• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z09
管理番号 1114921 
審判番号 取消2003-30671 
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-05-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2003-05-23 
確定日 2005-03-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第4371943号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4371943号商標(以下「本件商標」という。)は、「オプトポイント」の文字を標準文字とし、平成11年2月24日に登録出願、第9類「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池,電線及びケーブル,配電用又は制御用の機械器具」を指定商品として、平成12年3月31日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気通信機械器具,電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
請求人の調査によれば、本件商標は、請求に係る商品について継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて、正当な理由が存することも認められない。
加え、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないから、使用権者による使用ということもないので、請求人は商標法第50条第1項の規定に基づき、登録取消審判を請求する。
2 答弁に対する弁駁
本件商標は、ハンドヘルド型パーソナルコンピューターの「入力方式の一つである光学式ポインティングデバイス」に使用されているものであり、かつ、この商品は「電気通信機械器具」に属する商品ではない。
(1)乙第1号証について
乙第1号証が2000年11月作成のハンドヘルド型パーソナルコンピューターのカタログであることは、請求人もこれを否定するものではない。
しかしながら、該「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」の商品名(商標)は、乙第1号証のカタログに接する一般取引者・需要者をして、表紙に白色書体で顕著に大きく表示されているアルファベット文字「Telios」とその下段に表示された横長の長方形輪郭内の「テリオス」の片仮名文字の結合部分にあるとするのが自然である。この事実は、該表紙中央には、「遊びも、仕事も、タイミング。私のバッグには、いつもテリオス。」のキャッチフレーズが記載され、かつ、その右端の写真図ハンドヘルド型パーソナルコンピューターのスクリーンには、アルファベット文字「Telios」が表示されていることからも明らかである。
さらに、このカタログの裏面にある「当該商品の仕様」の欄は、「テリオス HC-AJ3主な仕様」の表示である。
なお、被請求人は、「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」は、単なる電子応用機械器具に属するパーソナルコンピューターではなく、映像周波数機械器具とも、音声周波数機械器具とも言える、旨主張しているが、電気通信機械器具に属する「映像周波数機械器具」「音声周波数機械器具」は、あくまで具体的に独立して一般取引の対象として販売される商品を予定しているものである。
すなわち、「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」自体は、乙第1号証の裏面記載のとおり、本体搭載ソフトウェアをインストールしたり、インターネットに接続しなければ、音声付き動画(MPEG‐4)データをビデオメールとして送受信し、その映像を再生すること、かつ、インターネットの音楽配信サイト等からMP3をダウンロードし、その音声データを再生することが不可能であることから、いわゆる電気通信機械器具に属する「映像周波数機械器具」「音声周波数機械器具」とは全くその性質を異にするものであり、「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」自体は、あくまで「電子応用機械器具」中の「電子計算機」のみに属する商品であること明らかである。
(2)したがって、本件商標を使用した入力方式の一つである「光学式ポインティングデバイス」は、「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」の周辺機器として「電子応用機械器具」中の「電子計算機」に属する商品である(甲第4号及び甲第5号証)。
よって、本件商標は、本件商標の指定商品中、取消請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用されていないことは明白である。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
1 被請求人が証拠方法として提出した乙第1号証は、本件審判請求登録日前3年以内である、2000年11月作成のハンドヘルド型パーソナルコンピューターのカタログであり、本件商標を、このカタログの裏面にある当該商品の仕様中、入力方式の一つである光学式ポインティングデバイスの愛称として使用し、現在に至るまで継続して本件商標を使用した「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」を販売している。
本件商標を使用した「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」は、単なる電子応用機械器具に属するパーソナルコンピューターではなく、音声付き動画(MPEG-4)データをビデオメールとして送受信し、その映像をモニターで再生する機能を有することから、映像周波機械器具とも言えるものである。また、カタログに掲載されているように、リモートコントロール部分を有するイヤフォンを本体に接続することによって、インターネットの音楽配信サイト等からMP3をダウンロードし、その音声データを再生する携帯音楽再生機としての機能を有していることから、音声周波機械器具ともいえるから、請求に係る指定商品のうち「電気通信機械器具」に属する。
2 したがって、被請求人が本件商標を請求に係る指定商品中、「電気通信機械器具」について本件審判請求登録日前3年間継続して使用していることは明白である。

第4 当審の判断
被請求人は、本件商標を「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」の入力方式の一つである光学式ポインティングデバイスに使用していると主張しているので、それについて検討する。
被請求人の提出に係る乙第1号証の商品カタログ(「内容は2000年11月現在のもの」と記載されている。)によれば、被請求人(商標権者)は、「Telios」「テリオス」の商標を使用した商品「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」を販売している事実が認められる。
そして、同商品カタログの「テリオス HC-AJ3主な仕様」項目の欄に、「入力方式 キーボード(15mmピッチ)、オプトポイントII(光学式ポインティングディバイス)」の記載が認められる。
さらに、請求人の提出に係る甲第4号証の日経パソコン用語辞典によれば、ポインティングディバイス(pointing device)は、「画面上での位置や座標データの指示に用いる入力機器」であることが認められる。
また、同甲第5号証のインターネツトによる検索情報(1999年3月4日の日付がある。)によれば、「シャープ(株)は、センサー部分に光方式を採用した小型ポインティングディバイス『オプトポイント』を発表した。」、「このオプトポイントは、1つのLEDと4つの受光素子(フォトダイオード:PD)をもつセンサー部と、そのLEDからの赤外光を反射する鏡を装着した操作部から成る。操作部を指などで任意の方向に動かすと鏡に反射された赤外光スポットの、受光素子への位置が変わる。この変化を4つの受光素子からの受光量変化を比較することで、移動量を割り出す仕組み。」、さらに「同社のWindosCE機『Telios』に初めて搭載された。シャープでは、このオプトポイントをサブノートパソコン、ハンドヘルドパソコンなどの用途に向けて発売する。」と記載した紹介記事が認められる。
上記の事実を総合してみると、「ハンドヘルド型パーソナルコンピューター」はパーソナルコンピューター(電子計算機)の一種であり、被請求人が取り扱っている商品「ポインティングディバイス」(以下「使用商品」という。)は、そのパーソナルコンピューターの入力機器と認められるので、その用途、使用形態等よりして、本件商標の審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に属するパーソナルコンピューターにおける画面上での位置や座標データの指示に用いる入力機器(電子応用機械器具の部品)とみるのが相当である。
また、上記使用商品に「オプトポイントII」又は「オプトポイント」の商標(以下「使用商標」という。)を使用していたものと推認できるところであり、その使用商標の構成中「II」の文字部分は商品の記号又は符号と認識され、自他商品の識別力のない部分といえるので、「オプトポイント」の文字部分に自他商品の識別力があり、それからすると、使用商標と本件商標「オプトポイント」とは社会通念上同一の商標と認められるものである。
そうとすれば、被請求人(商標権者)は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、審判請求に係る指定商品中「画面上での位置や座標データの指示に用いる電子応用機械器具の部品」について、本件商標の使用をしていたものというべきである。
したがって、本件商標に係る審判請求に係る指定商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-07-27 
結審通知日 2004-07-28 
審決日 2004-11-11 
出願番号 商願平11-16256 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田村 正明 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 富田 領一郎
小川 有三
登録日 2000-03-31 
登録番号 商標登録第4371943号(T4371943) 
商標の称呼 オプトポイント 
代理人 木下 雅晴 
代理人 加藤 義明 
代理人 小池 隆彌 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ