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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 039
管理番号 1134754 
審判番号 取消2005-31024 
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-05-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-08-19 
確定日 2006-04-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第4146400号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4146400号商標(以下、「本件商標」という。)は、「SMART」の欧文字を横書きしてなり、ドイツ連邦共和国における1995年3月31日の商標登録出願に基づきパリ条約による優先権を主張して平成7年9月28日に登録出願され、第39類「車両による輸送,駐車場の提供,自動車の貸与」を指定役務として、平成10年5月15日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張(要旨)
請求人は、本件商標の登録のうち、指定役務「駐車場の提供」については、これを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べている。
本件商標権については、専用使用権の設定および通常使用権の許諾は行われておらず、商標権者は、本件商標権のうち、指定役務「駐車場の提供」については、継続して3年以上日本国内において登録商標の使用をしてしていないので、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

3 被請求人の主張(要旨)
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として登録商標の使用説明書、及び乙第1号証ないし同第6号証を提出した。
(1)被請求人は、ドイツ連邦共和国で「smart」なるブランドの自動車を製造し、各国において関連会社を通じて販売している。一方、被請求人の親会社のダイムラークライスラーアーゲーの日本現地法人であるダイムラークライスラー日本株式会社は、被請求人製造の自動車の日本への輸入や、日本における販売・メンテナンス等を独占的に行っている。また、ダイムラークライスラー日本株式会社と被請求人との間の契約の中に、日本における商標の使用に関する通常使用権をダイムラークライスラー日本株式会社が有する旨が記載されており、その契約に基づいてダイムラークライスラー日本株式会社は被請求人の所有する商標を日本において使用している。
(2)実際の使用例として、国内における「スマート/展示試乗会」なる販売促進活動において、ダイムラークライスラー日本株式会社が契約した駐車場の使用について、「スマート」(車種)以外での来場者に対しては、有料で駐車場の提供を行っており、その駐車場の看板の他、広告および取引書類に本件商標を使用している(登録商標の使用説明書、及び甲第1号証ないし同第6号証)。
(3)以上のように被請求人の通常使用権者が、本件商標を「駐車場の提供」について、継続して3年以上日本国内において使用している。

4 請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

5 当審の判断
(1)被請求人提出の使用説明書及び乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 使用説明書添付の上段の写真によれば、駐車場フェンスに「Smart」(小文字は大文字と同大)、及び「スマート パーキング」の文字、さらには、4/22(金)〜24(日)の文字が記載された看板若しくは、垂れ幕らしきものが括り付けられている。
イ 乙第6号証の1枚目においては、上段に「post card」の文字、中段に「スマート 展示/試乗会」、「期間:2005年4月22日(金)〜24日(日)3日間」、「JETRO名古屋ショウルーム内特設会場」の文字、さらに下段に「スマートで来場のお客様は『スマートパーキング』を無料でご利用いただけます。」の文字が表示されている。また、2枚目には、上記アの文字と同一の「Smart」の文字の他、「ダイムラークライスラー日本株式会社」及び「試乗予約確認書」の文字が表示されている。
(2)以上の事実を総合すれば、「ダイムラークライスラー日本株式会社」は、2005年4月22日(金)〜24日(日)の3日間、スマート(Smart)なる車種の展示及び試乗会を名古屋で開催し、その際、上記、スマート以外での来場者には、有料(上記(イ)の「スマートで来場のお客様は『スマートパーキング』を無料でご利用いただけます。」との記載の反対解釈)で駐車場を提供していたものと認められる。
また、その際の駐車場のフェンスには、上記アと同一の「Smart」なる文字が使用されているものであるところ、該文字は、本件商標と大文字と小文字の差異はあるものの、その称呼を同じくする上、観念における変動もないものであるから、本件商標とは社会通念上同一の商標と認められる。
ところで、被請求人「スマート ゲーエムベーハー」は、「ダイムラークライスラーアーゲー」の子会社であること及び「ダイムラークライスラーアーゲー」の日本における現地法人が、「ダイムラークライスラー日本株式会社」であることは、当審における職権調査によって確認し得た。
そうとすれば、「ダイムラークライスラー日本株式会社」は、本件商標の通常使用権者と解して何ら差し支えなく、又これに反する証左も認められない。
(3)以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の予告登録(平成17年9月8日)前3年以内に、日本国内において、被請求人の通常使用権者によって、その指定役務中「駐車場の提供」について使用されていたと認め得るものである。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品に使用をしていないものには該当しないから、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-02-02 
結審通知日 2006-02-08 
審決日 2006-02-21 
出願番号 商願平7-100290 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (039)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 水茎 弥
久我 敬史
登録日 1998-05-15 
登録番号 商標登録第4146400号(T4146400) 
商標の称呼 スマート 
代理人 中村 承平 
代理人 大平 恵美 

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