数量欄に「1」及び単価欄と金額欄に「2,000,000円」と表示されている。 また、2007年9月29日付の株式会社日産サティオ高知宛ての請求明細書には、年月日欄に「07 09 28」、受注番号欄に「000327 5326」、貴発注番号欄に「エダシゲサマ」、商品番号欄に「IM9800-00EX-」商品名欄に「CAI-EX05」及び「IM980000EX」、数量欄に「1」及び単価欄と金額欄に「2,000,000円」と表示されている。 そして、上記(エ)の納品書及び請求明細書に表示された商品名「CAI-EX05」は、乙第5号証及び乙第6号証に表示された文字と一致するから、それらは同一の商品(「電子計算機用プログラム」)と認められる。 以上の認定事実によれば、上記(イ)に示された使用標章が付された商品(「電子計算機用プログラム」)が、上記(エ)の納品書及び請求明細書に表示された年月日(「2007年9月28日」)に、株式会社アルティア橋本から株式会社日産サティオ高知に引き渡されたことを推認することができる。 (2)本件商標と使用標章は、別掲(1)及び(2)に示すとおりの構成からなるところ、その綴り字を同じくするものであるから、使用標章は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 また、「電子計算機用プログラム」は、「電子応用機械器具」の範疇に属する商品である。 (3)してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に当たる期間において、被請求人により取消請求に係る指定商品に含まれる「電子計算機用プログラム」について使用されていたというべきである。 2 商標登録の不使用取消審判における立証の時期について 請求人は、「被請求人は、『証拠書類提出書』を提出したが、これにより提出された証拠資料は、前記答弁書提出が認められた期間を過ぎて提出されたものであるから、それらの証拠資料については事実認定のために利用しうる資格がない。」旨主張している。 しかしながら、最高裁判所昭和63年(行ツ)第37号判決において、「商標登録の不使用取消審判で審理の対象となるのは、その審判請求の登録前三年以内における登録商標の使用の事実の存否であるが、その審決取消訴訟においては、右事実の立証は事実審の口頭弁論終結時に至るまで許されるものと解するのが相当である。」と判示されていることから、本件における証拠書類提出書の提出は適法であって、これに添付された証拠資料を当審において証拠として採用することに何ら違法はないものと解すべきである。 よって、この点に関する請求人の主張は採用できない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていないものではないから、商標法第50条第1項により、その登録を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(1)本件商標 別掲(2)使用標章 |
審理終結日 | 2008-07-28 |
結審通知日 | 2008-08-01 |
審決日 | 2008-08-19 |
出願番号 | 商願2003-6224(T2003-6224) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y09)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 平澤 芳行 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 小林 由美子 |
登録日 | 2003-09-19 |
登録番号 | 商標登録第4711943号(T4711943) |
商標の称呼 | アルティア |
代理人 | 森 哲也 |
代理人 | 三浦 光康 |
代理人 | 崔 秀▲てつ▼ |
代理人 | 内藤 嘉昭 |