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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z30 |
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管理番号 | 1154045 |
異議申立番号 | 異議2006-90420 |
総通号数 | 88 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-09-01 |
確定日 | 2007-03-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4957397号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4957397号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4957397号商標(以下「本件商標」という。)は、「ひよこちゃん」の文字を標準文字で書してなり、平成10年5月20日に登録出願、第30類「即席中華そばのめん」を指定商品として、平成18年6月2日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第524914号商標(以下「引用商標」という。)は、「ひよ子」の文字を縦書きしてなり、昭和32年6月4日に登録出願、第43類「菓子及び麺ぽうの類」を指定商品として、昭和33年8月1日に設定登録され、その後、3回にわたり、商標権存続期間の更新登録がされたものであるが、指定商品中の「もち」についての商標権は、平成17年10月4日付けの審決により取り消され、その確定の登録が平成17年12月9日にされたものである。 3 登録異議の申立ての理由の要点 商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などみこ照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すべきである(平成12年7月11日最高裁平成10年(行ヒ)第85号)ところ、引用商標と本件商標とは類似する商標である。また、引用商標は、「名菓ひよ子」のみならず、総合的な菓子製造会社である申立人の商号としても全国的な周知性を獲得している。さらに、申立人の業務に係る商品「菓子」と本件商標の指定商品である「即席中華そばのめん」との関連性は強いものであり、これらの商品は、性質等が共通しているのみならず、申立人が多角経営する可能性は高い。以上の事実からすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、需要者・取引者は、当該商品が申立人と何らかの関連ある企業の製造、販売に係る商品であるとの混同を生じるおそれがあるといわざるを得ない。 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)甲第2号証ないし甲第7号証、甲第9号証ないし甲第17号証、甲第35号証ないし甲第41号証、甲第43号証及び甲第73号証ないし甲第75号証によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品であって、主として土産物あるいは贈答品として利用される、ひよこの形状をした菓子に付される商標として、本件商標の登録出願当時には、首都圏及び九州を中心として、広く全国的に、取引者、需要者の間に知られていたものと認められ、その周知性は、本件商標の審決時である平成18年4月24日の時点においても継続していたものと認められる。 しかし、引用商標は、上記認定のとおり、ひよこの形状をした菓子について使用されるものであり、その構成文字も「鳥(鶏)の子」を意味する普通名称の「ひよこ」の「こ」の文字部分を「子」と表したのみであり、使用される商品との関係からみて、高い独創的な商標ということはできないし、また、自他商品の識別力の面からみても、本来的に自他商品識別力は弱いものである。 そして、引用商標の周知性は、上記のとおり、主として、贈答用ないし土産物用に利用されるひよこの形状をした菓子という商品と密接に結合して形成されたものであり、いわば、当該商品を連想させる商標として、周知著名であったものであると認められる。 さらに、引用商標が使用される商品「ひよこの形状をした菓子」は、一般の消費者が、主として、旅行又は仕事等で訪れる際の土産品あるいは贈答品として、駅や空港の売店、百貨店やスーパーマーケットなどの大規模店舗の専門店、贈答品コーナー、あるいは株式会社ひよ子の直営店等で購入する菓子であって、土産品・贈答品として食することが多い菓子であるのに対し、本件商標の指定商品である「即席中華そばのめん」は、一般消費者がスーパーマーケットやコンビニ等の小売店で購入し、日常の食事の場で普通に食される商品であり、単価は少額で日常的に購入される商品であるから、両商品は、いずれも主として、一般の消費者を対象とした商品であるとしても、商品の性質、用途、目的等において異なるばかりでなく、引用商標が使用される商品「ひよこの形状をした菓子」は、上記のように、百貨店やスーパーマーケットなどの大規模店舗における専門店、贈答品コーナーで対面販売されることはあっても、スーパーマーケットなどの大規模店舗における日常的な食料品のコーナーにおいて、「即席中華そばのめん」といっしょに陳列され、消費者が棚に陳列された商品を直接手にとってレジカウンターに運び購入する形式で販売されることは一般的ではないから、本件商標の指定商品である「即席中華そばのめん」とは、販売場所においても、明りょうに区別されている。 したがって、両商品は、いずれも食品の範疇に属するものであるとしても、その商品の性質、用途、目的、販売店あるいは販売場所を異にするものであり、その主たる需要者である一般の消費者においても、明りょうに区別され、認識されているというのが相当である。 (2)してみると、本件商標を構成する「ひよこちゃん」と引用商標を構成する「ひよ子」とは、前者が普通名詞の「ひよこ」に愛称的な呼び名である「ちゃん」の文字を付加したものであるから、その要部は、「鳥(鶏)の子」を意味する「ひよこ」であり、また、後者は、前記のとおり、「鳥(鶏)の子」を意味する普通名称の「ひよこ」の「こ」の文字部分を「子」と表したのみであるから、観念上類似する商標であり、かつ、「ヒヨコ」の称呼を同じくする場合がある称呼上も類似する商標であるとしても、引用商標の周知著名性・独創性の程度、本件商標と引用商標が使用される商品の性質・用途・目的・販売場所等取引の実情を総合勘案すると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が該商品を申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であると誤認、混同することはないというべきである。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。 (3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-02-22 |
出願番号 | 商願平10-42515 |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Z30)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大塚 順子、高橋 厚子 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
伊藤 三男 岩崎 良子 |
登録日 | 2006-06-02 |
登録番号 | 商標登録第4957397号(T4957397) |
権利者 | 日清食品株式会社 |
商標の称呼 | ヒヨコチャン、ヒヨコ |
代理人 | 藤井 重男 |
代理人 | 藤井 信行 |
代理人 | 角田 嘉宏 |
代理人 | 藤井 信孝 |