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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 028
管理番号 1078359 
審判番号 審判1998-7975 
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-05-20 
確定日 2003-05-16 
事件の表示 平成5年商標登録願第41229号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第28類「ゴルフ用具,その他の運動用具」を指定商品として、平成5年4月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原審において登録異議の申立てがあった結果、原査定は「登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、自己の業務に係る商品「スノーボード,スノーボードブーツ,スノ一ボードバインディング」等に使用する商標「BURTON」(以下「引用商標」という。)は、本願商標の登録出願時において既に申立人会社及びその創始者である「ジェイク・バートン」の推奨に係るスノーボード等を表示するものとして、発祥地アメリカ合衆国をはじめ、我が国を含む世界各国のこの種取引者、需要者間に広く認識されるに至っていたものであることが認められる。しかして、本願商標は、飛翔している鳥のシルエット図形の右下に「BURTON HORN」の文字を横書きしてなるものであるが、全体として特定の観念を生ずるものとも認められず、また、文字部分も「BURTON」と「HORN」が分離されて横書きしてなるところ、前半の「BURTON」が、申立人が商品「スノーボード,スノーボードブーツ,スノーボードバインディング」等に使用し著名な「BURTON」と構成を同一にするから、これをその指定商品について使用するときは、該商品があたかも申立人の業務に係る商品、あるいは申立人と何等かの関係ある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。したがって、他の申立理由について論ずるまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するものとする本件登録異議の申立ては、理由があるものとすべきである。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張の要旨
(1)「BURTON」はアメリカ人やアングロサクソン系ヨーロッパ人の一般的な名前であり、ニューヨーク市やボストン市の電話帳にも多くの名前が掲載されている(甲第1号証)。
(2)ヨーロッパで「BURTON」といえばイギリスの「バートン・メンズウエア」ストア一として有名であり、日本でも有名で日本人観光客の買い物も盛んである(甲第2号証)。
(3)日本で「BURTON」の商標としては長年「東洋ゴム工業株式会社」の「靴」が有名である(甲第3号証)。そのため、請求人が「商標登録異議答弁書」で説明したように「ザ・バートン・コーポレーション」が日本の登録商標「BURTON」について強引な買収交渉した時に唯一あきらめた登録商標はこの「旧第22類」である。
(4)「ザ・バートン・コーポレーション」の「BURTON」関連商品は、一般のデパートやスーパー等では全く売られておらず、スキー専門店でのみ販売されているものであり特殊な愛好家が購入しているだけである。
(5)「ザ・バートン・コーポレーション」は日本で自己の商品「スノーボード」の商標権を所有していない。
(6)現在、「BURTON」の商標「旧第24類」(新第28類該当)を所有し、使用しているのはアメリカのBURTON GOLF社であり、この会社は、はるか以前より日本で「ゴルフ用品」の販売店として知られている。日本で「BURTON」といえば「ゴルフ用品」と評価されるのが一般的である。同社が日本国内で「旧第24類」(スポーツ用品)の商標登録出願を行ったのは1976年(昭和51年)2月16日であり(甲第4号証)、「ザ・バートン・コーポレーション」がアメリカで事業を行った以前より商標活動していたことになる。
(7)請求人の登録商標(登録第4012331号)における申立人(ザ・バートン・コーポレーション)の「異議申立書」に添付された資料を見る限り、「Jake Burton(ジェイク・バートン)」氏がマンハッタンの銀行を脱サラしたのは1977年の23才の時であり、実際に「ザ・バートン・コーポレーション」を設立し、飛び立ち始めたのは1981年とされている。また、日本に新会社「Burton Snowboards Japan」を設立したのは1995年1月1日となっている(甲第5号証)。
(8)アメリカ本国でも「ゴルフ」の「BURTON GOLF」社と「スノーボ一ド」の「BURTON SNOWBOARD」社は会社規模も拮抗しており、アメリ力本国では両社がそれぞれ知られ、認知されている(甲第8号証)。

4 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「BURTON HORN」の文字と、「BURTON」の文字の左上に黒塗りの飛翔している鳥の図形を配してなるものである。
しかるところ、申立人が提出した甲第3号証、甲第6号証ないし甲第9号証、甲第11号証ないし甲第19号証、甲第32号証ないし甲第54号証、甲第58号証ないし甲第61号証及び甲第63号証によれば、申立人及びその創始者であるジェイク・バートン・カーペンター(Jake Burton Carpenter)は、スノーボードのパイオニアとして広く知られており、申立人がそのスノーボードに使用している引用商標「BURTON」及びその片仮名表記の「バートン」は、我が国においても、本願商標出願時である平成5年4月26日までには、その商品の需要者である若者を中心とする一般消費者の間で、申立人の出所を示す商標として広く知られるに至っており、著名性を獲得したことを認めることができる。そして、その状態は現在に至っても継続しているものと推認できる。
また、本願商標の指定商品は、「ゴルフ用具,その他の運動用具」であり、スノーボード、スノーボード用バインディング、スノーボードケース等のスノーボードに関係した商品を含むものと認められる。
そうすると、請求人が本願商標をその指定商品中の上記のスノーボードに関係した商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、申立人の著名な引用商標と共通の「BURTON」の文字に着目し、申立人の使用に係る商標を連想、想起し、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとくその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
ところで、請求人は、「BURTON」はアメリカ人やアングロサクソン系ヨーロッパ人の一般的な名前であること、ヨーロッパで「BURTON」といえばイギリスの「バートン・メンズウエア」ストア一として有名であること、日本で「BURTON」の商標といえば、「東洋ゴム工業株式会社」の「靴」で有名なこと、また、我が国において、「BURTON」の商標を所有し、使用しているのはアメリカのBURTON GOLF社であり、日本で「ゴルフ用品」の販売店として知られている旨等を主張し、証拠提出しているが、そのような事実があるとしても、それが、上記のスノーボードに関係した商品につき申立人によって使用される引用商標の周知性が失われるということに結び付かない限り、本願商標を付した商品と引用商標を付した商品との間の出所の混同のおそれの有無の判断が影響を受けることはあり得ない。ところが、請求人提出の全証拠によっても、申立人以外の者が「BURTON」商標を使用していることによって引用商標の周知性が失われたという事実を認めることはできない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

審理終結日 2003-03-06 
結審通知日 2003-03-18 
審決日 2003-03-31 
出願番号 商願平5-41229 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (028)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田代 茂夫金子 茂 
特許庁審判長 上村 勉
特許庁審判官 中田みよ子
鈴木 新五
商標の称呼 バートンホーン、バートン、ホーン、バート、バートンホルン 

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