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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W30
管理番号 1421442 
総通号数 40 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2025-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-04-21 
確定日 2025-04-01 
事件の表示 商願2020−94689拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和2年7月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年7月16日付け:拒絶理由通知書
令和3年11月29日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年1月21日付け:拒絶査定
令和4年4月21日 :審判請求書の提出
令和5年4月27日付け:証拠調べ通知書
令和5年6月7日 :意見書の提出

第2 本願商標
本願商標は、「いまびき」の平仮名を横書きしてなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、登録出願され、その後、指定商品については、上記第1の手続補正書により、第30類「食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼き肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,うま味調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,籾のまま貯蔵し出荷直前に精米した米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用グルテン,食用粉類」とされたものである。

第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「いまびき」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものである。
そして、米の分野においては、「籾のまま貯えていた米を、必要の時ごとに、籾摺りして玄米にするもの。」を「今挽米(いまびきまい)」と称しており、このような米を、「今挽」や「今挽き」等と略称している例が少なからず認められる。
そうすると、本願商標を構成する「いまびき」の文字は、その指定商品中「米」との関係においては、上記「今挽米」を平仮名で表したものと無理なく認められるものである。
そのため、本願商標を、その指定商品中「籾のまま貯蔵し出荷直前に精米した米」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「今挽米」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるものとみるのが相当である。
また、上記認定によれば、本願商標を指定商品中「今挽米以外の米」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

第4 当審における証拠調べ通知及びこれに対する請求人の意見
当審において、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1及び別掲2のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めたところ、請求人は、別掲1及び2の事実は、いずれも「いまびき」の文字に関するものではないことなどから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断に用いられるべきではない旨の意見を述べた。

第5 当審の判断
本願商標は、「いまびき」の平仮名を横書きしてなるところ、これは辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを認識させるものではない。
ところで、「籾のまま貯えていた米を、必要の時ごとに、籾摺りして玄米にするもの。」は「今摺米」(いまずりまい)とも呼ばれるところ、「今挽米」(いまびきまい)はこれと同義語である(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)。
また、食品を取り扱う業界において、製造方法を示す語と商品の普通名称を組み合わせた文字が、商品の種類を示す語として一般に使用され、その中には、商品の普通名称を表す文字を省略し、商品の品質、特徴を指称する語として使用されている事実(別掲1)や、「今摺米」「無洗米」「分つき米」「真空パック米」「アルファ米」といった種類の商品が存在しており、それらの文字から商品の普通名称である「米」の文字を省略したものが、商品の品質、特徴を指称する語として使用されている事実(別掲2)がある。
しかしながら、本願の指定商品を取り扱う業界において、「今挽米」及び「いまびきまい」の文字が、「籾のまま貯えていた米を、必要の時ごとに、籾摺りして玄米にしたもの」を認識させるという取引の実情や、「今挽き」及び「いまびき」の文字が、「籾のまま貯えていた米を、必要の時ごとに、籾摺りして玄米にすること」を認識させるという取引の実情は見当たらない上、これらの文字が、商品の具体的な品質等を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する需要者が、これらの文字を商品の品質等を表示したものと認識するという取引の実情も見当たらない。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質等を表示するものではなく、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれはない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しないから、これらを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願の指定商品中「籾のまま貯蔵し出荷直前に精米した米」を含む食品を取り扱う業界において、製造方法を示す語と商品の普通名称を組み合わせた文字が、商品の種類を示す語として一般に使用されているところ、その中には、商品の普通名称を表す文字を省略し、商品の品質、特徴を指称する語として使用されている例(下線は、合議体による。以下同じ。)
1 キーコーヒーのウェブサイトにおける2018年11月14日付けの「深煎り・中煎り・浅煎りの違いとは?コーヒーの味わいやおすすめの飲み方」というタイトルの記事には、「深煎りコーヒーの味わいの特徴」の見出しの下、「深煎りコーヒーの最大の特徴は苦味。・・・酸味については、ほとんど感じることはありませんが、酸味が魅力のコーヒー豆であれば、深煎りにすることですっきりとした味わいに変化。酸味が苦手な方は、深煎りコーヒーであれば飲みやすく感じるでしょう。」の記載が、「中煎りコーヒーの味わいの特徴」の見出しの下、「市販のレギュラーコーヒーやホットコーヒーとして提供されているものであれば、中煎りであることが多いです。中煎りコーヒーの特徴は豆本来の味わいを感じやすいことにあります。」の記載が、「浅煎りコーヒーの味わいの特徴」の見出しの下、「浅煎りコーヒーの味わいのメインは酸味です。・・・浅煎りコーヒーは酸味をより感じられる焙煎度合いです。コーヒーの苦味を感じずに爽やかでフルーティーな味を楽しみたいのであれば、浅煎りコーヒーがぴったりです。」の記載がある。(https://www.keycoffee.co.jp/shallwedrip/coffeeknowledge/dark-roasted-coffee/)
2 ミツカングループのウェブサイトにおける「お酢の分類」というタイトルの記事には、「醸造酢」の見出しの下、「穀類、果実、野菜、その他農産物、はちみつ、アルコール、砂糖類を原料に酢酸発酵させた液体調味料であって、かつ、氷酢酸または酢酸を使用していないもの」の記載が、また、「合成酢」の見出しの下、「氷酢酸または酢酸の希釈液に砂糖類等を加えた液体調味料、もしくはそれに醸造酢を加えたもの」の記載がある。
(https://www.mizkan.co.jp/osu-information/osu/class.html)
3 職人醤油のウェブサイトにおける「本醸造・混合・混合醸造/醤油の製法による3分類」というタイトルの記事には、「醤油の製法による3分類」の見出しの下、「本醸造」「混合醸造」「混合」の記載がある。また、「ラベルに表記されています」の見出しの下、「これらは商品ラベルに表記されていて、「こいくちしょうゆ(本醸造)」「うすくちしょうゆ(本醸造)」のように名称部分に醤油の種類+(本醸造or混合醸造or混合)と記載されています。」の記載がある。また、同ウェブサイトには、本醸造製法で製造された醤油について「本醸造醤油」、混合製法で製造された醤油について「混合醤油」、混合醸造製法で製造された醤油について「混合醸造醤油」の記載もある。
(https://www.s-shoyu.com/knowledge/0312)
4 月桂冠のウェブサイトにおける「吟醸、純米、本醸造とは、どのような酒ですか?香り・コク、特定名称の各製法で生み出される特徴ある酒質」というタイトルの記事には、「「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」は特定名称酒と呼ばれ、それぞれの呼称を商品に表示するための原料・製造方法などの条件が定められています。各製法には特徴があり、「吟醸酒」は、4割以上精白(精米歩合60%以下に)した白米を原料に用い、低温(5〜10度ほど)で長期間(およそ30日以上)発酵させるなど、特別に吟味して製造します(吟醸造り)。「純米酒」は、米・米こうじ・水を原料に製造し、醸造アルコールは使用しない酒です。「本醸造酒」は、3割以上精白(精米歩合70%以下に)した白米を原料に用いて造ります。製法による特徴が酒質に表れ、多くの商品では、吟醸酒は華やかな香りと淡麗ですっきりした上品な味わい、純米酒は旨味やコク、ふくよかさなどの特徴が強く出た比較的濃醇なタイプ、本醸造酒は純米酒に近い風味を持っています。」の記載がある。
(https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/sake/type/type01.html)
5 日清製粉会員制業務用お役立ちサイト 創・食Clubのウェブサイトにおける「かつてない味わいを、こだわりの素材と新製法で。日清製粉 石臼挽き小麦粉「ロレンス」」というタイトルの記事には、「特徴1 独自の石臼挽き製法」の記載がある。
(https://www.e-sousyoku.com/pages/guest/item/catalog/lawrence/index.html)
6 かも手延素麺株式会社のウェブサイトにおける「こむぎ博士の手延べ麺講座」というタイトルの記事には、「製法による麺の違い」の見出しの下、「手延べ麺」「手打ち麺」「機械麺」の記載がある。
(https://kamote.co.jp/college/course_03.php)
7 株式会社 明治のウェブサイトにおける「子どもたちが大好き!人気の給食レシピ」のページにおける「昔なつかしの3色揚げパン」というタイトルの記事には、「材料」の見出しの下、「※パンの表面を揚げるだけなので、少ない油で揚がります。」の記載がある。
(https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/know/recipe/07_3/)
8 ステーキ・ハンバーグのブロンコビリーのウェブサイトにおける更新日が2021年4月18日である「プロが教える「炭火でのお肉の焼き方のコツ」」というタイトルの記事には、「ブロンコビリーでは店舗で炭焼きを行っています。炭焼きの特性を最大限に発揮するため、ブロンコビリーではこだわりを込めて「備長炭」と「オガ炭」の二種類の炭を使用しています。ぜひお店でも炭焼きステーキをお楽しみ下さい!」の記載がある。
(https://www.bronco.co.jp/feature/meat/20210421_sumiyaki_kotsu/)

別掲2 本願の指定商品中「籾のまま貯蔵し出荷直前に精米した米」を取り扱う業界においては、「今摺米」「無洗米」「分つき米」「真空パック米」「アルファ米」といった種類の商品が存在しており、それらの文字から商品の普通名称である「米」の文字を省略したものが、商品の品質、特徴を指称する語として使用されている例
1 セキュリテのウェブサイトにおける「越後ファーム雪蔵今摺米ファンド2016」のページには、「そこで思いついたのが、「今摺り」と「雪蔵貯蔵」だったのですね。」の見出しの下、「はい。今摺りとは、籾のまま貯蔵しておいたお米を、出荷のタイミングにあわせて脱穀と精米を行うことです。」の記載がある。
(https://www.securite.jp/fund/detail/2686)
2 庄内産直センターのウェブサイトにおける「藤島型特別栽培米コシヒカリ(白米・7分・無洗・玄米)5kg」という商品のページには、「【4年庄内産】」の見出しの下、「「白米」「7分」「無洗米」「玄米」から選択できるようになりました。」の記載がある。
(https://www.santyoku.or.jp/p/item-list/list/cate_id/1/)
3 さとふるのウェブサイトにおける「【令和4年産】大山しらゆき米10kg(無洗、コシヒカリ、5kg×2)」という商品のページには、「お礼品の内容・特徴」の見出しの下、「この無洗米は、本格的な水洗い乾燥・湿式法で加工しています。」の記載がある。
(https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=3042140)
4 金崎さんちのお米のウェブサイトにおける「米 真空パック お米のフレッシュ真空パックとは」というタイトルの記事には、「家庭の備蓄用のお米としても真空パックがおすすめ」の見出しの下、「お米の長期保存方法としては真空パックが最適です。金崎さんちのお米は、海外輸出をきっかけに2007年から米の業界で先駆けて真空パックのお米を販売しています。備蓄用としても真空パック米での保存をおすすめします。」の記載がある。
(https://www.kanazaki-okome.com/original13.html)
5 (有)山石前野商店のウェブサイトにおける「分つき米のススメ」というタイトルの記事には、「分つき米とは・・・」の見出しの下、「そして分つき米とは、糠層と胚芽の部分をいくらか残して精米したものを意味します。分つき米はその精米度(どれくらい糠や胚芽が残されているのか)によって三分、五分、七分などがあり、分つきの割合が高くなるほど、精白米に近づいていきます。」の記載がある。
(http://www.maenosyouten.net/butsuki/)
6 お米ん屋のウェブサイトにおける「精米したてのお米をお届けする通販ショップだからこそ出来る、玄米の栄養を残した「分づき米」玄米って栄養が豊富なんです」というタイトルの記事には、「玄米の精米の仕方で栄養価が変わる」の見出しの下、「みなさんが普段食べている「白米」以外にも、「3分づき米」「5分づき米」「7分づき米」などの分づき米が出来ます。」の記載があり、「玄米より食べやすく白米より栄養価が高い分づき米」の見出しの下、「三分づき」「五分づき」「七分づき」の記載がある。
(https://tukitatemai.shop-pro.jp/?mode=f1)
7 未来コトハジメのウェブサイトにおける2019年10月23日付けの「災害時に助かる非常食「アルファ米」の秘密」というタイトルの記事には、「阪神淡路大震災で見直されたアルファ米」の見出しの下、「アルファ米をごく簡単に言うと、炊き上げたご飯を乾燥させたもの。・・・アルファ米の「アルファ」とは、お米に含まれるでんぷんの状態を示す言葉で、炊き上がったご飯の主成分は「アルファ化でんぷん」と呼ばれる。乾燥させたアルファ化でんぷんにお湯や水を加えると柔らかく食べやすい状態に戻ってくれる。こうした特性を利用して作られた食品がアルファ米だ。」の記載がある。
(https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/food/h_vol43/)

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審決日 2025-03-19 
出願番号 2020094689 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W30)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 旦 克昌
特許庁審判官 須田 亮一
真鍋 伸行
商標の称呼 イマビキ 
代理人 弁理士法人平和国際特許事務所 

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