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審決分類 |
審判 判定 属さない(申立て不成立) 020 |
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管理番号 | 1164290 |
判定請求番号 | 判定2006-60066 |
総通号数 | 94 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標判定公報 |
発行日 | 2007-10-26 |
種別 | 判定 |
2006-12-06 | |
確定日 | 2007-09-23 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4144248号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | 商品「岩盤浴用ベッド」、役務「岩盤浴施設の設計」、「岩盤浴施設の施工」及び「岩盤浴施設の提供及びそれに関する情報の提供」に使用するイ号標章は、登録第4144248号商標の商標権の効力の範囲に属しない。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4144248号商標(以下「本件商標」という。)は、「岩磐浴」の文字を書してなり、平成7年11月2日登録出願、第20類「寝台」を指定商品として、同10年5月15日に設定登録されたものである。 第2 イ号標章 請求人は、イ号標章及びその使用商品又は使用役務について特定していないので、請求の趣旨及び甲第1号証ないし甲第4号証に基づき、イ号標章は「岩盤浴」の文字からなり、商品「岩盤浴用ベッド」、役務「岩盤浴施設の設計」、「岩盤浴施設の施工」及び「岩盤浴施設の提供及びそれに関する情報の提供」に使用するものと推認する。 第3 請求人の主張の概要 請求人は、以下の判定を求め、その趣旨及び必要性を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 1 請求の趣旨 (1) 請求人との商標権使用許諾契約を締結せず、【岩盤浴】を製造・販売したり、ネット広告を行う商品は、本件商標の商標権の効力の範囲に属する。 (2)請求人との商標権使用許諾契約を締結せずに製造された【岩盤浴】を所有し、営業者自ら【岩磐浴】又は【岩盤浴】と表示並びに広告をし、営業を実施する行為は、それが役務であっても、本件商標の商標権の効力の範囲に属する。 2 判定の必要性 請求人は、本件商標と「岩盤浴」とは、自己の正当な権利の範囲(指定商品「寝台」の範囲)であれば、称呼同一であり意味においても類似のものであるとの判定を得ている。 しかしながら、岩盤浴業界では、請求人に商標権の使用許諾を求めず、「岩盤浴」の文字が使用されている。 したがって、請求人に商標権の使用許諾を求めず、前記商品及び役務に使用している「岩盤浴」について、本件商標の商標権の効力の範囲に属するとの判定を改めて求めるものである。 第4 当審の判断 1 「岩盤浴」の文字の識別性について (1)近年、健康についての関心が高まり、遠赤外線効果で体が温まり、発刊作用により蓄積した老廃物が排出できるとして「岩盤浴」が注目され、「温泉等で温めた天然の岩盤を利用した温泉療法や温熱法の一つ」を表す語として、「岩盤浴」の文字が、普通に使用さていることが、以下の事実及び請求人の提出した甲第1号証及び甲第3号証より確認できる。 (ア)「現代用語の基礎知識2007」(2007年1月1日 自由国民社発行)の「岩盤浴」の項には、「温めた天然石の上に寝そべり、発汗を促して老廃物を排出する温浴法」と記載されている。 (イ)「知恵蔵2007」(2007年1月1日 朝日新聞社発行)の「デトックス」の項には、「・・・(1)温水を使わず43℃前後に暖めた「石床」に寝て汗をかき、体内の老廃物や毒素を排除する岩盤浴、・・・。」と記載されている。 (ウ)「imidas イミダス 2007」(2007年1月1日 株式会社集英社発行)の「岩盤浴」の項には、「温めた天然の岩盤に寝転び、サウナのような発汗作用を得る温浴法。遠赤外線効果で体が温まり、蓄積した老廃物とともに排出できる。玉川温泉(秋田県)の天然浴場が有名だったが各地の温泉施設やサロンでも導入されたるようになった。・・・。」と記載されている。 (エ)請求人の提出に係る甲第1号証は、日本MJP株式会社のインターネットホームページの写しであり、その2頁の「岩盤浴:」の見出しの項目には、「・・・。今温泉と同様の効果、効能があり、より体の負担が少ない施設として、注目を浴びているのが、「お湯のないお風呂」、つまり岩盤浴施設です。・・・古代中国では、紀元前数千年前より、温石療法という世界最古の医療として利用されていた事が、記録にも残っており、現代の科学でも、その健康効果が解明、立証されました。・・・。」との記載がみられる。 (オ)甲第3号証は、イマジンハウス株式会社本郷組住宅事業部のインターネットホームページの写しであり、そのtopページには、「岩盤浴を開業しませんか ご自宅に岩盤浴を造ってみませんか」の見出しのもと、施工例として岩盤浴施設を掲載し、「岩盤浴を開業されたい方はお気軽にお電話下さい。」との記載、3頁には「新岩盤浴ベッド チェスパ発売中」の見出しのもと「家庭用岩盤浴ベッド、岩盤浴椅子オーダー受付中」との記載がみられる。 (2)以上の事実よりすれば、「岩盤浴」の文字は、「温泉等で温めた天然の岩盤を利用した温泉療法や温熱法」を表す語であり、これを、「温泉等で温めた天然の岩盤を利用した温泉療法や温熱法のための商品」又は「温泉等で温めた天然の岩盤を利用した温泉療法や温熱法のための施設の提供」について使用するときには、これに接する取引者、需要者をして、「温泉等で温めた天然の岩盤を利用した温泉療法や温熱法のためのベッド」又は「温泉等で温めた天然の岩盤を利用した温泉療法や温熱法のための施設の提供」を表したもの、すなわち、商品の用途又は品質及び役務の内容又は質を表示したものと認識、理解されるにとどまるから、自他商品又は自他役務の識別標識として機能するとはいい得ないものである。 2 本件商標の商標権の効力の範囲 本件商標は、前記のとおり「岩磐浴」の文字を書してなり、第20類「寝台」を指定商品とするものである。 一方、イ号標章は、前記のとおり「岩盤浴」の文字を普通に用いられる方法で書してなり、商品「岩盤浴用ベッド」、役務「岩盤浴施設の設計」、「岩盤浴施設の施工」及び「岩盤浴施設の提供及びそれに関する情報の提供」に使用するものである。 しかして、前記のとおり「岩盤浴」の文字は、「温泉等で温めた天然の岩盤に寝転び、遠赤外線効果で体が温まり、蓄積した老廃物とともに排出できる温泉療法や温熱法の一つ」を指称する語であるから、これを前記商品又は役務について使用しても、商品の用途又は品質及び役務の内容又は質を表したものと理解させるに止まり、自他商品又は自他役務の識別標識として機能するものとはいい得ないから、これらの商品及び役務においては誰もが使用できるものである。 してみると、商品「岩盤浴用ベッド」について使用するイ号標章は、商標権の効力について、商標法第26条第1項第2号により効力が制限される場合に当たると解され、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものとは認められない。 また、本件商標の指定商品「寝台」と、イ号標章の使用役務「岩盤浴施設の設計」、「岩盤浴施設の施工」及び「岩盤浴施設の提供及びそれに関する情報の提供」は、それぞれの取引者、需要者及び商品の販売場所と役務の提供場所等を異にするものであり、これらの商品と役務は、互いに類似しないから、本件商標の商標権の禁止権が及ばないものである。 そうとすると、イ号標章は、その使用役務「岩盤浴施設の設計」、「岩盤浴施設の施工」及び「岩盤浴施設の提供及びそれに関する情報の提供」についても、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものということはできない。 なお、請求人は、商標法において、商標権使用の無許諾品について、業を目的とする範囲で、「侵害行為を組成したものの破棄」、「侵害行為に供したものの設備の除去」、そして「所持の禁止」を求めることができると規定されているとして、請求人との商標権使用許諾契約を締結せずに製造された【岩盤浴】を所有し、営業者自ら【岩磐浴】又は【岩盤浴】と表示並びに広告をし、営業を実施する行為は、それが役務であっても、本件商標の商標権の効力の範囲に属する旨主張しているが、前記のとおり、イ号標章は本件商標の商標権の効力の範囲に属するものとは認められないと判断するのが妥当であるから、この点についての請求人の主張は採用できない。 よって、結論のとおり判定する。 |
判定日 | 2007-09-11 |
出願番号 | 商願平7-114101 |
審決分類 |
T
1
2・
2-
ZB
(020)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小松 孝、柳原 雪身 |
特許庁審判長 |
伊藤 三男 |
特許庁審判官 |
森山 啓 岩崎 良子 |
登録日 | 1998-05-15 |
登録番号 | 商標登録第4144248号(T4144248) |
商標の称呼 | ガンバンヨク |