• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117
管理番号 1086678 
審判番号 取消2002-30922 
総通号数 48 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-12-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2002-08-02 
確定日 2003-10-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第2620619号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2620619号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第2620619号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、昭和63年3月14日に登録出願され、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属する物を除く)」を指定商品として、平成6年2月28日に設定登録がされたものである。
そして、本件審判の予告登録は、平成14年8月28日にされている。

2.請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
<請求の理由>
本件商標の使用状況について請求人の調査したところによれば、本件商標は、継続して3年以上日本国において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないことが判明したので、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3.被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出している。
<答弁の理由>
本件商標は、審判請求に係る指定商品「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」について、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者又は使用権者により使用されている。
(1)乙第1号証は、本件商標の使用許諾を証明する書面の写し、乙第1号証の2はその日本語翻訳文であって、商標権者が、株式会社イングラム(以下「イングラム」という。)に対して、その所有する商標権について使用許諾(再使用許諾を含む)を行ったことを証する書面である。この使用許諾は1999年(平成11年)から現在まで有効に存続している。したがって、イングラムおよびその再使用許諾を受けた者は本件商標の正当な使用権者である。
(2)乙第2号証は、本件審判請求の登録前3年以内である2001年5月1日に、株式会社えい出版社(東京都世田谷区玉川台2-13-2所在)により、日本国内で発行された月刊雑誌「Lightning/ライトニング」の5月号の表紙及び第27ページの写しである。この第27ページの上部のノートン商品は、イングラム又はこれから再使用許諾を受けた本件商標の使用権者の業務に係る商品であり、当該商品の広告のために掲載したものである。
ここで、乙第2号証の第27ページの上部右側には、本件商標と同一(商標法第50条第1項にいう社会通念上の同一)の商標が胸の部分にプリントされたTシャツが表示されている。また、このTシャツは,本件審判請求に係る指定商品「被服(運動用特殊被服を除く)」に含まれるものである。
(3)乙第3号証及び乙第4号証は、本件審判請求の登録前3年以内から現在にかけて、イングラム又はこれから再使用許諾を受けた本件商標の使用権者が、販売しているトレーナーを写した写真である。このトレーナーも本件審判請求に係る指定商品「被服(運動用特殊被服を除く)」に含まれるものである。また、これら乙第3号証及び乙第4号証のトレーナーの襟首タグおよび付け札には、本件商標と同一(商標法第50条第1項にいう社会通念上の同一)の商標が付されている。
(4)以上、本件商標は、審判請求に係る指定商品「被服(運動用特殊被服を除く)」について、審判請求の登録前3年以内である2001年5月1日に、日本国内において、使用権者により使用されているので、商標法第50条第1項の規定には該当しない。

4.当審の判断
(1)本件商標は、構成後掲のとおり「二重輪郭細線内に、多数縦細線で白抜きした部分と黒塗部分とを上下左右対象にした円状図形、さらに、多数横細線で『N』の字形を表した図形内に、『Norton』の変形文字を順次重ねるように描いた図形」(以下「図形部分」という。)と、その右側にかご字風の「Norton」の変形文字(以下「文字部分」という。)とを結合した商標である。
そして、商標法第50条による商標登録の取り消し審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該登録商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取り消しを免れないものであって、同項で規定するところの「登録商標の使用」とは、その請求に係る指定商品についての登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)ほか、同一と認められる範囲(例えば、商標の要部でない附記的な部分を多少変更して用いるとか、横書きの文字部分を縦書きにして用いるとかの場合)にあると解される。
(2)これを本件についてみるに、被請求人が本件商標の使用であると主張し提出した月刊雑誌「Lightning/ライトニング」の5月号(乙第2号証)の第27ページの上部のノートン商品とする当該商品の広告を掲載した箇所には上記と同一態様になる「Norton」の欧文字(以下「本件使用商標」という。)をもって、審判請求に係る指定商品「被服(運動用特殊被服を除く)」に含まれる商品「Tシャツ、パーカ」の紹介がされていることは認められる。また、同様にトレーナーを写した写真(乙第3号証及び乙第4号証)にも同一態様になる「Norton」の欧文字が使用されていることが認められる。
しかしながら、本件商標は、前記のとおり、図形部分と文字部分との結合からなるものであって、その結合状態は図形部分と文字部分がまとまりよく一体的に表されていて、その構成中の図形部分ないしこれの中央に描かれた「Norton」の欧文字を除いた図形が、その指定商品との関係において、商標の要部でない附記的な部分とも認め難いところであり、かつ、本件使用商標と本件商標とは図形部分の有無という点で明かな構成態様上の差異を有する別異の商標というのが相当である。そうすると、本件使用商標と本件商標とは社会通念上同一の商標ということはできないから、該月刊雑誌の広告掲載箇所(乙第2号証)及び該写真(乙第3号証及び乙第4号証)における商標の使用をもって本件商標の使用とすることができない。
したがって、これらの証拠によっては、本件商標が本件取り消し請求にかかる商品について使用されていたものとは認められない。
その他、本件商標がその指定商品について使用されていることを示す証拠はない。
(3)してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者等により本件取り消し請求にかかる商品について使用されていたものとは認めることはできず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められない。
このほか被請求人の主張をもって、本件審判の取消請求に係る指定商品についての使用は証明されない。その他前記認定を覆すに足りる証拠はない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 <後掲>
本件商標


審理終結日 2003-05-08 
結審通知日 2003-05-13 
審決日 2003-06-06 
出願番号 商願昭63-28292 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (117)
最終処分 成立  
前審関与審査官 尾原 静夫山田 清治佐藤 正雄 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 山下 孝子
高野 義三
登録日 1994-02-28 
登録番号 商標登録第2620619号(T2620619) 
商標の称呼 ノートン 
代理人 橋口 泰典 
代理人 西出 眞吾 
代理人 前田 均 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ