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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200323215 審決 商標
不服20058568 審決 商標
審判199710093 審決 商標
不服200628695 審決 商標
不服200220947 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y35383941
管理番号 1145152 
審判番号 不服2004-25225 
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-09 
確定日 2006-10-05 
事件の表示 商願2003- 81135拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「いつも新しいフロンティアへ」の文字を書してなり、第35類、第38類、第39類及び第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成15年9月18日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における平成16年7月6日付け手続補正書をもって、第35類「航空・航空宇宙・通信・旅行分野における経営の診断又は経営に関する助言,航空機産業用の広告物の配布,航空機産業の商品の販売促進に関する助言,航空・航空宇宙産業における商品見本市・展示会の企画・運営又は開催,他人の従業員のための職務における質及び生産性向上を奨励する表彰プログラムの企画・運営又は開催」、第38類「有線・無線及び衛星通信ネットワークによるデータの伝送交換」、第39類「人工衛星の打ち上げ」及び第41類「航空機及び航空機部品のデザイン・認証・操作・整備・修理・総点検・製造・予備部品に関する知識の教授,航空機及び航空機部品のデザイン・認証・操作・整備・修理・総点検・製造・予備部品に関する会議・クラス・セミナー・ワークショップの企画・運営又は開催」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
本願商標は、「いつも新しいフロンティアへ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、インターネットの情報中には、企業のいわゆる「キャッチコピー」としても認められる「未来に羽ばたく子供達の為のクリニック(http://homepage2.nifty.com/okada-med/)」として、また「未知の世界に挑むフロンティア精神(http://www.cta-gr.co.jp/company/frontier_.html)」として用いられている例があるので、本願商標を指定する役務について使用するときは、前記の事柄からすると、「常に新規事業に挑む」と言う程度の意味合いの企業の経営方針を表明した一種の「キャッチコピー」を表示したものとして理解させるに過ぎなく、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

3 当審の判断
企業は、その取扱いに係る商品や役務、企業イメージに関して、需要者に親しみや好感、信頼感等の良い印象を抱いてもらうよう日常的に心がけているところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ、スローガン)等を採択し、それらを通じて商品、役務の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。
そして、具体的な商品の品質又は役務の質を示す単語が存在しなくとも、具体的、抽象的は問わず企業のイメージを向上させることが、結果的にはその取扱いに係る商品又はその提供に係る役務に対する信頼感の向上にもつながることが、もとより企業に関するキャッチフレーズやスローガンの意図するところであるから、これらの中には、端的な宣伝文句のほか、商品や役務並びに企業のイメージの向上を目的とした観念的、抽象的表現もしばしば採択されているところである。
そこで、これを本願商標についてみるに、本願商標は、上記1のとおり、「いつも新しいフロンティアへ」の文字を書してなるところ、例えば、
(1)株式会社電通ワンダーマンのサイト中の「ダイレクト・マーケティングにおけるフロンティアを求めて」の項目(http://www.wunderman-d.com/root/words_DMF06.html)中に、「(前略)われわれは、いままで、古いフロンティアのいくつかを調べ、ニ、三の新しいフロンティアを探ってきました。ダイレクト・マーケティングの歴史の長い道のりをふり返って見ると、なにかエネルギーの集積のようなものを感じ始めてきます。(中略)それぞれの爆発は、われわれの生活の仕方を変え、それらのほとんどは、ダイレクト・マーケティングのための新しい機会を作ったのです。(後略)」との記載があること、
(2)三井物産株式会社のサイト中の「ナノテクノロジーが新しい産業を生む」の項目(http://www.mitsui.co.jp/tkabz/swnth/challenge/nano01.html)中に、「(前略)三井物産は、総合商社の営業力をはじめとした『総合力』とR&Dを行う戦略子会社の『技術力』との両輪で、ナノテクを基盤に、環境・エネルギー問題の解決に貢献しながら、新産業を創出していく。(中略)ナノテク事業室のメンバーは、『科学技術から、21世紀型の持続・再生可能な最適モデルをつくり出したい』という熱意にあふれている。ナノテク事業室は少々の失敗をものともしない情熱・知恵・人材の力を合わせ、新しいフロンティアを切り開いていく。」との記載があること及び、
(3)株式会社ゲン・コーポレーションのサイト中の「ゲン養鶏スクール」の項目(http://www.ghen.co.jp/jp/products/poultry/ghenschool.html)中に、「日本の畜産業、特にニワトリ産業の成長・拡大の時期は過ぎ今や成熟の時期に入っています。これからは『質』の分野で多くのことがなされなければならず、そこに新しいフロンティア(新境地)があるということです。ゲン養鶏スクールはまさにそういう質的フロンティアに挑戦しようとする人に勉強と交流の場を提供するものです。我々の産業で質的なフロンティア開拓とは、おそらく、日本型畜産、しかも国際的に通用するものを構築するということでしょう。(後略)」との記載があること、
に照らせば、これに接する取引者、需要者をして、その構成全体から、原審において説示する「常に新規事業に挑む」といった意味合いを容易に想起させる場合も決して少なくないとみるのが相当である。
そして、前記意味合いを容易に想起させる本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接した取引者、需要者は、これを自他役務の識別標識として看取し、認識するというよりは、むしろ、その指定役務を提供する請求人の業務に関し、語句全体から「常に新規事業に挑む」という、その企業理念等を表す、企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)として認識し、理解するにとどまるというべきである。
してみれば、本願商標をその指定役務について使用しても、取引者、需要者は、それが企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)の一類型と理解するにとどまり、それをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-04-27 
結審通知日 2006-05-10 
審決日 2006-05-23 
出願番号 商願2003-81135(T2003-81135) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Y35383941)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石田 清 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 田中 敬規
山本 敦子
商標の称呼 イツモアタラシイフロンティアエ 
代理人 渡邊 隆 
代理人 志賀 正武 
代理人 高橋 詔男 
代理人 高柴 忠夫 

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