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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W3542
管理番号 1420604 
総通号数 39 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2025-03-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2024-09-17 
確定日 2025-02-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第6822335号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6822335号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6822335号商標(以下「本件商標」という。)は、「キャスタービズオンラインアシスタント」の文字を標準文字で表してなり、令和6年1月10日に登録出願、第35類、第41類及び第42類に属する別掲のとおりの役務を指定役務として、同年6月10日に登録査定され、同年7月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立てにおいて、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6285466号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:オンラインアシスタント(標準文字)
登録出願日:平成31年2月1日
設定登録日:令和2年8月28日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(2)登録第4648469号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:オンラインアシスタント(標準文字)
登録出願日:平成14年4月22日
設定登録日:平成15年2月28日
指定商品:第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
なお、以下、引用商標1ないし引用商標2をまとめていう場合は、「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標1(甲2)との対比
(ア)指定役務について
本件商標の第35類の指定役務「一般事務及び経理事務の代理又は代行,電話の受付・取り次ぎ・発信・応答の代行・媒介又は取次ぎ,建築物における来訪者の受付及び案内,秘書,文書又は磁気テープのファイリング,ワードプロセッサによる文書の作成・入力又は編集,コンピュータによる文書の作成又はファイルの管理,商品の販売促進及び役務の提供促進のための企画及び実行の代理及び助言,市場調査又は分析,企業の人事又は労務に関する助言及び代行,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,マーケティング,インターネットにおける情報の検索の代行,データ入カ・データ作成に関する事務処理の代行,一般会社事務・受付・秘書・経理事務・OA機器の操作・データ入力」は、引用商標1の指定役務「広告業,広告のための文章及び広告文の作成,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,事務用品に関する調達の代行,財務書類の作成,一般事務及び経理事務の代理又は代行,一般事務及び経理事務の代理又は代行に関する情報の提供,一般事務及び経理事務の代理又は代行に関する指導又は助言,企業の人事に関する事務の代理又は代行,企業の人事に関する事務の代理又は代行に関する情報の提供,企業の人事に関する事務の代理又は代行に関する指導又は助言,物品の購入・管理などの事務の代理又は代行,文書又は磁気テープのファイリング,データ処理に関する事務の代行,電子計算機を用いて行う情報検索事務の代行,コンピュータデータベースヘの情報編集,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,秘書,電話対応事務の代行,インターネットにおける広告用スペースの貸与」と同一又は類似する役務である。
(イ)本件商標の要部について
本件商標は、「キャスタービズオンラインアシスタント」の片仮名からなり、「キャスタービズ」の文字と「オンラインアシスタント」の文字を組み合わせて構成されている。
本件商標の構成文字全体を一体のものとして捉えた場合には、拗音及び長音記号を含めて18個の文字が表示されており、この多数の文字から構成される文字列が横に長く延びているため、本件商標の外観は、商標を構成する文字数の多さを印象付けるものである。また、このように多数の構成文字全体から生じる称呼「キャスタービズオンラインアシスタント」は、称呼の音数が16音と極めて冗長である。
また、「キャスタービズ」の文字部分と「オンラインアシスタント」の文字部分は、並置されているだけであって、観念上のつながりもなく、一連一体となって特定の観念が生じるものでもない。
したがって、「キャスタービズ」の文字部分と「オンラインアシスタント」の文字部分は、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
むしろ、前述のように、商標の外観において商標を構成する文字の数が多く、また、この多数の文字に相応して本件商標全体から生じる称呼が16音と極めて冗長であることからすれば、「キャスタービズ」の文字部分と「オンラインアシスタント」の文字部分が分離して認識されることが自然である。
したがって、「キャスタービズ」の文字部分と「オンラインアシスタント」の文字部分は、どちらもそれぞれが独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものであるから、「オンラインアシスタント」の文字部分を要部として抽出し、「オンラインアシスタント」の文字部分を他の商標と比較して商標の類否が判断されるべきである。
そうすると、本件登録商標は、その構成中、「オンラインアシスタント」の文字部分(以下、「本件登録商標の要部」ともいう。)に相応して、「オンラインアシスタント」の称呼を生じるものである。
(ウ)本件登録商標の要部と引用商標1の比較
次に、本件商標の要部と申立人の引用商標1を比較する。
引用商標1は、「オンラインアシスタント」の片仮名を横書きしてなる標準文字商標である。
本件商標の要部である「オンラインアシスタント」の文字部分も、片仮名の標準文字からなるため、本件商標の要部である「オンラインアシスタント」の文字部分と、引用商標1を構成する「オンラインアシスタント」の文字は、同一である。
本件商標の要部及び引用商標1からは、どちらからも、同一の文字「オンラインアシスタント」に相応して、「オンラインアシスタント」の称呼が生じる。また、本件商標の要部である「オンラインアシスタント」の文字部分と、引用商標1を構成する「オンラインアシスタント」の文字が、いずれも片仮名の標準文字によって構成されており、構成文字、文字種、文字サイズ、スペースの有無等、すべてにおいて差異のない同一の文字であることから、当然にして、外観、観念においても比較し得る差異はない。
さらに付言すれば、本件商標の要部から生じる称呼「オンラインアシスタント」の音数は11音であり、本件商標の構成文字全体から生じる称呼「キャスタービズオンラインアシスタント」のうち、2/3以上の音数を占める。このように、本件商標の要部から生じる11音という長い称呼が、引用商標1の称呼と同一である。
以上のように、本件商標の要部と引用商標1は、どちらも同一の片仮名の標準文字によって構成されているため、「オンラインアシスタント」の称呼を共通とし、外観、観念においても比較し得る差異のないものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本件商標と引用商標1は、役務の出所について混同を生じさせるおそれのある類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
イ 本件商標と引用商標2(甲3)との対比
(ア)本件商標の第42類の指定役務「デザインの考案,電子計算機の貸与,コンピュータソフトウェアの貸与,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの設計・作成又は保守,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」は、引用商標2の指定役務「デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットにおけるホームページの作成,電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機システムに関するコンサルティング,電子計算機システムの遠隔監視,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,通信ネットワークシステムの設計・企画,通信ネットワークシステムに関するコンサルティング,電子計算機及び電子計算機用プログラムの環境設定及びその機能の拡張・追加,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する助言,電子商取引における利用者の認証,電子計算機用データの暗号化,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」と同一又は類似する役務である。
(イ)本件商標の要部と引用商標2の比較
上記(1)ア(イ)において述べたように、本件商標は結合商標であり、「オンラインアシスタント」の文字部分は本件商標の要部として類否判断の対象となる。よって、本件商標の要部と申立人の引用商標2を比較する。
引用商標2は、「オンラインアシスタント」の片仮名文字を横書きしてなる標準文字商標である。
本件商標の要部である「オンラインアシスタント」の文字部分も、片仮名の標準文字からなるため、本件商標の要部である「オンラインアシスタント」の文字部分と、引用商標2を構成する「オンラインアシスタント」の文字は、同一である。
したがって、前述の甲第2号証の商標と同様に、本件商標の要部と引用商標2は、「オンラインアシスタント」の称呼を共通とし、外観、観念においても比較し得る差異はない。また、前述したように、本件商標の要部から生じる称呼「オンラインアシスタント」の音数は11音であり、本件商標の要部から生じる11音という長い称呼が、引用商標2の称呼と同一である。
以上のように、本件商標の要部と引用商標2は、どちらも同一の片仮名の標準文字によって構成されているため、「オンラインアシスタント」の称呼を共通とし、外観、観念においても比較し得る差異のないものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本件商標と引用商標2は、役務の出所について混同を生じさせるおそれのある類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
ウ むすび
前記したとおり、本件商標は、甲第2号証及び甲第3号証の登録商標と類似のものであり、また、登録異議申立てに係る指定役務は、甲第2号証及び甲第3号証の商標登録の指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「キャスタービズオンラインアシスタント」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔に、まとまりよく一体的に表され、外観上、いずれかの文字部分が強調して表現されているものではない。
そして、当該文字は、直ちに特定の意味を有しない一種の造語として看取されるものであって、全体が一連一体のものとして、取引者、需要者に理解されるというのが相当である。
また、本件商標は、特定の意味を有しない造語であり、全体としてその称呼もやや冗長であるとしても、よどみなく一連に称呼し得るから、当該文字より「キャスタービズオンラインアシスタント」の称呼を生ずるというのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「キャスタービズオンラインアシスタント」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
イ 引用商標
引用商標1及び引用商標2は、上記2のとおり、「オンラインアシスタント」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「オンライン」の文字は、「パソコンなどが通信回線やLANによって接続されて、情報が転送できる状態。」等(「広辞苑第七版」岩波書店参照)の意味を有し、また、「アシスタント」の文字は、「助手。補佐役。」(前掲書参照)の意味を有する語であるところ、全体として「パソコンなどにより通信回線を通じて情報等のやりとりをサポートする助手(または補佐役)」程の意味合いを生じる。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「オンラインアシスタント」の称呼を生じ、「パソコンなどにより通信回線を通じて情報等のやりとりをサポートする助手(または補佐役)」の観念を生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、いずれも、その構成中に「オンラインアシスタント」の文字を有するとしても、本件商標と引用商標とは、構成文字数が相違し、外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は大きいことから、両者を離隔的に観察しても、外観上、区別し得るものであって、外観において相紛れるおそれはない。
また、本件商標及び引用商標からは、上記のとおりの称呼を生じるところ、その音の構成及び音数において明らかに相違するものであって、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、互いに聞き誤るおそれはない。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じず、引用商標からは、上記イのとおり、「パソコンなどにより通信回線を通じて情報等のやりとりをサポートする助手(または補佐役)」の観念が生じるから、両者は、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標は非類似の商標と判断するのが相当である。
その他、本件商標と引用商標とが類似する商標であるとする理由は、見いだせない。
エ 小括
したがって、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務が同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、同項に違反してされたものとはいえない。
他に本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲

別掲 本件商標の指定役務
第35類「一般事務及び経理事務の代理又は代行,電話の受付・取り次ぎ・発信・応答の代行・媒介又は取次ぎ,建築物における来訪者の受付及び案内,秘書,文書又は磁気テープのファイリング,ワードプロセッサによる文書の作成・入力又は編集,コンピュータによる文書の作成又はファイルの管理,商品の販売促進及び役務の提供促進のための企画及び実行の代理及び助言,市場調査又は分析,企業の人事又は労務に関する助言及び代行,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,マーケティング,インターネットにおける情報の検索の代行,データ入力・データ作成に関する事務処理の代行,人材紹介,職業のあっせん,一般会社事務・受付・秘書・経理事務・OA機器の操作・データ入力」
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格の認定及び資格の付与,資格検定試験の企画・運営又は実施,セミナー・ワークショップ・シンポジウム・会議・講演会・研修会・研究会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,電子出版物の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」
第42類「デザインの考案,電子計算機の貸与,コンピュータソフトウェアの貸与,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの設計・作成又は保守,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」



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異議決定日 2025-01-27 
出願番号 2024001420 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W3542)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 旦 克昌
特許庁審判官 大島 康浩
小林 裕子
登録日 2024-07-09 
登録番号 6822335 
権利者 株式会社キャスター
商標の称呼 キャスタービズオンラインアシスタント、キャスタービズ、キャスター、ビズ、オンラインアシスタント、アシスタント 
代理人 深川 英里 
代理人 宮川 壮輔 

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