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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない Z21
管理番号 1124570 
審判番号 不服2001-18149 
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-09-04 
確定日 2005-09-30 
事件の表示 商願2000-39706拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「Valentino」と「Coupeau」の欧文字を段違いの二段に併記した構成によりなり、第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,食器類(貴金属製のものを除く。),化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,なべ敷き,はし,はし箱,清掃用具及び洗濯用具,栓抜,魔法瓶,水筒,家事用手袋,ガラス製包装用容器(「ガラス製栓・ガラス製ふた」を除く。),陶磁製包装用容器,ガラス製栓,ガラス製ふた,せっけん用ディスペンサー,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,やかん」を指定商品として、平成12年3月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、イタリア国ローマ市在住の『Valentino Garavani』(オランダ国在の関連企業「バレンチノ クローブ ベスローテン フェンノートシャップ社」)が『婦人・紳士物の衣料品』等に使用している著名な商標『Valentino』の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
当審において、要旨以下のとおりの証拠調べを行い、意見書を提出する相当の期間を指定して、平成16年7月15日付けで請求人に通知した。
(1)「世界の一流品大図鑑ライフカタログVOL.1」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバーニ」が、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されている。」こと、及びその経歴等を紹介する内容とともに「ブラウス、セーター、ネクタイ」の商品の写真が掲載されている。
(2)「EUROPE一流ブランド」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載されている。
(3)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)の、ヴァレンチィーノ ガラヴァーニ[Valentino Garabani、1932〜]の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジャン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。このころ、イタリアのモードは世界的に有名になりつつあった。彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクンョンは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウィーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウェア・デイリー」各誌紙で取材、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。ヴァレンティーノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションからは、デテールでなくそのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。ローマの高級住宅地、アッピア・アンティカに母親とたくさんの犬と暮らしている。仕事でパリとローマを行き来するが、世界中を旅行するなど忙しい日々である。物をつくる人は誰でも波があって、いつも傑作が続くとはかぎらないが、ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近はキモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」との紹介記事が掲載されている。
(4)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されている。
(5)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文字とともに、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載されている。
(6)雑誌「non-no」1989年 No23号(平成元年12月5日株式会社集英社発行)及び「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載されている。
(7)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)[Valentino Garavani]の項において、「イタリア RomaのデザイナーValentino Garavani(1932-)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はValentino(vは小文字でかくこともある)。・・・」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載されている。
(8)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社 発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載されている。
(9)「世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノ Garavani,Valentino通称ヴァレンティノ Valentino(伊 1933-)服飾デザイナー・・・・」との紹介記事が掲載されている。
同じく、[ヴァレンティノ Valentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示がある。
(10)「日刊スポーツ」(2000年3月3日刊)において、「連載 パリコレ短信(5)原点に返った『バレンチノ』 1932年イタリア生まれのバレンチノ・ガラバーニ氏が60年にスタート。」の記事が掲載されている。

4 請求人(出願人)の意見等
請求人(出願人)は、上記3の証拠調べ通知に対し、所定の期間を経過するも何ら応答しない。

5 当審の判断
本願商標について行った当審の証拠調べの結果、「Valentino」の文字よりなる商標は、国際的なデザイナーの一人に数えられる「Valentino Garavani」(ヴァレンティノ ガラバーニ)またはその関連会社の業務に係る婦人服、紳士服等の衣料品、かばん類、宝玉その他装身具類、はき物類及び喫煙用具等の各商品を表示するものとして、本願商標の登録出願時(平成12年)はもとより、それ以前においてすでにわが国の需要者間に広く認識されたいわゆる著名商標になっていたものと認め得るところである。
しかして、本願商標は、「Valentino」と「Coupeau」の文字を段違いの二段に併記してなる外観上の構成から、各文字を分離して認識することができるものであるばかりでなく、両文字が一体として広く知られた人名等を表すもの等の事情もうかがえないものであるから、両文字は常に一体のものと認識しなければならない理由はなく、これに接する者は、構成中、上段に表した「Valentino」の文字に注意を惹かれ、該文字部分に着目することは、十分にあり得るといわなければならない。そして、構成中「Valentino」の文字部分は、前記認定の著名商標と同一の文字綴りであり、かつ、その指定商品は、前記著名商標に係る商品であるファッション関連の商品と密接に関係する化粧用具等を指定するものである。 そうすると、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、上記事情よりして、前記著名商標を容易に想起するとともに、その商品があたかも前記著名商標またはその関連会社の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、同旨の理由により本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審理終結日 2005-07-21 
結審通知日 2005-07-29 
審決日 2005-08-11 
出願番号 商願2000-39706(T2000-39706) 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (Z21)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯島 袈裟夫山本 良廣 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 岩崎 良子
田中 亨子
商標の称呼 バレンティノクーポー、バレンチノクーポー、バレンティノ、バレンチノ、クーポー 
代理人 志村 正和 

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