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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 111
管理番号 1182577 
審判番号 取消2007-301107 
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-08-31 
確定日 2008-07-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第1510841号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1510841号商標(以下「本件商標」という。)は、「POWERCON」の文字を書してなり、昭和54年6月6日に登録出願、第11類「電気機械器具」を指定商品として、同57年4月30日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、その登録は、商標法第50条第1項により、取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第6号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、乙第1号証に示すように、本件商標の指定商品である「電気機械器具」のうちの「配電用または制御用機械器具」、より具体的には制御用機械器具の一つであるサイリスタ電力調整器(サイリスタを用いて出力電圧波形の一部をカットし、かつこのカット状態を制御することにより全体としての電気量を調整する装置、つまりエレクトリックパワーコントローラ/乙第1号証第2ページの「出力電圧波形」参照)に使用されている。乙第1号証裏面に記載されているとおり本カタログは2007年7月5日付けをもって再発行したものであり現在使用中である。
(2)乙第2号証は被請求人が発行する総合カタログ(英語版)の一部のコピーであり、主として海外向けのものであって、被請求人が10年以上前(本件商標の更新登録以前)から現在に至るまで継続使用しているものである。
(3)乙第3号証として示すサイリスタ電力調整器の取扱説明書にも本件商標が表記されている。この取扱説明書は製品の取扱方法と安全上の注意が示されると共に裏面に責任者と担当者の押印を伴う検査合格証の欄があり、製品の販売時に製品購入者に対して必ず交付する書類である。乙第3号証は裏面に記載の如く2005年12月5日から現在に至るまで継続使用されているものである。
(4)乙第4号証における(1?5)はサイリスタ電力調整器の製品本体に対して貼付するシールのコピーである(1′としてシール1の実物を添付する)。各シールには本件商標「POWERCON」の表示の下に製品の型番「PC-○○○」と、入力電圧・出力電圧、電流、50Hz・60Hz等の使用可能交流周波数が記載され、最下段に被請求人の社名である「MATSUNAGA」が表記されている。このシールは上記第3号証が交付される製品には必ず貼付されているものである(製品の型番の特定とこの型番に対応する取扱説明書の記載との対応を可能とするため)。なお製品の型番に対応する仕様、回路構成等は乙第1号証、同第3号証に示されている。
(5)乙第5号証の1ないし3は、被請求人が発行した売上伝票であって、同号証の1は平成17年3月、同号証の2は平成18年3月、同号証の3は平成19年7月発行のものである。品名・型名の欄には、例えば「パワーコン PC-203」等と表記され、本件商標「POWERCON」に代えて片仮名表示となっているが、上記乙第1号証ないし同第4号証に基づき、本売上伝票は本件商標の指定商品に対して、本件商標を表示した製品を販売したことを証明するものである。
(6)乙第6号証の1は平成16年10月1日から現在まで使用している被請求人が取り扱う商品の定価表である。同定価表第7ページに示す商品について商標「パワーコン」が示されている。なお、本定価表は平成19年1月1日発行の最新版(乙第6号証の2)に現在暫時更新中である。
(7)以上乙各号証から明らかなとおり、被請求人は本件商標をその指定商品について本審判事件の予告登録前3年以前から現時点まで一貫・継続して使用しているものである。また乙各号証に示される商標は本件商標と全く同一の構成のもの以外でも、全て商標法第50条第1項の括弧書きに示される、登録商標の使用と認められる構成の商標である。
以上の理由により、被請求人は結論同旨の審決を求める。

4 請求人の弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。

5 当審の判断
(1)乙第1号証、同第3号証、同第5号証ないし同第6号証(枝番を含む。)によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は、被請求人の商品カタログと認められるところ、その表紙の上部に「サイリスタ電力調整器」及び「Power Con」の文字が記載されている。乙第1号証の3頁には、商品の型名として「PC-203」、「PCN-105」等が記載されている。また、乙第1号証の裏表紙には、「2007.7.5,000」と記載されている。
イ 乙第3号証は、被請求人の商品に関する取扱説明書と認められるところ、その表紙の上部に「サイリスタ電力調整器」及び「Power Con」の文字が記載されている。また、乙第3号証の裏表紙には、「2005.12.5,000」と記載されている。
ウ 乙第5号証の1は、被請求人から(株)電陽社に対する平成17年3月24日付けの売上伝票と認められるところ、「品名・型名」の欄には、「パワーコン」「PC-203」等と記載されている。
乙第5号証の2は、被請求人から宝永電桟(株)に対する平成18年3月28日付けの売上伝票と認められるところ、「品名・型名」の欄には、「パワーコン」「PCN-105」等と記載されている。
乙第5号証の3は、被請求人から光和工業〈株〉に対する平成19年7月3日付けの売上伝票と認められるところ、「品名・型名」の欄には、「パワーコン」等と記載されている。
また、乙第5号証の1及び同第5号証の2の型名は、同第1号証の型名と一致するものと認めることができる。
エ 乙第6号証の1は、被請求人の商品に関する平成16年10月1日現在の価格表と認められるところ、その7頁には、「サイリスタ電力調整器」及び「パワーコン」の文字とともに、型名として「PC-203」、「PCN-105」等と記載されている。
乙第6号証の2は、被請求人の商品に関する平成19年1月1日現在の価格表と認められるところ、その8頁には、「サイリスタ電力調整器」及び「パワーコン」の文字とともに、型名として「PC-203」、「PCN-105」等と記載されている。
また、これらの型名は、乙第1号証、同第5号証の1及び同第5号証の2の型名と一致するものと認めることができる。
(2)乙第1号証の商品カタログは、2005年(平成17年)7月に作成されたものと認めることができる。
また、乙第3号証の取扱説明書 は、2005年(平成17年)12月に作成されたものと認めることができる。
(3)被請求人が使用する商標「Power Con」の文字は、本件商標と社会通念上同一の商標と認める。同じく「パワーコン」の文字は、片仮名文字及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼「パワーコン」を生ずる社会通念上同一の商標と認めることができる。
(4)乙第1号証によれば、被請求人が使用する商品「サイリスタ電力調整器」は、電力を調整することにより、電熱器の制御、電動機の速度制御等を用途とする商品であるから、本件指定商品「電気機械器具」の範疇に属するものと認めることができる。
(5)したがって、本件商標の商標権者である被請求人は、本件審判の請求の登録(平成19年9月19日)前3年以内に、日本国内において、指定商品「電気機械器具」に含まれる「サイリスタ電力調整器」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-02-26 
結審通知日 2008-02-28 
審決日 2008-03-11 
出願番号 商願昭54-42343 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (111)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 杉山 和江
平澤 芳行
登録日 1982-04-30 
登録番号 商標登録第1510841号(T1510841) 
商標の称呼 パワーコン 
代理人 鷺 健志 
代理人 大村 茂樹 
代理人 佐藤 辰彦 
代理人 吉澤 桑一 

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