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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 117 |
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管理番号 | 1066192 |
審判番号 | 取消2001-30937 |
総通号数 | 35 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-11-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2001-08-27 |
確定日 | 2002-09-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第0744043号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第744043号商標(以下「本件商標」という。)は、「OUI」の欧文字「ウイ」の片仮名文字を上下2段に書してなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和40年10月19日に登録出願、同42年5月31日に設定登録、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張 請求人は、「商標法第50条第1項の規定に基づき本件商標の登録はその指定商品中『被服、布製身回品』について取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申立て、その理由を以下のように述べている。 請求人の調査によると、本件商標は、商標権者によって商品「被服、布製身回品」について日本国内で継続して3年以上使用されていない。また、本件商標については専用使用権は設定されていない。加えて、通常使用権も登録されていないことから、通常使用権者も存在しないことが推認できる。 したがって、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取消を免れない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証(枝番号を含む)を提出した。 (1)本件商標は指定商品「被服」に属する商品に関し、平成10年より使用許諾先である岸部毛織株式会社およびその系列会社であるケイエスビー株式会社(以下、「通常使用権者」という)により、現在に至るまで継続して使用されている。 被請求人は本件商標について、通常使用権者に平成10年から現在に至るまで通常使用権を許諾している。先ず、平成10年2月1日付けにて本件商標を指定商品全部を範囲とする「契約書」を被請求人と通常使用権者間で締結した(乙第1号証)。これは平成12年1月31日にて2ヵ年の有効期間をもって終了するため通常使用権者から書簡で更新の意思を伝え、期間を2000年[平成12年]2月1日から2002年[平成14年]1月31日と明示しており、被請求人は請求書にその期間を記載した発行を持って両社合意の成立が確認でき、現に継続している(乙第2号証-1)(乙第2号証-2)。 通常使用権者は、被請求人から本件商標の使用許諾を受けたことに基づきその指定商品の範囲に含まれる「Tシャツ、寝巻き類、下着、靴下、マフラー」(以下「本商品」という)の健康生活総合カタログを平成10年10月より発行し、本商品のアイキャッチとしてその系列会社の社名に併記しひとつのマークとして本件商標を使用している。被請求人は本件商標が継続的に使用されていることの証しとしてカタログおよび関係書類を提出する。 ・健康生活総合カタログ Vol.5(乙第3号証-1)1998年[平成10年]10月発行と、その見積明細書(乙第3号証-2) ・健康生活総合カタログ Vol.6(乙第4号証-1)1999年[平成11年]11月発行と、その見積明細書(乙第4号証-2)と、その請求書(乙第4号証-3) ・健康生活総合カタログ Vol.7(乙第5号証-1)2000年[平成12年]8月発行と、その制作費印刷費御見積書(乙第5号証-2)と、その請求書(乙第5号証-3) ・健康生活総合カタログVol.8(乙第6号証-1)2001年[平成13年]8月発行と、その御見積書(乙第6号証-2) これらカタログの発行時期は裏表紙右下にコードで表示されており、例えば「TS9810-20」は1998年[平成10年]10月発行であることを表示している。 (2)更に本商品の一部であるカシミヤ高級肌着のリーフレットを提出する(乙第7号証)。ここの右上に本件商標の表示がありさらに中央の化粧箱の写真においても、本件商標を大きく使用している。また本件商標がその指定商品の一部であるカシミヤ高級肌着に使用されていることは明確である。左上に『健康生活』健康生活カタログVol.6と記載がある通りVol.6と同時期(1999年)に使用されていたものである。 (3)通常使用権者は上記総合カタログ、リーフレットにおいて個々の商品の商品名の記載は、「二層冬用肌着」や「婦人ストッキング」という一般名称による表記を行っている。この総合カタログ、リーフレットにおいて自他商品の識別機能を果たしているのは、その系列会社の社名に併記しひとつのアイキャッチマークとして使用されている本件商標であるとするのが自然である。 更に、通常使用権者は前述の総合カタログ、リーフレットを作成するにあたり 取り扱い商品の商品商標として権利を確保する必要があると考え調査したところ、被請求人の権利に抵触することがわかり、本件商標の使用許諾を受け前述の総合カタログ、リーフレットに本件商標を表示しているものである。 これら以上の事実の通り本件商標は指定商品について本件審判請求登録前3年以前より現在に至るまで継続して使用されていることは、別添各号証より明白であるから、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。 4 当審の判断 被請求人の答弁並びに証拠として提出された乙号証について検討するに、請求人は岸部毛織株式会社に対し、本件商標の指定商品全部につき通常使用権を許諾しその契約は現在に至るも有効に継続していることは、乙第1号証ないし同第2号証-2記載のとおりである。 また、岸部毛織株式会社とケイエスビー株式会社とは系列会社の関係にあることは、乙第3号証-1(カタログ41頁記載)から分かる。このカタログは前記2社による本審判請求の登録前3年以内の使用であることが、裏表紙に「TS9810-20」と記載され請求人が答弁の中で言及し、かつ、見積明細書(乙第3号証-2)に記載された日付から、これを認めることができる。 そして、カタログの表紙及び裏表紙に本件商標とは若干その態様が異なるところがあるものの、社会通念上同一と認めうる標章が表示されており、取消請求に係る指定商品「被服、布製身回品」に含まれる「Tシャツ、寝巻き類、下着、靴下、マフラー」が写真などで掲載されている。 そうとすると、被請求人の通常使用権者及びその系列会社によって、本件商標は、取消請求に係る商品について、本件審判請求の登録前3年以内に使用していたものといわざるを得ない。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。 したがって、本件商標は商標法第50条の規定により、その指定商品中の「被服、布製身回品」についての登録を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-04-16 |
結審通知日 | 2002-04-19 |
審決日 | 2002-05-02 |
出願番号 | 商願昭40-48850 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(117)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
小林 薫 |
特許庁審判官 |
大川 志道 岩崎 良子 |
登録日 | 1967-05-31 |
登録番号 | 商標登録第744043号(T744043) |
商標の称呼 | ウイ、オオユウアイ |
代理人 | 前田 純博 |
代理人 | 足立 泉 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 森川 正仁 |
代理人 | 柳生 征男 |