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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y25
管理番号 1167837 
異議申立番号 異議2007-900018 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-01-12 
確定日 2007-10-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第4995202号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4995202号商標の指定商品中、「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4995202号商標(以下「本件商標」という。)は、「GREEN FLASH」の欧文字(標準文字による商標)を書してなり、平成18年4月24日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として同年10月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、別掲(1)ないし(4)のとおりの構成よりなるものである。
以下、別掲(1)の商標を「引用商標1」、別掲(2)の商標を「引用商標2」、別掲(3)の商標を「引用商標3」、別掲(4)の商標を「引用商標4」とそれぞれ称し、これらをまとめていうときには、単に「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標「GREEN FLASH」が、申立人の著名な商標にフリーライドしようとする不正の目的の下に商標登録出願したことは、正常な取引慣行に反するとともに国際信義上好ましくないため、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるので、商標法第4条第1項第7号に該当する。
また、本件商標は、申立人「ダンロップ スラゼンガー グループ リミテッド」が、その取扱商品「履物及び運動用特殊靴」について、本件商標の登録出願時(平成18年4月24日)ないし登録査定時(平成18年9月14日)前から継続して使用しており、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、その需要者の間において広く認識されている引用商標と同一又は類似のものであり、かつ、その商品と同一又は類似の指定商品に使用するものであるから、同第10号に該当する。
さらに、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するときには、申立人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、同第15号に該当する。
そして、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似するものであって、不正の目的をもって使用するものであるから、同第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品について取り消されるべきである。

4 当審において通知した取消理由の要旨
(1)申立人引用商標の周知性について
申立人の提出に係る甲第7号証ないし甲第13号証、甲第16号証ないし甲第17号証の7及び甲第23号証ないし甲第27号証並びに登録異議の申立ての理由を総合すれば、引用商標は、イギリスにおいて、1929年(昭和4年)にタイヤについて使用され、その後、1930年代の中期には、テニスシューズ及びスニーカーに使用され、現在に至るまで継続して、テニスシューズ、スニーカー等の靴・運動用特殊靴(以下「申立人商品」という。)に使用されていること(甲第7号証、甲第23号証ないし甲第26号証)、申立人商品は、遅くとも2004年5月頃から2006年にかけて、ドイツ、イギリスをはじめ、スイス、イタリアなどの欧州、アメリカにおいて取引がされ(甲第12号証の1ないし6)、その売上は、2004年(平成16年)には、6,616,919ユーロ(約10億6,500万円)、2005年(平成17年)には、6,823,126ユーロ(約10億9,800万円)、2006年(平成18年)には、5,124,852ユーロ(約8億2,500万円)に達したこと(甲第16号証)、申立人商品は、2005年頃からイギリスの雑誌に取り上げられたこと(甲第17号証の1ないし7)などが認められ、これらを総合すると、引用商標は、申立人商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前である2005年頃には、ドイツ、イギリスを中心とした需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。
(2)本件商標と申立人引用商標との類否について
(ア)本件商標は、前記のとおり、「GREEN FLASH」の文字を書してなるから、該文字に相応して「グリーンフラッシュ」の称呼及び「緑色閃光」の観念を生ずるものである。
(イ)一方、引用商標1は、別掲(1)のとおり、内側に白抜き破線を有する緑地の矩形内に、「GREEN」と「FLASH」の各文字を二段に横書きしてなるから、該文字に相応して「グリーンフラッシュ」の称呼及び「緑色閃光」の観念を生ずるものである。
(ウ)引用商標2は、別掲(2)のとおり、内側に白抜き破線を有する緑地の矩形内に、「GREEN」及び「FLASH」の各文字、並びに「by DUNLOP」の文字(「by」と「DUNLOP」の間には図形が配されている。)とを三段に横書きしてなるところ、「GREEN」及び「FLASH」の各文字は、「by DUNLOP」の文字や図形に比べ、大きな文字で書されているばかりでなく、「by DUNLOP」の文字部分は、「ダンロップ製」といった意味合いを表してなるものと容易に理解されるというのが相当であるから、該「GREEN」及び「FLASH」の各文字は、独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮し得るものということができる。
そうすれば、引用商標2からは、該文字に相応して「グリーンフラッシュ」の称呼及び「緑色閃光」の観念を生ずるものである。
(エ)引用商標3は、別掲(3)のとおり、焦げ茶地の矩形内に、図形と「DUNLOP GREENFLASH」の文字を横書きしてなるところ、図形と文字の両部分は、観念上一体のものとしてのみ把握しなければならない格別の理由は見出せないものである。
また、文字中の「DUNLOP」の部分は、申立人の著名な略称と認められるから、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮し得るものである。
してみると、「GREENFLASH」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮し得るものといえるから、これより「グリーンフラッシュ」の称呼及び「緑色閃光」の観念を生ずるものである。
(オ)引用商標4は、別掲(4)のとおり、緑色の文字をもって、「1555 Green Flash」と横書きしてなるところ、その構成中の「1555」の数字は、商品の種別等を表示する記号等と理解されるから、自他商品の識別標識としての機能を発揮し得る部分は、「Green Flash」の文字部分とみるのが相当である。
そうすると、引用商標4からは、該文字に相応して「グリーンフラッシュ」の称呼及び「緑色閃光」の観念を生ずるものである。
(カ)したがって、本件商標と引用商標とは、「グリーンフラッシュ」の称呼及び「緑色閃光」の観念を同じくする類似の商標といわなければならない。
(3)本件商標の指定商品と申立人商品の類否について
本件商標の指定商品中の「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」は、申立人商品と同一又は類似の商品と認められる。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、申立人の業務に係る商品「テニスシューズ、スニーカー」等をはじめとする靴・運動用特殊靴を表示するための自他商品の識別標識として、本件商標の登録出願前より、ドイツ、イギリスを中心とする需要者の間において広く認識されていた引用商標と称呼及び観念において類似する商標であって、その指定商品中に、申立人商品と同一又は類似の商品を含むものである。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」について、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものといわざるを得ない。

5 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成19年6月20日付けで上記4の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、上記4の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものといわなければならないから、本件商標の登録は、その指定商品中、「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」について、商標法第43条の3第2項の規定に基づき取り消すべきものである。
また、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、申立人の主張及び提出証拠を検討したが、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものと認められるから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)引用商標1



注:色彩については原本を参照されたい。

(2)引用商標2



注:色彩については原本を参照されたい。

(3)引用商標3




注:色彩については原本を参照されたい。

(4)引用商標4




注:色彩については原本を参照されたい。

異議決定日 2007-08-28 
出願番号 商願2006-37395(T2006-37395) 
審決分類 T 1 651・ 25- ZC (Y25)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 寺光 幸子
鈴木 新五
登録日 2006-10-13 
登録番号 商標登録第4995202号(T4995202) 
権利者 株式会社ブレンズ
商標の称呼 グリーンフラッシュ、フラッシュ 
代理人 前田 大輔 
代理人 山田 雄秀 
代理人 安形 雄三 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 中村 知公 

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