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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y09
審判 全部申立て  登録を維持 Y09
審判 全部申立て  登録を維持 Y09
審判 全部申立て  登録を維持 Y09
管理番号 1177981 
異議申立番号 異議2006-90637 
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-12-11 
確定日 2008-04-14 
分離された異議申立 有 
異議申立件数
事件の表示 登録第4985216号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4985216号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4985216号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成18年1月30日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人中、「パーム・トレードマーク・ホールディング・カンパニー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー」(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、下記の15件である。
(1)登録第1533250号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、「PALM」の欧文字を横書きしてなり、昭和50年3月14日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年8月27日に設定登録、その後、平成18年5月31日に、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録がされたものである。
(2)登録第1533251号の2商標(以下「引用商標2」という。)は、「パーム」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和50年3月14日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年8月27日に設定登録、その後、平成18年5月31日に、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録がされたものである。
(3)登録第3236731号商標(以下「引用商標3」という。)は、「PALM COMPUTING」の欧文字を横書きしてなり、平成6年3月29日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年12月25日に設定登録、有効に存続しているものである。
(4)登録第4034367号商標(以下「引用商標4」という。)は、「パームコンピュータ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成3年12月27日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月25日に設定登録、その後、同9月5日に、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録がされたものである。
(5)登録第4103997号商標(以下「引用商標5」という。)は、「パーム」及び「PALM」の文字を二段に横書きしてなり、平成7年12月21日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年1月16日に設定登録、有効に存続しており、その後、同16年8月27日に、その指定商品中、「レコード及びその類似商品」についての登録を取り消すとの一部取消しの登録がされたものである。
(6)登録第4263640号商標(以下「引用商標6」という。)は、「パームターミナル」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年3月10日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月16日に設定登録されたものである。
(7)登録第4265870号商標(以下「引用商標7」という。)は、「パームワークステーション」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年3月10日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月23日に設定登録されたものである。
(8)登録第4394726号商標(以下「引用商標8」という。)は、「PALM」及び「パーム」の文字を二段に横書きしてなり、平成11年2月4日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月23日に設定登録、有効に存続しており、その後同16年8月27日に、その指定商品中、「レコード及びその類似商品」についての登録を取り消すとの一部取消しの登録がされたものである。
(9)登録第4412437号商標(以下「引用商標9」という。)は、「Palmscape」の欧文字(標準文字による商標)を書してなり、平成11年6月24日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年8月25日に設定登録されたものである。
(10)登録第4451688号商標(以下「引用商標10」という。)は、「PALMCONNECT」の欧文字(標準文字による商標)を書してなり、平成12年1月20日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年2月9日に設定登録されたものである。
(11)登録第4705182号商標(以下「引用商標11」という。)は、「PALMSOURCE」の欧文字(標準文字による商標)を書してなり、2002年1月28日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成14年7月4日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年8月29日に設定登録されたものである。
(12)登録第4902450号商標(以下「引用商標12」という。)は、「PALMONE」の欧文字(標準文字による商標)を書してなり、2003年1月15日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成15年6月27日に登録出願、第9類、第16類、第35類、第37類、第38類、第41類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同17年10月21日に設定登録されたものである。
(13)登録第5049894号商標(平成10年商標登録願第106155号:以下「引用商標13」という。)は、「PALM DESKTOP」の欧文字を横書きしてなり、平成10年12月9日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年5月25日に設定登録されたものである。
(14)登録第5035527号商標(2001年商標登録願第18556号:以下「引用商標14」という。)は、「PALM OS」の欧文字(標準文字による商標)を書してなり、平成13年3月2日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年3月30日に設定登録されたものである。
(15)登録第5039549号商標(2002年商標登録願第56130号:以下「引用商標15」という。)は、「PALM」の欧文字(標準文字による商標)を書してなり、2002年1月31日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成14年7月4日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年4月6日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめていうときには、「引用商標1ないし15」又は単に「引用商標」という。

3 本件登録異議の申立ての理由の要点
(1)申立の概要
(ア)本件商標は、申立人の引用商標1ないし15(甲第38号証ないし甲第52号証)と同一又は類似であって、その指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号あるいは同法第8条第1項に該当する。
(イ)本件商標は、その出願時点において、既に周知・著名となっている申立人の商標「PALM」(甲第1号証から甲第36号証)と類似する「Palm」の語を顕著に含むものであって、申立人の業務に係る商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用する場合には、申立人の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号にも該当する。
(2)具体的理由
(ア)商標法第4条第1項第11号あるいは同法第8条第1項該当性について
本件商標は、「Palm」と「Secure」の語及び手のひらを擬した図形との組合せよりなるところ、「Secure」は、「安全な、信頼できる」等の意味を有する英単語であって、本件指定商品との関係において、識別力がないか又は極めて弱いものといえるから、本件商標の構成中、識別力を有する主要部は、「Palm」の文字部分にあるものと考えられる。
してみると、本件商標からは、「パームセキュア」の称呼のほかに、当該主要部の文字部分に相応して、「パーム」の称呼をも生ずる。
一方、引用商標は、各構成文字に相応して、「パーム」の称呼が生ずる。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、いずれも「パーム」の称呼を共通にする類似の商標というべきである。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは類似の関係にある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号あるいは同法第8条第1項に違反して登録されたものというべきである。
(イ)商標法第4条第1項第10号該当性について
申立人の商標「PALM」は、本件商標の出願時点において、日本を含む世界中で既に周知・著名となっている(甲第1号証ないし甲第35号証:商標「PALM」の使用及び広告の例;甲第36号証:申立人会社の役員による宣誓供述書(写)及び同和訳文;当該宣誓供述書のExhibit1ないし35は甲第1号証ないし甲第35号証に該当する。)。
さらに、上記(ア)と同様に、本件商標は、申立人の商標「PALM」と同一又は類似である。
また、本件商標の指定商品は、周知・著名な申立人の商標「PALM」に係る商品「ハンドヘルドコンピュータ,スマートフォン,それらの関連商品」と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものというべきである。
(ウ)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、その出願時点において、日本を含む世界中で既に周知・著名となっていた申立人の商標「PALM」と類似する「Palm」の語を顕著に含むものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するときには、申立人の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがある。
商標審査基準[改訂第7版]は、商標法第4条第1項第15号の適用につき、「他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して、取り扱う。」としている。
したがって、本件商標は、それに照らすと、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものというべきである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項、同法第4条第1項第10号、同第11号又は同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定によって、その登録を取り消すべきである。

4 当審の判断
申立人が本件登録異議の申立てに引用した15件の商標中、商標登録出願に継続していたものは、その後、いずれも登録商標となったことから、商標法第8条第1項の主張は、以下、同法第4条第1項第11号の主張がなされたものとして判断する。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、別掲に示すとおり、5本の右手の指跡のような淡いシルエット風の図形を背後に据えて、それを真横に寸断するように「PalmSecure」の欧文字を横書きした構成よりなるものであるところ、当該文字部分は、同一の書体をもって、等間隔で一連一体に横書きしてなることより、外観上一体に表されているとみるのが相当であって、これより生ずる「パームセキュア」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
他に、構成中の「Palm」の文字部分が独立して認識されるとみるべき特別な事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、該文字部分の全体をもって、一体不可分のものとして理解されるというのが自然であるから、該文字に相応して、「パームセキュア」の一連の称呼のみを生ずるといわなければならない。
また、これよりは、特段の観念を生ずるものではなく、一種の造語とみるのが相当である。
他方、上記2のとおり、引用商標1及び2、引用商標5、引用商標8、そして、引用商標15は、「PALM」又は「パーム」のいずれかの文字又はそれらの二段横書きよりなるから、それぞれの構成文字に相応して、「パーム」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは、「ヤシ。てのひら」等の観念を生ずるとみるのが相当である。
次に、上記2のとおりの各構成文字に照らすと、引用商標3よりは「パームコンピューティング」又は「パーム」、引用商標4よりは「パームコンピュータ」又は「パーム」、引用商標6よりは「パームターミナル」、引用商標7よりは「パームワークステーション」又は「パーム」、引用商標9よりは「パームスケープ」、引用商標10よりは「パームコネクト」、引用商標11よりは「パームソース」、引用商標12よりは「パームワン」、引用商標13よりは「パームデスクトップ」又は「パーム」、引用商標14よりは「パームオーエス」の各称呼を生ずるというのが相当である。
また、かかる引用商標3及び4、引用商標6及び7,引用商標9ないし14よりは、特段の観念を生ずるものではなく、一種の造語とみるのが相当である。
そこで本件商標と引用商標との類否について検討するに、上記のとおり、本件商標より生ずる「パームセキュア」の称呼と引用商標より生ずる上記各称呼とは、それぞれの構成音数及び該各構成音において、著しい差異を有するから、両者の称呼を全体として、それぞれ一連に称呼するときには、互いに聴き誤るおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標よりは、特段の観念を生ずるものではなく、一種の造語とみるのが相当であるのに対し、引用商標1及び2、引用商標5、引用商標8、そして、引用商標15よりは、「ヤシ。てのひら」等の観念を生ずるとみるのが相当であるから、両者は、観念の有無の差異を有するものであり、さらに、本件商標と引用商標3及び4、引用商標6及び7,引用商標9ないし14とは、いずれも特段の観念を生ずるものではなく、一種の造語とみるのが相当であるから、観念上比較すべくもない。
そして、本件商標と引用商標とは、上記したとおりの構成よりなるから、いずれも外観上判然と区別し得るものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、前記認定のとおり、その構成文字の全体をもって、一体不可分のものとして理解されるものであり、その構成中の「Palm」の文字部分のみが独立して認識されるものではない。
したがって、本件商標より「Palm」の文字部分のみを分離、抽出し、該文字部分を申立人の周知・著名な商標「PALM」と同一又は類似するから、商標法第4条第1項第10号に該当するとの申立人の主張は、その前提において誤っているものというべきである。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、申立人の商標「PALM」が商品「ハンドヘルドコンピュータ,スマートフォン,それらの関連商品」に使用され、本件商標の出願時点において、日本を含む世界中で周知・著名となっていたから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するときには、あたかも、それが申立人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがある旨主張する。
しかしながら、申立人提出の甲各号証に照らしても、我が国において、申立人の商標「PALM」が本件商標の登録出願前より、申立人の業務に係る前記商品について、長年にわたり継続して使用され、需要者等の間に広く認識されていたと認めることはできないばかりでなく、たとえ、甲第1号証ないし甲第35号証中に「PALM」、「パーム」又は「Palm」の文字を含む多くの商標の使用例が掲載されていたとしても、それらは、日本において頒布されたものではなく、しかも、それぞれ異なる商標として需要者等の間において認識されていると容易に推認し得るところである。
そうとすれば、本件商標は、上記認定のとおり、その構成文字の全体をもって認識されるものというべきであって、引用商標とは別異のものであるから、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(4)むすび
以上によれば、本件商標の登録は、商標法第8条第1項、同法第4条第1項第10号、同第11号又は同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標


異議決定日 2008-03-25 
出願番号 商願2006-6813(T2006-6813) 
審決分類 T 1 651・ 4- Y (Y09)
T 1 651・ 26- Y (Y09)
T 1 651・ 25- Y (Y09)
T 1 651・ 271- Y (Y09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 前山 るり子 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 寺光 幸子
鈴木 新五
登録日 2006-09-08 
登録番号 商標登録第4985216号(T4985216) 
権利者 富士通株式会社
商標の称呼 パームセキュア、パーム、セキュア 
代理人 竹内 耕三 
代理人 森田 俊雄 
代理人 横山 淳一 
代理人 野田 久登 
代理人 深見 久郎 

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