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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y1636
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y1636
管理番号 1143395 
審判番号 不服2004-17225 
総通号数 82 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-08-19 
確定日 2006-08-25 
事件の表示 商願2003-114439拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ビルの広域集中管理」の文字(標準文字)を書してなり、第16類及び第36類に属する願書に記載あるとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年12月24日に登録出願されたものであるが、指定商品及び指定役務については、平成16年7月5日提出の手続補正書により、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその付属品」及び第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、広域にある複数のビルを集中管理することの意味合いを表す『ビルの広域集中管理』の文字を標準文字で書してなるところ、『ビルの管理』に関する書籍が刊行されていることからすれば(ビルの管理 : その理論と実例 小林清周著 森北出版 1975)、本願商標をその指定商品中、上記文字に照応する印刷物に使用しても、単に商品の品質(内容)を表示するにすぎないものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえず、前記商品以外の『印刷物』に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。また、本願商標をその指定役務中、例えば『建物の管理』に使用しても、該役務が広域にある複数のビルを集中管理する手法であること、すなわち単に役務の質を表すにすぎないものであり、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、上記のとおり、「ビルの広域集中管理」の文字を横書きしてなるところ、これよりは全体として「広い区域にあるビルの集中した管理」ほどの意味合いを容易に認識、把握させるというべきである。
そして、広い区域にある複数のビルの設備機器や防災・セキュリティ等をカメラやセンサー等を介し総合的に制御、監視、管理を行う役務が一般に提供されていることは、原審の拒絶理由において開示したインターネットホームページより明らかであり、そのような役務について、当該の役務を端的に表示する語として、「広域集中管理」若しくは「広域管理」等の語が普通に使用されていることも、同インターネットホームページにおいて認めることができる。
また、同事実は、以下のインターネットホームページよりも確認することができる。
(ア)www.webcame.jp/kouiki.htm 【財団法人とくしま産業振興機構 情報支援部】
「『広域集中管理システム』のご紹介」の見出しのもと、「『広域集中管理システム』『無人施設総合管理システム』『マンション等管理システム』の応用版で、複数の拠点を一度に管理するシステムです。インターネット網を用いて、無人施設やマンション等、管理・メンテナンスが必要な箇所に生中継カメラとセンサー及び電源制御装置を設置。本部側から複数拠点を同時に監視・管理・制御を行なうことができます。VPN接続により、外部からの侵入をブロックします。専用の管理ソフトを作り込むため、本部側はパソコン一台で全ての制御が可能となります。」との記事が掲載されている。
(イ)www.tbs-net.co.jp/kouiki.html 【東京ビジネスサービス株式会社】
「広域管理システム/BManager」の見出しのもと、「集中管理センターより複数の建物を24時間遠隔監視する事によって密着したサービスとビル管理者の省人化を実現します。」との記事が掲載されている。
(ウ)www.sonokousan.co.jp/system.html 【株式会社その興産】
「SONO広域集中管理システムによる24時間監視体制」の見出しのもと、「電気、機械、給排水ほか多くの設備機器からなるビル・マンションは、一カ所にトラブルが生じても、快適性が損われ、資産の大きな損失にもつながりかねません。時間を問わない管理体制が欠かせないといえるでしょう。私たちは、設備機器のスケジュールに基づく保守・点検のほか、24時間監視体制のためのSONO広域集中管理システムを導入し、必要に応じ社員が緊急出動するなど、365日、朝も昼も夜も大きな安心をおとどけしています。」との記事が掲載されている。
上記、本願商標の認定及び商取引の実情を総合して判断すれば、本願商標は、これをその指定商品中、例えば、「広い区域にある複数のビルを集中して管理する技術等を紹介した書籍を含む印刷物」について使用した場合、これに接する者は、当該商品が、単に、前記意味合いを記述した内容の書籍等の印刷物であることを認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、上記以外の記事を内容とする「書籍を含む印刷物」について使用した場合、商品の品質(内容)について誤認を生じさせるおそれあるものといわなければならない。
また、これをその指定役務中、例えば、「広い区域にある複数のビルを集中して管理する建物の管理」について使用した場合、これに接する者は、当該役務が、単に、上記方法により建物を管理する役務であることを表示したものと認識し理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、上記以外の「建物の管理」について使用した場合、役務の質について誤認を生じさせるおそれあるものといわなければならない。
(2)請求人(出願人)は、本願商標は、請求人の独自ノウハウの蓄積による「広域集中」及び「管理」を結びつけた造語であり、そして、請求人(出願人)の独自技術によるノウハウは、既に1977年(昭和52年当時)に公表していたものであり、原審が拒絶の理由として引用した資料よりも遙か以前から、本願商標に類似した文字態様のものを紙面で用いていたと主張している。
しかしながら、商標法第3条の適用判断の基準時は、査定時又は審決時であるから、たとえ請求人(出願人)が、その主張にいう遙か以前から、本願商標に類似した文字態様のものを用いていたとしても、そのことをもって、先の拒絶理由を回避し得るとはいえないし、そもそも、本願商標は、請求人(出願人)の技術が独自のものであったとしても、その指定商品(役務)との関係においては、商品(役務)の品質(質)を表示するにすぎないものであること、上記認定のとおりであるから、かかる請求人(出願人)の主張は採用できない。
また、請求人(出願人)は、本願商標は使用された結果、商品(役務)の識別力を獲得するに至ったものであるとも主張するが、提出された資料によっては、本願商標が商標法第3条第2項に該当する要件を具備するに至ったものとは認められない。
その他、請求人(出願人)は、登録例を挙げ述べるところあるが、かかる登録例は、本願商標とは事案を異にするものである。
(3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条
1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-06-27 
結審通知日 2006-06-28 
審決日 2006-07-12 
出願番号 商願2003-114439(T2003-114439) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y1636)
T 1 8・ 272- Z (Y1636)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 木村 一弘 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 山本 敦子
岩崎 良子
商標の称呼 ビルノコーイキシューチューカンリ、ビルノコーイキシューチュー 
代理人 川原田 一穂 

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