• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 Y16252841
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y16252841
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 Y16252841
管理番号 1141571 
審判番号 不服2005-4914 
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-03-22 
確定日 2006-08-01 
事件の表示 商願2004-28045拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「THE COOKIE JAR COMPANY」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第25類、第28類及び第41類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2004年3月24日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成16年3月25日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品及び指定役務については、同年12月14日付け、同18年6月7日付け及び同18年6月14日付けの手続補正書によって、最終的に、第16類「子供の娯楽に関する書籍,その他の書籍,絵本,漫画本,子供の娯楽に関する雑誌,子供の娯楽に関するニューズレター,トレーディングカード,塗り絵本,その他の印刷物,文房具類,紙類」、第25類「ティーシャツ,スウェットシャツ,スウェットパンツ,ズボン,半ズボン,ジャケット,コート,手袋,下着,水着,パジャマ,ベスト,プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ,バスローブ,ベルト,帽子,その他の被服,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」、第28類「縫いぐるみ,その他の布製おもちゃ,人形及びその附属品,アクションフィギュア及びその附属品,教育用又は娯楽用の電気式パズル及びゲームおもちゃ,その他の電気式おもちゃ,盤ゲーム,カードゲームおもちゃ,絵描きゲームおもちゃ,セットおもちゃ,ジグソーパズル,その他のパズル,乗物おもちゃ,ヨーヨー,トランプ,その他のおもちゃ,その他の人形」及び第41類「実写及びアニメーションによる動画の製作及び提供,ビデオテープ映画の上映,テレビジョン番組の配給,アニメーション映像・映画・テレビ番組の製作及び提供,コンピュータネットワークを利用したオンラインによる娯楽情報の提供,その他の娯楽の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下の理由(1)ないし(3)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、「THE COOKIE JAR COMPANY」の文字を左横書きで普通に用いられる方法で書してなるところ、これは、本願指定商品「書籍,絵本,漫画本,トレーディングカード,トランプ,その他の印刷物」との関係において、単行本(書籍)の題号・指定商品の内容の表示とみられるものである。そして、単行本(書籍)の題号・印刷物の内容表示は、その単行本・印刷物である著作物を特定する名称として表記されるものであり、自他商品の識別標識としての機能を有しているとは認め難いものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(前記内容を表示する商品)以外の商品に使用するときは、商品の品質、印刷物の内容の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。ただし、「新聞,雑誌」については、前記条文は適用除外と認められる。
(2)本願商標は、本願出願人の法人名「シナー コーポレーション」と異なる「THE COOKIE JAR COMPANY」の文字を書してなるから、本願の出願人は、商号の異なる本願商標をもって、登録設定を意図するものといわざるを得ないから、商号単一性の原則の信義則に反するものと認められ、商法の立法趣旨に反するが故に公の秩序を乱すおそれがあるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(3)本願商標は、構成要部に、「いいブツ、簡単に手にはいるカモ」等を表す語である「THE COOKIE JAR」の文字を書してなるところ、該文字は「いかがわしい種類のブツ」を指称する英語であり、特に「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取する集団」が頻繁に使用する「ブツ」を表す侮辱語でもあることから、本願商標は、公共の福祉に反し、公正な取引秩序を阻害するおそれがあり、このような標章を我が国の国内法上で権利設定することは、カナダ文化が永年培ってきた人道の国是に反し、犯罪不安を煽り、国際信義則と刑法の立法趣旨であるところの詐欺罪(246条)・刑法236条2項の犯罪の構成要件にも抵触するおそれのある標章であって公序良俗に反し、公の秩序を乱すおそれがあるものと認める。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記1のとおり、「THE COOKIE JAR COMPANY」の文字よりなるところ、該構成文字が、原審においていう著作物を特定する名称とは認め難いばかりでなく、書籍の題号、印刷物の内容等を具体的、かつ、直接的に表示するものとして直ちに理解され得るとは言い難いところである。
また、当審において調査するも、「THE COOKIE JAR COMPANY」の文字が、その指定商品を取り扱う業界において、印刷物の内容等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も発見することができなかった。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、書籍の題号、印刷物の内容等を表示したものとは認識し得ず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、これをその指定商品中のいずれの商品について使用しても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないものである。
(2)商標法第4条第1項第7号について
(ア)本願商標は、上記に示した構成よりなるところ、その構成中の「COMPANY」の文字は、「会社、商会、仲間」等を意味する語としてよく知られた英語であり、かつ、商取引の実際において、会社等の名称の英語表記に使用される場合があるが、これが直ちに、商法に規定する会社の商号を表したものといい得るものではない。
そして、欧文字表記された本願商標「THE COOKIE JAR COMPANY」は、直ちに商号の英語表記を表したものとは、認識し得ないものとみるのが相当であるから、原審説示のように請求人(出願人)の名称と異なるものであるとしても、これを請求人(出願人)が商標として使用することが、商号単一性の原則の信義則に反するとする理由は見出し難く、また、他の法律によってその使用が禁止されるという格別の事情もないから、出所の誤認ないしは社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳に反するものということはできない。
(イ)本願商標は、その構成中に「THE COOKIE JAR」の文字を有してなるものであるところ、該文字が、原審説示の如き意味合いを認識させるものとは認め難く、本願商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、公正な取引秩序を阻害するおそれもなく、商取引の信義則に反し公の秩序を乱すおそれのある商標に該当するということはできない。
また、本願商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるものではないし、これを使用することが社会公共の利益に反し又は社会の一般的道徳観念に反するようなものでもない。
(3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号、同法第4条第1項第7号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2006-07-14 
出願番号 商願2004-28045(T2004-28045) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (Y16252841)
T 1 8・ 272- WY (Y16252841)
T 1 8・ 22- WY (Y16252841)
最終処分 成立  
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 小川 有三
特許庁審判官 矢代 達雄
山本 敦子
商標の称呼 ザクッキージャーカンパニー、クッキージャーカンパニー、クッキージャー 
代理人 伊東 忠彦 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ