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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 登録しない Y30
管理番号 1106550 
審判番号 不服2002-21090 
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-31 
確定日 2004-10-18 
事件の表示 商願2002-10512拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「梅露庵」の文字を縦書きし、その構成中の「露」の文字の右側に小さな文字で「うめつゆ」の文字を縦書きした構成よりなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品とし、平成14年2月13日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、恵那市の文化財で長島町永田に存する伝西行史跡の名称『梅露庵』『うめつゆ』の文字を書してなるから、これを前記文化財と関係のない他人が商標として採択使用することは、社会の一般的道徳観念に反し穏当でない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおりの構成よりなるところ、その構成中の「梅露庵」の文字は、岐阜県恵那市長島町永田にある地名であって、ここに西行法師が庵を結んだと伝えられ、現在もその屋敷跡の平地が残されているものと認められる。そして、岐阜県恵那市の永田地区では、その場所を公園化し地域のシンボルとする事業がすすめられていることが、例えば、次のようなインターネットによるホームページの情報により認められる。

(1)「西行ゆかりの『梅露庵』を公園化/恵那市の永田地区/シンボル誕生祝う」の見出しのもと「西行が住んだ梅露庵があったとされる恵那市長島町永田で二十四日、梅露庵公園の開園式が行われた。関係者約六十人が出席、西行の歌碑を除幕するなどして、地元のシンボル誕生を祝った。(中略)市内には、梅露庵など三カ所が西行の庵跡と伝えられ、梅露庵は市史跡に指定されている。永田地区を「梅の里」にしようと活動していた地元の住民団体らが、ヒノキの林に埋もれていた梅露庵の公園化を計画。(中略)同公園建設委員長が『住民の熱意が公園整備のきっかけ。地域に欠かせないシンボルにします』とあいさつした。」と紹介(岐阜新聞5月25日付朝刊東濃地域版 http://www.jic-gifu.or.jp/np/g_news/200305/0525.htm)。
(2)「広報えな 2003年(H15年)7・1号 ◆カメラでおじゃま 自然に優しい憩いの場」の見出しのもと「5月24日、長島町永田にある西行史跡・梅露庵が公園として整備され、永田区が開園式を行いました。この公園は西行が住んだとされる梅露庵にちなんで、永田を梅の里にしようと、地元の方が中心となって、整備されたもので、この日除幕された西行の歌碑のほか、京都円山公園の祇園枝垂れ桜二世や枝垂れ梅が植栽されています。今後は、あずまやの建設と公園全体に梅の木が植えられる予定です。」と紹介(http://www.city.ena.gifu.jp/guide/pr/H15/7-1/)。

そうすると、請求人による本願商標の取得は、地域の公益的な施策に便乗して、その遂行を阻害し、公共的利益を損なう結果に至ることを知りながら、指定商品が限定されるとはいえ、「梅露庵」名称による利益の独占を図る意図でしたものといわざるを得ず、本願商標は、公正な競業秩序を害するものであって、公序良俗に反するものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。。
審理終結日 2004-08-26 
結審通知日 2004-08-27 
審決日 2004-09-07 
出願番号 商願2002-10512(T2002-10512) 
審決分類 T 1 8・ 22- Z (Y30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小畑 恵一 
特許庁審判長 小川 有三
特許庁審判官 岩内 三夫
早川 文宏
商標の称呼 ウメツユアン、ウメツユ、バイロ 
代理人 武蔵 武 

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