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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 110
管理番号 1121571 
審判番号 取消2004-30384 
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-09-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-03-18 
確定日 2005-08-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第2151391号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2151391号商標(以下「本件商標」という。)は、「エアーガード」の文字を横書きしてなり、昭和61年8月6日登録出願、第10類「歯科用機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成1年7月31日に設定登録され、その後、平成11年5月11日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標の指定商品中『医療用機械器具』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証(請求人が提出した証拠方法には、「甲」の符号が付されていないが、「甲」を付した。)を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「医療用機械器具」について継続して3年以上日本国内において使用された事実がなく、また、本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由もないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)商標「エアーガード」の文字が記載された歯科用機械器具の日本向けカタログ(乙第3号証)について
乙第3号証は、その印刷時期、頒布時期、商品の販売時期等が一切示されていないため、過去3年間に商標「エアーガード」がカタログに掲載された商品について使用されたことを立証しているとはいえず、使用の証拠としては不十分である。
(イ)出荷案内書(乙第4号証)について
2002年5月23日付出荷案内書に記載されている商品項目3及び2004年3月12日付出荷案内書の商品項目1を見ると、確かに商標「エアーガード」の文字が記載されている。仮に被請求人主張のとおり、乙第3号証に掲載されている「エアーガード」という名の歯科用機械器具が、乙第4号証に示されるように、実際に取引されたとすると、該機械は、1台あたり5,000円の単価で取引されたことになる。しかしながら、このような歯科用機械器具が1台5,000円で販売されるということは通常では考え難く、乙第4号証の「エアーガード」の文字の下には、「白金触媒」と記載されており、この「白金触媒」とは、乙第3号証にある商品説明文からもわかるように、「リングファーネス用アフターバーナー」に使用され、悪臭や有害なガスを分解する作用を持つ化学品であるから、乙第4号証は、乙第3号証の機械に使用される材料である「白金触媒」が取引されたことを示しているにすぎないもであって、商標「エアーガード」が歯科用機械器具について使用されたことを立証するものではない。ちなみに、「白金触媒」は、第1類の「化学品」に該当する商品であると考えられるため、乙第4号証は、登録商標を第10類の指定商品について使用した証拠にはならないものである。
(ウ)以上、乙各号証は、いずれも過去3年間に登録商標が指定商品「歯科用機械器具」について使用されたことを立証しているとは考えられず、当該商標が実際に使用されていたかどうかについては未だ不明である。
したがって、過去3年間に登録商標が「歯科用機械器具」について実際に使用されていたのであるならば、その使用を立証するための更なる資料を提出することを被請求人に要請する。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
被請求人は、本件請求に係る商品「医療用機械器具」に属する「歯科用機械器具」について、本件商標を本件審判の請求前の平成16年3月18日に日本国内において使用しているものである。
被請求人は、乙第2号証ないし乙第4号証によりその事実を証する。
したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべき理由はない。

4 当審の判断
(1)乙第2号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)「リングファーネス」は、歯科用商品として、1台249,000円から896,000円の価格の幅で市場に出回っていること(乙第2号証)。
(イ)被請求人の製造に係る商品を掲載したリーフレット(乙第3号証)には、「リングファーネス用アフターバーナー/エアーガード」との表示のもと、「悪臭、空気汚染をシャットアウト。」、「ワックスや埋没材の焼却時に発生する、嫌なにおいや有毒ガスをハニカム白金触媒により分解させ、・・取り付け簡単でリングファーネスの排気口の上に設置するだけでよく、・・」との記載がある。また、「リングファーネス用アフターバーナー/エアーガード」の文字の下には、「アナログタイプ リングファーネス/アキュサーム2(ローマ数字)100」の記載がある。そして、これらの記載の左には、「accu-therm2(ローマ数字)/100」との表示がある「リングファーネス」の写真と該「リングファーネス」の上に設置され、「GUARD」の文字が顕著に表示された装置の写真が掲載されているところ、「リングファーネス」の上に設置された装置は、上記「・・取り付け簡単でリングファーネスの排気口の上に設置するだけでよく、・・」との記載から、「リングファーネス用アフターバーナー」であると推認されること。
(ウ)被請求人が株式会社モリタに宛てた「仕切年月日」をそれぞれ「02年05月23日」及び「04年03月12日」とし、「出荷日」をそれぞれ「05/21」及び「03/09」とする出荷案内書(乙第4号証)には、前者のおける「3」の項目及び後者における「1」の項目の「商品名」、「数量」、「単位」、「単価」の各欄に、順に「エアーガード/白金触媒」、「5」、「EA」、「5,000」の記載があること。また、上記出荷案内書の最下段には、「単位(個→EA,組→SE)」の記載があること。
(2)前記(1)の認定事実を総合すると、被請求人(本件商標権者)は、株式会社モリタに対し、2002年(平成14年)5月21日及び2004年(平成16年)3月9日に、乙第3号証に掲載された「エアーガード」の文字よりなる商標を使用した「リングファーネス用アフターバーナー」を、それぞれ5個ずつ出荷販売したと推認することができる。
そして、該「リングファーネス用アフターバーナー」は、歯科用機械器具である「リングファーネス」に専用される商品と認められるものであるから、歯科用機械器具の範疇に属する商品というのが相当である。
したがって、本件商標権者は、本件審判の請求の登録(平成16年4月14日)前3年以内である平成14年5月21日及び平成16年3月9日に請求に係る指定商品中の「リングファーネス用アフターバーナー」に本件商標を使用したということができる。
(3)請求人の主張について
(ア)請求人は、乙第3号証に掲載されている「エアーガード」の文字を使用した歯科用機械器具が、乙第4号証に示されるように1台あたり5,000円の単価で取引されたとすることは通常では考え難く、乙第4号証の「エアーガード」の文字の下に「白金触媒」と記載されているところから、機械に使用される化学品の「白金触媒」が取り引きされたと思われる旨主張する。
しかしながら、前記(1)で認定したとおり、「リングファーネス用アフターバーナー」は、その説明文に「・・取り付け簡単でリングファーネスの排気口の上に設置するだけでよく、・・」との記載があるばかりでなく、乙第3号証に掲載されているリングファーネスの外形寸法、重量等と比較しても、きわめて小型の装置であることが認められるものであるから、その単価が5,000円であるとしても、何ら不自然なものとはいえない。
したがって、乙第4号証に「白金触媒」の文字が記載されるとしても、乙第3号証とを併せ考慮すれば、「エアーガード」の文字をもって取引に資された商品は、「リングファーネス用アフターバーナー」であるというべきである。
(イ)乙第3号証は、その印刷時期、頒布時期、商品の販売時期等が示されていないから、これをもって、過去3年間に本件商標がカタログに掲載された商品について使用されたことを立証しているものとはいえない旨主張する。
しかし、乙第3号証は、使用に係る商品どのようなものであるか、また、使用に係る商品に登録商標がどのような態様で使用されているかを立証するに十分な証拠といえるものであり、使用に係る商品が本件審判の請求の登録前3年以内に取り引きされたことを立証する乙第4号証を併せ考慮すれば、前記(2)で認定したとおり、本件商標権者は、本件審判の請求の登録(平成16年4月14日)前3年以内である平成14年5月21日及び平成16年3月9日に請求に係る指定商品中の「リングファーネス用アフターバーナー」に本件商標を使用したと認めることができる。
(ウ)したがって、上記請求人の主張は、いずれも理由がないから、新たに使用の事実を立証する証拠の提出を待つまでもなく、本件商標の使用は認めることができ、他に前記認定を覆すに足る証拠の提出はない。
(3)以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品中の「歯科用機械器具」について使用をしたことを立証したものと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「医療用機械器具」について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-03-03 
結審通知日 2005-03-08 
審決日 2005-03-23 
出願番号 商願昭61-83443 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (110)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小沢 武小松 英世半戸 俊夫 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 三澤 惠美子
茂木 静代
登録日 1989-07-31 
登録番号 商標登録第2151391号(T2151391) 
商標の称呼 エアーガード 
代理人 志賀 正武 
代理人 高橋 詔男 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 渡邊 隆 

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