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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y28
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y28
管理番号 1139817 
異議申立番号 異議2004-90142 
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-03-12 
確定日 2006-05-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第4731759号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4731759号商標の登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4731759号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナンバーワンターニー」の片仮名文字と「NO.1 TOURNEY」の欧文字を上下二段に書してなり、平成15年4月16日に登録出願、第28類「運動用具」を指定商品として、同年12月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1297314号商標(以下「引用A商標」という。)は、「TOURNEY」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年11月28日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同52年9月5日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
同じく登録第896440号商標(以下「引用B商標」という。)は、「TOURNEY」の欧文字を横書きしてなり、昭和44年4月26日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同46年4月26日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録が平成15年5月28日にされたものである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用A商標と類似し、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであり、取り消すべきものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標と類似する本件商標がその指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであり、取り消すべきものである。
(3)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第6号証を提出している。

4 本件商標に対する取消理由
当審は、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成17年2月22日付けで商標登録の取消の理由を通知した。その要旨は、次のとおりである。
申立人が引用する引用A商標は、本件商標の先願に係り、その指定商品は、商標登録原簿記載のとおりのものである。
そこで、本件商標と引用A商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおり、「ナンバーワンターニー」の文字と「NO.1 TOURNEY」の文字よりなるところ、その構成中の「ナンバーワン」及び「NO.1」の文字は「第1番。トップ」(広辞苑第5版)等の意味する語として広く一般に親しまれているものであって、かかる意味合いからこれを商取引の場において商品等に使用するときは、商品が優れていることを表す誇称的なもの、すなわち、商品の品質表示として理解されることも少なからずあるというべきであるから、本件商標の構成にあって、これらの文字は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか、きわめて薄い部分といわなければならない。そして、「ナンバーワン」と「ターニー」の各文字及び「NO.1」と「TOURNEY」の各文字とを常に一体不可分のものとのみ把握しなければならない格別の事情を見いだすことはできない。
してみれば、本件商標の自他商品の識別標識として強く機能する部分、すなわち、その要部は、「ターニー」及び「TOURNEY」の文字部分にあるとみるのが相当であるから、該文字に相応して単に「ターニー」の称呼をも生ずるものである。
一方、引用A商標は、上記2のとおり、「TOURNEY」の文字を書してなるものであるから、これより「ターニー」の称呼を生ずるものである。
そうとすると、本件商標と引用A商標とは、「ターニー」の称呼を共通にする類似の商標である。
また、本件商標の要部である「TOURNEY」は、引用A商標とその綴りを同じくするものであるから、本件商標と引用A商標は、外観において相紛らわしいものである。
してみれば、本件商標と引用A商標とは、称呼において類似する商標であるばかりでなく、外観においても相紛らわしい商標であり、かつ、本件商標と引用A商標の指定商品は、同一又は類似するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

5 商標権者の意見の要旨
上記4の取消理由に対して、商標権者は、つぎのように意見を述べ、証拠方法として乙第1及び第2号証を提出している。
(1)本件商標は、アルファベット(英語)の「NO.1 TOURNEY」という表示の上に片仮名で「ナンバーワンターニー」の表示をした文字商標であり、通常の一般的日本人ならば、よどみなく「ナンバーワンターニー」と一連に発音し、一体に称呼するとともに、一体に認識され、かつ、外観上も一体化された表示というべきである。
(2)これに対し、引用A商標は、後半部位の「TOURNEY」のみを表示した商標にすぎず、上述の如く、一体に称呼・観念され、かつ外観上も一体的にみられるところの本件商標は、このような引用A商標とは”非類似”であると確信する。
(3)さらに、「ナンバーワン」の語が含まれるものと、含まれないものとが併存している審査登録例が存する(乙第1及び第2号証)。
(4)以上のように、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当することはないと確信する。

6 当審の判断
前記4の取消理由は、妥当なものであり、これに対する商標権者の意見は以下の理由により採用できない。
商標権者は、本件商標の構成上からみて、本件商標は、一体に称呼・観念され、かつ外観上も一体的にみられるものである旨主張する。
確かに、商標は、その構成全体によって他人の商標と区別するものであるから、格別の事情がない限り、商標の一部を抽出して他人の商標と類否を判断することは適当でない。しかし、簡易、迅速を尊ぶ商取引の実際において、分離抽出することが取引上不自然であると思われるほど不可分一体に結合していると認められない商標にあっては、必ずしも構成全体をもって称呼、観念されず、その一部をもって取引に資しすることは経験則の教えるところである。
とすれば、本件商標は、取消理由で開示したとおり、本件商標を不可分一体のものとしてのみ把握、理解しなければならない格別の事情は見当たらないから、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標を適宜分離抽出して、その一部の称呼によって取引に当たることも決して少なくないものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「ナンバーワンターニー」の称呼の他、「ターニー」及び「TOURNEY」の文字部分に相応して「ターニー」の称呼をも生ずるものと認められる。
また、本件商標の構成中「TOURNEY」の文字部分は、引用A商標とその綴りを同じくするものであるから、本件商標と引用A商標は、外観において相紛らわしいものである。
してみれば、本件商標と引用A商標とは、称呼において類似する商標であるばかりでなく、外観においても相紛らわしい商標であり、かつ、本件商標と引用A商標の指定商品は、同一又は類似するものである。
以上のとおり、商標権者の意見は、失当であり採用することができない。
また、商標権者は、過去の登録例を挙げて主張するところあるが、これらの登録例は、本件商標とは商標の構成を異にし、事案を異にするものであるから、本件商標と引用A商標における上記した判断を左右することにはならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2006-03-23 
出願番号 商願2003-31009(T2003-31009) 
審決分類 T 1 651・ 261- Z (Y28)
T 1 651・ 262- Z (Y28)
最終処分 取消  
前審関与審査官 野上 サトル篠原 純子 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 久我 敬史
高野 義三
登録日 2003-12-05 
登録番号 商標登録第4731759号(T4731759) 
権利者 有限会社アール・エス・エル・ジャパン
商標の称呼 ナンバーワンターニー、ナンバーワンツアニー、ターニー、ツアニー 
代理人 中谷 武嗣 
代理人 廣江 武典 

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