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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y29
管理番号 1165914 
審判番号 不服2007-5813 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-02-23 
確定日 2007-10-10 
事件の表示 商願2005-88146拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「皇寿ドリンク」の文字を横書きしてなり、第5類、第29類及び第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年9月21日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同18年6月8日付け提出の手続補正書及び当審における同19年7月9日付け提出の手続補正書により、最終的に、第29類「カキ肉エキスを主成分とする液状の加工食品」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(1)ないし(5)のとおりである。
(1)登録第4143186号商標は、「弘寿湯」の文字を横書きしてなり、平成7年8月23日に登録出願、第5類「煎剤,浴剤」を指定商品として、同10年5月8日に設定登録されたものである。
(2)登録第4196009号商標は、「香樹」の文字を横書きしてなり、平成9年6月24日に登録出願、第1類「植物育成剤,植物ホルモン剤,土壌改良剤,発芽抑制剤,化学肥料,天然肥料,複合肥料,植物生育用人工土壌」を指定商品として、同10年10月9日に設定登録されたものである。
(3)登録第4428752号商標は、ややデザイン化された「紅寿」の文字を横書きし、その上部に、「こうじゅ」の文字を振り仮名風に書してなり、平成11年12月14日に登録出願、第29類「高麗人参を主原料とする液状・粉末状又は錠剤状の加工食品」を指定商品として、同12年10月27日に設定登録されたものである。
(4)登録第4619971号商標は、「光寿水」の文字を横書きしてなり、平成14年3月12日に登録出願、第32類「清涼飲料」を指定商品として、同年11月15日に設定登録されたものである。
(5)登録第4695570号商標は、「コージュ」の文字を横書きしてなり、平成14年9月2日に登録出願、第32類「清涼飲料のもと,アイソトニック飲料,果実飲料」を指定商品として、同15年8月1日に設定登録されたものである。
以下、(1)、(2)、(4)及び(5)を一括して「引用A商標」、(3)を「引用B商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標は、その指定商品について、前記1のとおり補正された結果、引用A商標の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されたと認められるものである。
その結果、本願商標の指定商品は、引用A商標の指定商品と類似しない商品になったと認められるものである。
したがって、引用A商標との関係においては、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するという原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)ア 本願商標は、「皇寿ドリンク」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「皇寿」の文字は、「天子の寿命。」及び「111歳。また、その祝い。」の意を有するものであり(大辞林第二版 2005年6月10日 株式会社三省堂発行)、「ドリンク」の文字は、「飲料。飲物。」を表すものとして、広く知られているものである。
イ 他方、引用B商標は、前記2(3)のとおりの構成よりなるところ、「紅寿」の文字が特定の意味合いを有する成語を表したものとはいえないが、「紅」の文字は、「べに。べにいろ。うすあかいろ。あかい。」等の字義を有し、「寿」の文字は、「いのちながい。長生きする。いのち。としより。ひさしい。永く存在する。ことぶき。」等の字義を有するものである(角川大字源 1992年2月10日 株式会社角川書店発行)。
ウ ところで、最高裁昭和39年(行ツ)第110号(昭和43年2月27日判決言渡)において、「商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによつて決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によつて取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。」旨判示されているものである。
エ そこで、これを踏まえて検討するに、本願商標と引用B商標の外観は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるものであるから、両者は、外観において、明らかに区別し得るものである。
オ 次に、観念についてみるに、本願商標からは、「111歳を祝う飲料」程の意味合いが連想されるものであり、他方、引用B商標からは特定の観念が生じるものではないとしても、その構成中の「紅」の文字が看者に与える色彩としての「あか」のイメージが強いものというべきである。
そうとすれば、本願商標と引用B商標とは、観念において、それぞれ取引者、需要者に与える印象ないし連想は相違しているというのが相当である。
カ 一方、称呼についてみるに、本願商標構成中の「ドリンク」の文字が指定商品の品質を表示するものとして解されることからすれば、本願商標からは、その構成文字全体に相応した「コウジュドリンク」の称呼のほか、「皇寿」の文字に相応した「コウジュ」の称呼をも生ずるものであり、また、引用B商標からも、その構成文字に相応して「コウジュ」の称呼が生ずること明らかであるから、両商標は、「コウジュ」の称呼を共通にするものである。
キ また、本願商標の指定商品と引用B商標の指定商品は、いずれも「いわゆる健康食品」と解されるところ、知財高裁平成17年(行ケ)第10764号(平成18年4月27日判決言渡)において、「健康食品は,一般消費者にとって,自己の健康にかかわる重要なものであるから,その商標が当該商品を示すものとして周知となっているなどといった特段の事情の認められない限り,現物を手にとって慎重に選ぶのが通常であり,単に称呼のみで購入することはまれであると考えられる。そして,本件において,そのような特段の事情を見いだすことはできない。したがって,称呼の同一のみをもって両商標の誤認混同に結び付ける原告の主張は,採用することができない。」旨判示されている。
ク これらを併せ考慮するに、本願商標と引用B商標とは、外観において明らかに異なっており、観念においてもそれぞれ需要者等に与える印象ないし連想は相違しているものであり、全体的にみると、称呼において共通することのみをもって、直ちに両商標が類似するものと断定することはできず、需要者等に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、本願商標をその指定商品に使用した場合、引用B商標を使用した商品との間に、その商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれはないというのが相当である。
したがって、本願商標と引用B商標は、互いに類似しない商標というべきである。
(3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2007-09-19 
出願番号 商願2005-88146(T2005-88146) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (Y29)
最終処分 成立  
前審関与審査官 深沢 美沙子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 田村 正明
岡田 美加
商標の称呼 コージュドリンク、コージュ 
代理人 伊藤 儀一郎 

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