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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W093742
管理番号 1421545 
総通号数 40 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2025-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-10-30 
確定日 2025-04-15 
事件の表示 商願2023−95352拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続経緯
本願は、令和5年8月28日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 3月25日付け:拒絶理由通知書
令和6年 4月30日受付:意見書
令和6年 9月 2日付け:拒絶査定
令和6年10月30日 :審判請求書

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第1387142号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、2017年(平成29年)9月5日に国際商標登録出願、第9類、第42類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2019年(令和元年)11月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「ELMES」の欧文字を上方に、握手する手を模した図形を下方に表してなるところ、文字部分と図形部分は、重なることなく、視覚上分離した態様で配置されているから、それぞれが独立した印象を与えるものであって、かつ、称呼及び観念における関連性も見いだせないものであるから、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないし、ほかに各構成部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
そうすると、本願商標の文字部分と図形部分は、それぞれが独立して自他商品役務の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得るものである。
そして、本願商標の構成中の「ELMES」の文字部分は、一般的な辞書に載録がないものであるから、特定の意味合いを認識、理解させるものとはいえず、発音を特定しがたいものであるが、造語からなる欧文字にあっては、ローマ字読み又は英語読み風に発音するのが一般的であるところ、その構成文字に相応して、「エルメス」又は「エルムズ」と発音し得る。
一方、図形部分は、握手する手を模した図形からなるものの、抽象化して表された図形であって、直ちに特定の事物を想起させるものではないから、特定の称呼及び観念は生じない。
以上を踏まえると、本願商標は、構成中の「ELMES」の文字部分に相応して、「エルメス」、「エルムズ」の称呼を生じ得るが、文字部分及び図形部分からは、特定の観念を生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲3のとおり、羽の装飾のある帽子を模した図形を左上に、その右下に、「ERMES」の欧文字を大きく上段に、「CYBER SECURITY」の欧文字を小さく下段に、横幅をそろえて二段に表してなるところ、文字部分と図形部分は、重なることなく間隔を空けて、視覚上分離した態様で配置されているから、それぞれが独立した印象を与えるものであって、かつ、称呼及び観念における関連性も見いだせないものであるから、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないし、ほかに各構成部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
そうすると、引用商標の文字部分と図形部分は、それぞれが独立して自他商品役務の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得るものである。
そして、引用商標の構成中の「ERMES」の文字部分は、一般的な辞書に載録がないものであるから、特定の意味合いを認識、理解させるものとはいえず、発音を特定しがたいものであるが、造語からなる欧文字にあっては、ローマ字読み又は英語読み風に発音するのが一般的であるところ、その構成文字に相応して、「エルメス」、「アームズ」、「アーメス」等と発音し得る。また、「CYBER SECURITY」の文字部分は、「サイバー攻撃に対する防御行為」の意味を有する「サイバーセキュリティ」(「デジタル大辞泉」小学館参照)の英語表記であるところ、引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類「Computer software and hardware for digital security」等及び第42類「monitoring of computer systems for security purposes」等との関係では、サイバー攻撃に対して防御する商品や役務といった商品の品質及び役務の質を表すものであるから、自他商品役務の識別標識としての機能がないか又は極めて弱い部分であるといえる。
一方、図形部分は、羽の装飾のある帽子を模した図形からなるものの、直ちに特定の事物を想起させるものではないから、特定の称呼及び観念は生じない。
したがって、引用商標は、その構成文字全体から生じ得る「エルメスサイバーセキュリティ」等の称呼の他、大きく表された「ELMES」の文字部分に相応して、「エルメス」、「アームズ」、「アーメス」等の称呼を生じ得るが、文字部分及び図形部分からは、特定の観念を生じない。
(3)本願商標と引用商標の比較
本願商標と引用商標を比較すると、外観において、その構成全体としては、図形部分及び「CYBER SECURITY」の欧文字部分の有無により顕著な差異があることに加え、本願商標の「ELMES」と引用商標の「ERMES」の文字部分についても、第2文字目における「L」と「R」の文字が異なるものであり、いずれも5文字という少ない構成文字数において、当該差異が与える影響は、決して小さくないといえるため、両商標は、外観において相紛れるおそれはないものである。
また、称呼においては、本願商標が「エルメス」又は「エルムズ」の称呼を生じ得るのに対して、引用商標は、「エルメス」、「アームズ」、「アーメス」、「エルメスサイバーセキュリティ」等の称呼を生じ得るものであるところ、両商標は、複数生じ得る称呼のうちの一つの称呼「エルメス」が共通する場合があり得るが、その他の称呼はいずれも聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本願商標と引用商標のいずれからも、特定の観念が生じるものではないから、両商標は、観念上、比較することはできない。
以上によれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較することはできないものの、外観において相紛れる恐れはなく、称呼において複数生じ得る称呼のうちの一つの称呼が共通する場合があり得るにすぎず、その他の称呼はいずれも聴別し得るものであるから、その外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すると、両商標は、商品又は役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、その指定商品及び指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消を免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲

別掲1 本願商標


別掲2 本願商標の指定商品及び指定役務
第9類「光学機械器具,測定機械器具,傾斜計,圧力計,振動計,測量機械器具,温度計,ひずみ計,荷重計,地盤の変位測定機器,光学計測装置,測定用光検出器,計測機械器具,データロガー,検出器,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,遠隔監視により計測したデータを保存し且つ要求に応じて保存データを送信する機能を有する情報収集端末装置,電子応用機械器具及びその部品」
第37類「建設工事,測定機械器具の設置工事,建設工事に関する助言,測定機械器具の修理又は保守」
第42類「測量,地質の調査,測定機械器具の設計,測定機械器具に関するエンジニアリング,建築又は都市計画に関する研究,土木に関する試験又は研究,土木・建築等に関する試験・データ解析又は計測に関する助言,環境モニタリング,建築の分野に関する調査,品質試験,機械器具に関する試験又は研究,計測器の貸与,電子計算機用プログラムの提供」

別掲3 引用商標



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審決日 2025-04-01 
出願番号 2023095352 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W093742)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 大島 勉
特許庁審判官 吉沢 恵美子
真鍋 伸行
商標の称呼 エルメス 
代理人 山口 真二郎 

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