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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 247
管理番号 1091950 
審判番号 取消2002-30925 
総通号数 51 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-03-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2002-08-02 
確定日 2003-12-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第490850号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第490850号商標(以下、「本件商標」という。)は、「砂場」の文字と「すなば」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和31年3月13日に登録出願、第47類「穀菜類、種子、果物、穀粉、澱粉及びその製品」を指定商品として、昭和31年11月1日に設定登録、その後、同51年12月8日、同61年10月21日及び平成8年9月27日の三回に亘り商標権存続期間の更新登録がされているものである。
2 請求人の主張
請求人は、「商標登録第490850号の指定商品中「めん類およびその類似商品」についての登録を取り消す。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。
(1)本件商標は、その指定商品中「めん類およびその類似商品」について、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存在しない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により上記指定商品についての登録を取り消されるべきものである。
(2)被請求人は、答弁書において、本件商標をその指定商品中「そばのめん」について使用しているとして、乙第1号証及び同第22号証を提出しているが、以下に示すように、本件商標の使用の事実を示す証拠とはなり得ない。
ア 乙第1号証の写真が商品使用の事実を示すものであるとしても、写真の日付は平成14年(2002)年10月18日であって、本件審判請求の登録前に使用していた事実を証明するものではない。
イ また、被請求人は、本件商標が該商品に使用されていた事実を示すものとして、乙第2号証ないし同第7号証の1を提出しているが、これらの証拠は「砂場そば」の使用証明であり、本件商標「砂場」の使用の事実を示す証拠とはなり得ない。
ウ さらに、乙第8号証ないし同第16号証は、各種組合等の証明書であるが、いずれの書面も同一の文章であることをみれば、証明者自らが作成した文書とは言い難く、あらかじめ商標権者にて作成した書面に記名・押印を依頼したとしか考えられない。
乙号証全体を検討すると、実際に使われている商標は「砂場」ではなく、「砂場そば」であると推認されるところである。
登録商標の使用について事情を知らない第三者は、商標権者から依頼があれば、余程のことでない限り、立場上、商標権者の用意した証明書に押印するものと考えられる。
したがって、乙第8号証ないし同第16号証では、本件商標「砂場」の使用証明とはならない。
乙第17号証ないし同第22号証は、いずれも「砂場そば」についてのものであり、本件商標「砂場」の使用証明とはならない。
3 被請求人の答弁
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第22号証を提出している。
(1)本件商標は、通常使用権者によって「そばのめん」について、本件審判請求前3年以内に継続して使用されている。
乙第1号証及び同第2号証の写真は、平成14年10月18日に撮影されたものである。
乙第1号証は、本件商標が通常使用権者の有限会社砂場によって「生そばめん」及び「ゆでそばめん」に使用されている状態の写真である。
この使用の事実は乙第8号証から乙第16号証の各証明書からわかるように各関係者によって証明されている。
次に乙第2号証の写真の「そばのめん」について使用の事実を立証する。
この乙第2号証の写真の「そばのめん」についての使用の事実は、乙第3号証ないし同第7号証、乙第17号証ないし同第22号証の証明書によって肯定される。
この乙第2号証ないし同第7号証の書証を精査すれば、本件商標が通常使用権者である「虎ノ門砂場」によって「そばのめん」について本件審判請求日以前で3年以内に使用された事実は明白である。
ここで付言すると、本件商標については「砂場会」という組織が作られており、この組織の会員のみが通常使用権者として本件商標を使用することが可能なのである。例えば、使用の事実の一例として示した前述の「虎ノ門砂場」がそうである。
さらに、乙第17号証ないし同第22号証の各証明書からも乙第2号証の写真に示した「砂場そば」が「そばのめん」について「虎ノ門砂場」によって使用されていることを認識理解できる。
(2)このように、本件商標が通常使用権者によって審判請求前3年以内にその指定商品である「そばのめん」について使用されている事実にいささかも疑う余地がない。
4 当審の判断
(1)商標登録原簿の記録によれば、本件審判請求の予告登録は、平成14年8月28日にされているものである。
(2)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 平成13年5月14日に、長野県須坂市所在の共和紙器印刷有限会社より東京港区所在の虎ノ門砂場に1830部納品された「そばのめん」の包装箱の表には、中央部に2列に大きく縦書きされた「砂場」と「そば」の両文字が、その左下部に「名代砂場」の文字が小さく表され(乙第3号証)、その裏には、品名欄に「干そば(砂場そば)」、内容量欄に「250g×3」、販売者欄には住所などと共に「名代砂場」と表示されていた(乙第4号証)。
また、平成13年12月27日に、長野県須坂市所在の木村印刷株式会社より東京港区所在の虎ノ門砂場に3600部納品された「そばのめん」の巻紙には、「名代砂場」などとともに「砂場そば」の文字がひときわ大きく縦書きされ(乙第5号証)、同じく同年4月19日に、1500部納品された「そばのめん」のしおりにも「名代砂場」、「砂場そば」の文字が縦書きされていた(乙第5号証)。
乙第3号証の「そばのめん」の包装箱は、乙第5号証の巻紙に巻かれた「そばのめん」が3把入る大きさであった(乙第2号証)。
イ 東京都港区所在の虎ノ門砂場は、平成14年7月26日に3把入りの「そばのめん」を20箱、愛知県名古屋市の岡田尚子に販売した(乙第7号証及び同第8号証)。
(2)上記事実によれば、本件審判請求の登録前3年以内に、東京都港区所在の虎ノ門砂場に納品された「そばのめん」の包装箱、巻紙及びしおりには、「砂場」と「そば」の両文字が2列に表され、あるいは「砂場そば」の文字が縦書きで表されていたところ、これらにおける「そば」の文字部分は「そばのめん」を表すものと容易に理解されるものである。また、これらには「名代砂場」の文字が表されていて、その構成中の「名代」の文字は、「名高いこと、有名」を意味する語、すなわち、その店舗を誇称する語として屋号、店名等に冠してしばしば使用されているところである。
そうすると、「そばのめん」の包装箱、巻紙及びしおりに表示されている「砂場」の文字は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められるから、これらには本件商標と社会通念上同一といい得る商標が使用されていたものと判断するのが相当である。
そして、虎ノ門砂場は、本件審判請求の登録前3年以内に、該本件商標の使用された「そばのめん」を愛知県名古屋市の岡田尚子に販売した事実が認められる。
また、上記虎ノ門砂場は、本件商標の商標権についての通常使用権者と認められ、これに反する証拠はない。
(3)以上によれば、本件商標は、通常使用権者により、本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、請求に係る指定商品に含まれる商品「そばのめん」について使用されていたものと判断するのが相当である。
(4)したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、本件審判請求に係る指定商品についての登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-10-07 
結審通知日 2003-10-10 
審決日 2003-10-21 
出願番号 商願昭31-8034 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (247)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 小林 薫
岩崎 良子
登録日 1956-11-01 
登録番号 商標登録第490850号(T490850) 
商標の称呼 1=スナバ 
代理人 綿貫 隆夫 
代理人 北村 欣一 
代理人 堀米 和春 
代理人 吉岡 正志 

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