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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z37 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z37 |
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管理番号 | 1076908 |
審判番号 | 不服2001-11904 |
総通号数 | 42 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-06-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-07-10 |
確定日 | 2003-05-06 |
事件の表示 | 商願2000-1635拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標は、「アーチフレーム」の片仮名文字を横書きしてなり、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,防水工事,機械器具設置工事,地滑り工事,岩盤崩落防止工事,擁壁工事,地滑りアンカーボーリング工事,地滑りアンカーケーブル加工工事,土木一式工事に関する助言・媒介・取次,土木機械器具の修理又は保守,土木機械器具の貸与」を指定役務として平成12年1月14日に登録出願されたものである。 2 原査定における拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『アーチフレーム』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中『アーチ』は弓形・弧型の意味を有する語であり『フレーム』は枠などの意味を有する語であるから、本願商標は『弓形の枠』の意味合いを看取するにすぎず、これをその指定役務について使用しても単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、判断して本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)本願商標は、「アーチフレーム」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、前半の「アーチ」は、「建造物における開口部の上部の弓形をした部分、また、その形をもった建造物」等を意味する外来語(「日本語になった外国語辞典」株式会社集英社1994年3月15日発行)であり、また、その構成中の後半の「フレーム」は、「骨組、構成、わく」等を意味する外来語としてそれぞれ親しまれている語である。 そして、「アーチフレーム」の語は、新聞記事情報及びインターネットのホームページ情報によれば、以下のように普通に用いられていることが認められる。 (ア)鹿島、世界最大の木造膜建物「出雲ドーム」が完成、鹿島が島根県出雲市に建設を進めていた木造膜建築物「出雲ドーム」が29日竣工した。市制50周年記念事業の目玉として鹿島が受注したもので、集成材とスチールで構成するハイブリッドアーチフレームにテフロン膜を固定した。直径は143メートル、高さ49メートルの円形ドームで、世界最大の木造膜建物となる。・・・「出雲ドーム」は、36本の大断面集成材アーチを中心から放射状に設置した構成を採用した。板を接着剤で積層した部材(幅82センチメートル、高さ92センチメートル)をスチール材とワイヤーで組み立てている。アーチ組み上げは、地上に設置した集成体を中心部で押し上げるプッシュ・アップ工法を採用した。(1992.04.30 化学工業日報 8頁化学工業日報社) (イ)本州製紙富士工場で抄紙機が記念碑に・・・富士工場は明治三十九年、板紙工場として建設され、円網抄紙機(米国製)の一号機が同四十一年、二号機は同四十三年に稼働を始めた。・・・記念碑は高さ二・五メートル、幅三・四メートル。抄紙機が設置されていた建物のれんがを台座に、紙を乾かす直径九一・四センチ、長さ百八十四センチのドライヤー(乾燥筒)二本とアーチフレームを組み合わせたもので、「一九〇二年、米国オハイオ州ハミルトンでブラックローソン社が製造した」との銘が入っている。(1990.01.06 朝刊 19頁 静岡新聞社) (ウ)建材第二事業部・・・法面工事、モルタル・コンクリート吹付工事 吹付法枠工事 法面緑化工事 落石防止網設置工事 さく井工事 アンカー工事 各種特殊工法 ハンチフレーム工法・アーチフレーム工法・・・(http://www.joho-yamaguchi.or.jp/sanyu/kenzai.htm) (エ)アーチフレーム工法は、環境時代の法枠工法です。利便性優先の時代は終わりました。21世紀のインフラストラクチャー・デザインとしておすすめします。・・・アーチフレーム工法は、法面保護で優先される力学性に加え、さらに古来からの美的要素の一つであるアーチ曲線により芸術性を加味した理想的、画期的な工法であり、まさしくわたしが探し求めていた工法です。法面を強く美しくそして優雅に護ってくれることを強く期待しています。日本環境土木工業会(http://www.nikkankou.gr.jp/arch/arch.html) (オ)アーチフレームは、エキスパンドメタル等の金網と鉄筋を使用して工場で組立加工されたアーチフレームユニットを現場斜面に設置し、コンクリートを打設あるいは吹き付けて施工されるアーチ状の法枠です。SHS永久アンカーやSHSロックボルト等と併用して使用することにより、さらに安定した法枠となり、アーチ状のフレームに緑化植栽することにより、さらに美しい景観を醸し出します。また、老朽化した吹付けフレームを美しく蘇らせることもできます。(http://www.kke-jp.com/hp/htm/kohou/archframe.htm) (カ)北海道内に建築する集成材3ヒンジ山形アーチフレームの倉庫用途の建物を想定して、本プログラムを使用し、断面表を作成した。(http://www.htokai.ac.jp/DA/wtnb/staff/semi96/semi96k.html) (2)以上によれば、「アーチフレーム」の文字よりなる本願商標からは、「アーチ型のフレーム(枠)」との意味合いが容易に理解、認識されるものであり、また、アーチ型フレームを用いた工法がアーチフレーム工法と称されている事実も認められる。 そうとすれば、「アーチフレーム」の文字よりなる本願商標をその指定役務中「土木一式工事」等の役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、提供に係る役務がアーチフレーム工法等のアーチ型のフレーム(枠)を利用した工事であること、つまり、役務の質を表したものと理解、認識させるに止まり、これをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。 また、上記に照応した役務以外の役務に使用した場合には、当該役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。 (3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号及に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-02-25 |
結審通知日 | 2003-03-03 |
審決日 | 2003-03-24 |
出願番号 | 商願2000-1635(T2000-1635) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(Z37)
T 1 8・ 13- Z (Z37) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 内田 直樹 |
特許庁審判長 |
上村 勉 |
特許庁審判官 |
中田みよ子 鈴木 新五 |
商標の称呼 | アーチフレーム |
代理人 | 加藤 誠 |