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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない Z12
管理番号 1088447 
審判番号 不服2001-9657 
総通号数 49 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-06-08 
確定日 2003-10-29 
事件の表示 平成11年商標登録願第108489号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SELECT」の欧文字を標準文字とし、第12類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年11月26日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、同12年10月27日付け手続補正書により、「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶理由に引用した登録第4367616号商標(以下「引用商標」という。)は、「セレクト」の片仮名文字を標準文字とし、平成10年12月4日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同12年3月10日に設定登録がされたものである。

3 請求人の主張の要旨
請求人は、本願商標と引用商標の指定商品の類否について、以下のように主張している。
(1)「自動車並びにその部品及び附属品」と「消防車」の類否について
「自動車」と引用商標の指定商品中「消防車」とは、その生産部門、販売部門、用途・機能及び需要者の何れにおいても著しい差異を有するものであり、例え同一又は類似する商標が両商品に同時に使用されても、出所の混同を起こす恐れのないことから、両商品は互いに非類似と解されるべきものである。
なお、「自動車」と「消防車」が非類似の商品である以上、「自動車の部品及び附属品」と「消防車」もまた非類似であることは、論をまたない。
(2)「自動車の部品及び附属品」と「自動車用シガーライター」の類否について
本願の指定商品中「自動車の部品及び附属品」と引用商標の指定商品中「自動車用シガーライター」とは、その生産部門、販売部門、用途及び需要者の何れにおいても著しい差異を有するものであり、たとえ両商品に同一又は類似する商標が同時に使用されても、出所の混同を起こす恐れのないものであることから、両商品は互いに非類似と解されるべきものである。なお、「自動車の部品及び附属品」と「自動車用シガーライター」が非類似の商品である以上、「自動車」と「自動車のシガーライター」もまた非類似であることは、論をまたない。

4 当審の判断
(1)商標の類否について
本願商標と引用商標の構成は、それぞれ前記のとおりであるところ、その構成文字に相応して、共に「セレクト」の称呼を生ずるものと認められるから、両商標は称呼を同じくする類似の商標である。請求人も、この点については否定していない。
(2)指定商品の類否について
請求人は、本願商標の指定商品中の「自動車並びにその部品及び附属品」と、引用商標の指定商品中の「消防車,自動車用シガーライター」とは類似しない旨主張しているので、以下、これらの指定商品の類否について検討する。
(ア)商標法第4条第1項第11号において、商標登録出願に係る指定商品が、他人の商標登録に係る指定商品に類似する商品であるか否かを判断するにあたっては、取引の実情、すなわち、商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質・用途・機能、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品の関係にあるかどうか等を総合的に考慮することにより、互いの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者・需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断されるべきである。
その際、当該指定商品が、例えば、互いに生産部門、品質・用途・機能等を異にするものであっても、それらに同一又は類似の商標を使用すれば、同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同をされるおそれがある場合においても、両商品が互いに類似すると解するのを相当というべきである。そして、このことは過去の判決においても是認されているところである(最高裁判所 昭和33年(オ)第1104号 昭和36年6月27日判決言渡)。
以下、上記観点から、第12類に属する商品である「自動車並びにその部品及び附属品」と第9類に属する商品である「消防車」及び「自動車用シガーライター」との類否について検討する。
(イ)平成3年10月31日通商産業省令第70号をもって改正された商標法施行規則第6条別表によれば、「自動車並びにその部品及び附属品」は第12類に属する商品として例示され、「消防車」及び「自動車用シガーライター」は第9類に属する商品として各々例示されているが、政令で定める商品の区分と類似の範囲とは、互いに別のものであって(商標法第6条第3項)、商品の区分が異なることをもって商品が類似しないとすることはできない。
(ウ)「『商品及び役務の区分』に基づく 類似商品・役務審査基準」(平成4年3月23日発行 改訂第7版 社団法人発明協会発行)」によれば、特許庁は、「自動車並びにその部品及び附属品」(第12類)と「消防車、自動車用シガーライター」(第9類)を互いに類似する商品として扱っているところである。そして、この事実をもって上記商品が互いに類似するとの根拠とすることはできないが、一方において、この取り扱いが過去の判例や取引の実情を踏まえて決定されたものであることも否定し得ないところである。
(エ)「自動車」(第12類)と「消防車」とは、その用途において異なる点があるとしても、共に、原動機を装置し、その動力によって車輪を回転し、道路上を移動する自動車であるという点において共通するものである。この点については、道路運送車両法においても、「この法律で『自動車』とは、原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で、軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であって、原動機付自転車以外のものをいう。」と規定されており、両者とも、該法律に定められた登録手続きをし、自動車登録番号標の交付を受け、これを当該自動車に取り付けなければ運行できないとされているものであり、「消防車」は、法的にも「自動車」とされているところである。
そして、消防車を所有している地方公共団体、民間企業等においては、他の特殊用途車及び乗用自動車も同時に所有している場合が多いことからすれば、「自動車」(第12類)と「消防車」の需要者が共通する場合も決して少なくないというべきである。
また、両者は、相当な重量物を搭載して公道を走行する自動車としての構造、機能を持つものであり、そのシャシーは主要な部品となっており、消防車製造業者は、その自動車の基本的部分であるエンジン、駆動装置、タイヤ、運転席、フレーム等よりなるシャシー部分を一般的な自動車の製造業者から供給を受け、そのシャシーに消防機器等の機械器具を組み込み、消防車として最終製品に仕上げる製造方式がとられている場合が多いものとみられる。また、そのような製造方式で最終商品となった消防車は、その前面にシャシーを生産した自動車会社の商標が表示されることが一般的に行われているのが実情である。
(オ)本願商標の指定商品中の「自動車の部品及び附属品」に属する各種商品と引用商標の指定商品中の「自動車用シガーライター」とは、機能がそれぞれ異なるとしても、自動車の部品としての用途において共通するものであって、また、「自動車の部品及び附属品」と「自動車用シガーライター」とが同一の業者によって製造あるいは販売されている事実があり、さらに、自動車の修理業者においては、ほとんど全ての部品を取り扱っているというのがこの種商品の取引の実情といえる。
(カ)工業統計調査、生産動態統計調査等商品別の把握を必要とする諸統計の作成に使用されるほか、各企業、業界における商品コードの基準としても利用されている「日本標準商品分類(総務庁編集、財団法人全国統計協会連合会 平成8年9月第3版発行)」(以下「日本標準商品分類」という。)は、商品の生産・流通の実態に則し、その用途、機能、材料、成因を基準として作成されたものであるところ、これによれば、「消防自動車」(これは、引用商標の指定商品中の「消防車」と同種の商品と認められる。)と、「自動車用シガーライタ」について、以下のことが認められる。
(a)「消防自動車」について
「消防自動車」は、「中分類47-自動車及び二輪自動車(原動機付自転車を含む。)」の「完成自動車」として分類される商品「特殊用途車」として、「救急車」「医療保健車」「放送宣伝車」等と共に列挙されている。(「消防自動車」には、「特殊用途車」としての分類番号が付与されている。)
他方、「消防自動車」に関しては、その用途、機能等の面から「中分類41-保安・環境保全機器」の「消防用機械」に各種消防ポンプ自動車等も含まれるものとして一括して分類されている。(「消防ポンプ自動車」には、「消防用機械」としての分類番号は付与されておらず、前記「特殊用途車」としての分類番号が括弧書きで記載されている。)
上記分類からすると、「消防自動車」は、「消防ポンプ自動車」という用途、機能も持ち合わせていることから、「消防用機械」としても分類されているものの、商品の用途、機能等からみて、主体的には、より汎用性の大きい商品である「自動車(特殊用途車)」として取り扱われているものであるといえる。
(b)「自動車用シガーライター」について
「シガー・ライタ」は、日本標準商品分類の「中分類47-自動車及び二輪自動車(原動機付自転車を含む。)」中の「分類番号47 8 部品及び附属品」に、「ワイパ・アーム・ブレード及びリンク機構」、「ホーン及びブザー類」等の商品と共に記載されていることからすれば、「シガー・ライター」は、自動車の部品及び附属品の一つとされていることが認められる。
(c)「日本標準商品分類」が、前記のとおり、商品の用途、機能、材料、成因を基準として集約し、現状の取引業界等の商品の生産、流通の実態に合わせるべく作成されており、そこにおいて、「消防自動車」及び「自動車用シガーライター」が中分類である「自動車及び二輪自動車(原動機付き自転車を含む。)」に分類されていることは、前記「(ウ)」の特許庁の「類似商品・役務審査基準」と、商品をその属性に応じて整理し、まとめている点において共通の結論を導いているといえるものである。
(キ)以上によれば、本願商標の指定商品中の「自動車並びにその部品及び附属品」と引用商標の指定商品中の「自動車用シガーライター」、「消防車」とは、商品の用途、機能等の属性の観点、法律的な扱い、また、その製造業者、販売業者等の取引の実情等を総合し、そして、商標の使用の実情をも考慮して検討すれば、これらの商品に同一又は類似の商標を使用したときは、その商品の出所について混同するおそれのある、互いに類似する商品であるというべきである。
(3)してみれば、本願商標と引用商標とは、商標において類似し、かつ、上記認定のとおり、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品と類似する商品を含むものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-08-05 
結審通知日 2003-08-15 
審決日 2003-09-03 
出願番号 商願平11-108489 
審決分類 T 1 8・ 264- Z (Z12)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小田 明 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 宮川 久成
高橋 厚子
商標の称呼 セレクト 

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