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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y01
審判 全部申立て  登録を維持 Y01
管理番号 1177982 
異議申立番号 異議2007-900160 
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-03-29 
確定日 2008-04-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5013116号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5013116号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5013116号商標(以下「本件商標」という。)は、「Miracle Cover」及び「ミラクルカバー」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成18年5月19日に登録出願され、第1類「防水・撥水剤,その他の化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類,肥料,陶磁器用釉薬,高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,写真材料,試験紙,人工甘味料,工業用粉類,原料プラスチック,パルプ」を指定商品として平成18年12月22日に設定登録され、その後、同19年12月28日に指定商品中「防水・撥水剤,その他の化学品(撥水効果を有する防水剤を除く。)」について、放棄による一部抹消の登録がされたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、以下(a)ないし(d)のとおりである。
(a)登録第428396号商標(以下「引用商標A」という。)は、「MIRACLE」の欧文字を横書きしてなり、昭和26年6月19日登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同28年7月21日に設定登録されたものであるが、指定商品中の「粉状、粒状、液状、泥状のプラスチックス」についての登録は、昭和63年6月23日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同63年10月27日になされているものである。さらに、平成15年6月18日に、指定商品を第1類ないし第3類及び第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(b)登録第854100号商標(以下「引用商標B」という。)は、「ミラクル」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和39年10月6日登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同45年4月22日に設定登録されたものである。
(c)登録第3201638号商標(以下「引用商標C」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年12月29日登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年9月30日に設定登録されたものである。
(d)登録第4034385号商標(以下「引用商標D」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年12月29登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月25日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用各商標と称呼及び観念において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、その生産、販売に係る商品に、引用商標A及び引用商標Bを昭和26年より一貫して使用し、また、平成6年からは引用商標C及び引用商標Dは、申立人のハウスマークとしても使用されている。その後、引用各商標は、現在に至るまで継続して使用している。その上、申立人の製品の多くは、「ミラクル」の語が冠され使用されているから、工業用水処理剤等の化学品の分野では、「ミラクル」の語が冠され使用されている商標は、申立人の商標として需要者の間に広く認識されている周知・著名な商標である。したがって、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
(4)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおり、その構成中、上段に書された文字及び下段に書された文字は、いずれも同一の書体をもってまとまりよく一連に表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ミラクルカバー」の称呼もよどみなく一気一連に称呼し得るものである。また、本件商標は、構成全体をもって「奇跡の覆い」といった意味合いを看取させるものであるから、これを「ミラクル/Miracle」と「カバー/Cover」の文字とに分離して称呼、観念しなければならない格別の理由は見出せないものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ミラクルカバー」の称呼のみを生ずるものであって、前記したとおり、「奇跡の覆い」の観念を生ずるものといわなければならない。
これに対し、引用各商標は、それぞれ前記した構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「ミラクル」の称呼及び「奇跡」の観念を生ずるものである。
そして、本件商標より生ずる「ミラクルカバー」の称呼と引用各商標より生ずる「ミラクル」の称呼とは、音構成、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。
また、両商標の観念は、それぞれ前記したとおりであるから、類似するものではない。
さらに、両商標は、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上十分に区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれからみても非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る証拠を総合勘案すれば、引用商標C及び引用商標Dについては、申立人が「工業用水処理剤」等について使用された結果、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時に取引者、需要者間にある程度認識されていることが認められるとしても、上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標と、称呼、観念及び外観のいずれにおいても類似することのない別異の商標というべきである。
そうすると、引用商標C及び引用商標Dが取引者、需要者間にある程度認識されていることが認められるとしても、本件商標に接する取引者、需要者が引用商標を印象、連想、想起するようなことはないというべきである。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、該商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
したがって、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲

引用商標C及び引用商標D

異議決定日 2008-04-01 
出願番号 商願2006-45986(T2006-45986) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y01)
T 1 651・ 26- Y (Y01)
最終処分 維持  
前審関与審査官 酒井 福造 
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 石田 清
小川 きみえ
登録日 2006-12-22 
登録番号 商標登録第5013116号(T5013116) 
権利者 株式会社アサヒペン
商標の称呼 ミラクルカバー 
代理人 野河 信太郎 

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