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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1420591 
総通号数 39 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2025-03-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2024-04-10 
確定日 2024-12-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第6776596号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6776596号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6776596号商標(以下「本件商標」という。)は、「ポロショコラ・カルーアミルク」の文字を標準文字により表してなり、令和5年8月8日に登録出願、第30類「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン」を指定商品として、同6年1月10日に登録査定され、同年2月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の1ないし3の登録商標であり、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標は、以下の12件の登録商標であって、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。
1 登録第1330948号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「カルーア」
指定商品:第30類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:昭和50年5月27日
設定登録日:昭和53年4月6日
書換登録日:平成21年6月17日
2 登録第4100724号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「カルーア」と「KAHLUA」を2段に書したもの
指定商品:第24類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成8年9月10日
設定登録日:平成10年1月9日
3 国際登録第1137739号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲1に示した商標
指定商品:第30類及び第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:EUIPO 2012年(平成24年)7月3日
国際商標登録出願日:2012年(平成24年)9月27日
設定登録日:平成26年1月31日
4 登録第2463375号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「カルーア」
指定商品:第32類及び第33類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成2年5月24日
設定登録日:平成4年10月30日
書換登録日:平成14年8月28日
5 登録第2463374号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「KAHLUA」
指定商品:第32類及び第33類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成2年5月24日
設定登録日:平成4年10月30日
書換登録日:平成14年8月21日
6 登録第4595499号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲2に示した商標
指定商品:第33類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成13年9月20日
設定登録日:平成14年8月16日
7 登録第737034号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:別掲3に示す商標
指定商品:第33類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:昭和39年7月7日
設定登録日:昭和42年3月28日
書換登録日:平成19年6月27日
8 登録第6143405号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:別掲4に示した商標
指定商品:第33類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成31年1月7日
設定登録日:令和元年5月10日
9 登録第6143404号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成:別掲5に示す商標
指定商品:第33類に属する商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:アメリカ合衆国 2018年(平成30年)7月10日
登録出願日:平成31年1月7日
設定登録日:令和元年5月10日
10 国際登録第1249679号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成:別掲6に示す商標
指定商品:第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:Switzerland 2015年(平成27年)4月7日
国際商標登録出願日:2015年(平成27年)4月23日
設定登録日:平成27年12月11日
11 国際登録第1548109号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の構成:別掲7に示す商標
指定商品:第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:Sweden 2020年(令和2年)1月7日
国際商標登録出願日:2020年(令和2年)6月17日
設定登録日:令和3年9月17日
12 国際登録第1748729号商標(以下「引用商標12」という。)
商標の構成:別掲8に示す商標
指定商品:第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:Sweden 2023年(令和5年)6月14日
国際商標登録出願日:2023年(令和5年)7月4日
設定登録日:令和6年6月21日

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証(枝番号を含む。)を提出した(以下、甲各号証の証拠の表記に当たっては、甲1、甲2のように省略して記載する。)。
1 引用商標の周知性について
(1)申立人及び申立人グループについて
申立人は、世界中でスピリッツの販売等を行うスウェーデン法人であり、世界のスピリッツ業界を牽引するリーディング・カンパニーである(甲3の1)。申立人は、1936年にメキシコで誕生した「KAHLUA」(決定注:「U」の字には、アクサン記号が付されている。)(カルーア)という名称のコーヒーとサトウキビの蒸留酒(コーヒーリキュール)を現在に至るまで長年にわたり製造販売している(甲3の2)。日本においては、1970年にサントリー株式会社(以下「サントリー」という。)が本格的な輸入販売を初めてから飛躍的に販売数量が増加し(甲12、甲13)、現在に至るまで申立人の定番商品の一つとして高い人気を博している。
申立人は、フランスの世界的酒造メーカーであるPERNOD RICARD(ペルノリカール)に、2008年に参画した(以下、申立人を含むペルノリカールの企業グループを「申立人グループ」という。)(甲3の3)。申立人グループは、フランスの食前酒メーカーの大手2社「PERNOD」(ペルノ社)と「RICARD」(リカール社)の合併により1975年に誕生したフランス国法人であり、そのビジネスは現在、日本を含め世界全域に展開している。ペルノ社とリカール社の合併後、申立人グループは、次々と有名な世界各国のブランドを獲得していき、申立人にかかる「カルーア」もその一つである。現在では、世界のトップ100のスピリッツブランドのうち17のブランドを保有しており、160カ国に240以上のプレミアムブランドを販売する業界有数の著名で幅広い商品群を有しており(甲3の4)、プレミアム&プレステージ・スピリッツ部門では世界2位の地位を築いている(甲3の4)。申立人グループは、現在、全世界に96カ所の生産拠点、74カ国の事業拠点を置いており、日本においても、1990年に現地法人としてペルノ・リカール・ジャパン株式会社(以下「ペルノ・リカール・ジャパン」という。)を設立し、東京に本社を置くほか、全国に8つの営業所を置いて事業を展開している(甲3の7)。
(2)カルーアについて
カルーアは、手摘みされた良質なメキシコ原産のアラビカ種のコーヒー豆と、サトウキビからなる蒸留酒であり(甲3の2、甲3の5、甲3の6)、1936年メキシコでレシピが考案された。カルーアは、1960年代に女性経営陣のみから構成されたカルーアレディーズにより米国その他の国々へ広められた。申立人は、このカルーアレディーズにインスピレーションを受けてカルーアの販売を開始し(甲3の2)、1980年代には、カルーアは「世界ナンバーワンのコーヒーリキュール」と称されるに至った(甲3の6)。日本においては、1970年にサントリーが本格的な輸入販売を初めてから飛躍的に販売量が増加した(甲12、甲13)。カルーアは各種のカクテルのベースとしても使用されており、特にカルーアを牛乳で割ったカルーア・ミルクは、カルーアを使用したカクテルとして有名である(甲4の1)。
加えて、申立人は、カルーアのシリーズ商品も販売しており、これらのシリーズ商品の名称においても一貫して「Kahlua」(決定注:「u」の字には、アクサン記号が付されている。)や「カルーア」をファミリーネームとして使用している(甲3の2、甲4の2〜7)。
(3)申立人の販売網
「カルーア」は、サントリーの全国に展開されている販売網を利用して、アルコール飲料販売において、長年一貫した高い売上を誇っており、一般消費者向けには全国各地の主要な酒屋やスーパー、ホームセンター、ドラッグストア、百貨店等で販売され、業務用には、業務用酒販店経由の飲食店、居酒屋、バー、レストラン等に卸されている。
また、酒屋といった酒専門の店舗だけではなく、年間3億人以上の集客数を誇るドン・キホーテにおいても、フレーバーを「フレンチバニラ」とする(甲4の10)ドン・キホーテだけに販売が許されたフレーバーの独占的な限定販売が組まれている。
(4)広告宣伝
ア 申立人による広告宣伝
申立人は、申立人及び日本におけるカルーアの独占的代理店のサントリーにより、公式ウェブサイト、カルーア用の特設サイト、新聞、InstagramやX(元Twitter)といったSNSが作成され、さらにYouTube内での動画投稿を通じた情報発信等を積極的に行う等、ブランドサイトヘの集客に努め、「カルーア」ブランドの普及及びイメージ構築のため莫大な広告費をかけ、継続して販売促進活動・広告宣伝活動を行ってきてきた(甲3の2、甲3の5、甲3の6、甲4の1〜6、甲6の1〜3、甲6の5〜14、甲6の17〜24)。
イ 辞書、各種刊行物、ネット記事等におけるカルーアの紹介
「カルーア」は、「広辞苑」(甲8の1)や「大辞林」(甲8の2)といった著名な国語辞典や、「現代用語の基礎知識カタカナ外来語ABC略語辞典」(甲4の1)といった現代用語辞典等に掲載されており、コーヒーリキュールである旨の説明と共に、「カルーア」が商標名であることも明記されている。
また、「カルーア」は、数多くの専門書籍、オンライン記事等において、継続的に何度も掲載されている(甲4の1、甲7〜甲9)
そして、カルーアは各種のウェブサイトのコーヒーリキュール等に関するランキングにおいても上位を占めているほか、Amazon.co.jpにおけるコーヒーリキュールのベストセラー検索結果でもトップに表示され、引用商標を含むカルーアの名称は、コーヒーリキュールを示す表示として使用されている(甲9の1、甲10)。
(5)売上・広告宣伝費
サントリーが提供した売上によると、日本国内におけるカルーア商品に関する売上高は、2022年には約10億1400万円、2023年には約11億1000万円にものぼり、2019年から2023年間の5年間の日本における売上高は、総額約55億3100万円に達しており(甲11)、このような売上の高さは、申立人における日本を含む世界各国において、多額の広告宣伝費を投下して、カルーアの販売促進活動・広告宣伝活動を行ってきた成果である。
日本に限っても、2021年は約2300万円、2022年は約3000万円、2023年には約4200万円を広告費用に投じており、2019年から2023年の5年間におけるカルーアの日本における広告宣伝費用は、総額約1億5000万円にものぼる(甲11)。
(6)防護標章登録
申立人の「カルーア」が日本において広く知られていることは、申立人の登録第2463375号商標(引用商標4)及び第737034号商標(引用商標7)が、防護標章として登録されていることからも明らかな事実である(甲2の4、甲2の7)。
(7)小括
以上より、カルーアに係る引用商標は、遅くとも本件商標の出願時(令和5年(2023年)8月8日)には我が国で周知性を獲得し、本件商標の登録査定時に至るまでその周知性が失われた事情はない。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
ア 本件商標は、その構成中の「カルーアミルク」の部分は、「・」(中黒)によって「ポロショコラ」と分断されているため、視覚上、「カルーアミルク」が「ポロショコラ」と分離観察される外観を呈する。また、本件商標全体として生じる「ポロショコラ・カルーアミルク」の称呼は、構成音数が長音を含め12音と長く、その一部を簡略化して称呼されるべき音構成をなしている。
そして、「ポロショコラ」は、商標権者が中黒の後を変更することでシリーズ化している商品の名称「ポロショコラ」を指していると思われるが(甲15)、そのような名称の「ポロショコラ」と「カルーア」を組み合わせた場合は、「ポロショコラ」がファミリーネームとして、「カルーア」がペットネームとして、それぞれが独立して認識されるというべきである。
さらに、「カルーアミルク」のうち「ミルク」部分は、日本国においても、「牛乳」の意味合いを有する英語の「milk」の片仮名表記として広く知られていることは顕著な事実であり、菓子業界の取引業界においても、「ミルク」の文字が一般的に認識されている語であるから(甲16)、本件商標における第30類「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン」の指定商品との関係で見た場合には、「ミルク」部分は商品の品質・原材料等を表示するにすぎず、何ら自他商品・役務を識別する機能は有しない。
また、「カルーア」は、申立人が長年にわたって、高い広告費をかけて、日本のみならず世界各国で使用し続けた結果、申立人の業務に係るコーヒーリキュールを表示するものとして、本件商標の出願時には、高い周知著名性を獲得するに至っている商標である。
このため、本件商標に接する需要者・取引者にとっては、おのずと、「カルーア」部分が強く記憶に残り、当該部分が、取引者・需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、本件商標の要部として認識される。
以上より、本件商標においては、その構成中、周知著名な「カルーア」部分をその要部とし、かかる要部たる「カルーア」部分と引用商標との類否判断を行うべきである。
イ 本件商標の外観・称呼・観念
上記アのとおり、本件商標は、「カルーア」部分が出所表示標識として強い印象を生ずる部分であるから、「カルーア」部分より「カルーア」の称呼が生じ、かつ、申立人の引用商標に係るコーヒーリキュールの商標として周知著名な「カルーア」の観念を生ずる。
(2)引用商標1ないし引用商標3について
引用商標1及び引用商標2は「カルーア」との外観が生じる。また、引用商標1ないし引用商標3の「カルーア」並びに「KAHLUA」及び「KAHLUA」(決定注:「U」の字には、アクサン記号が付されている。)は、申立人の業務に係るコーヒーリキュールを示すものとして周知著名となっていることからすると、引用商標1ないし引用商標3からは、「カルーア」との称呼が生じ、申立人が提供するコーヒーリキュールとしての観念が生じる。
(3)本件商標と引用商標1ないし引用商標3の類否
本件商標においては、「カルーア」部分が要部となり、そこから「カルーア」の称呼及び申立人が提供する周知著名なコーヒーリキュールであるカルーアとの観念が生じ、引用商標1及び2について外観が共通し、さらに引用商標1ないし引用商標3のいずれについても称呼及び観念と共通する。
したがって、引用商標1及び引用商標2については外観・称呼・観念が、引用商標3に関しては称呼・観念において類似する商標である。
(4)本件商標と引用商標1ないし引用商標3の指定商品の類否
本件商標の指定商品「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン」は、引用商標1ないし引用商標3の指定商品「菓子,パン」と類似する。
(5)小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標1ないし引用商標3と類似する商標である。また、本件商標は引用商標1ないし引用商標3に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用する商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知著名性及び独創性
上述のとおり、引用商標は申立人の業務に係るコーヒーリキュールを示す商標として、日本においては1970年以降、長年継続して使用され、本件商標の出願時である令和5年(2023年)8月8日までには、我が国の取引者・需要者の間で、著名となっている。また、引用商標の独創性の程度について、本件商標の第30類の指定商品の品質を表示するものでないから、造語の一種であることは明らかであり、引用商標の独創性は、相当程度高いものである。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度
引用商標は、「カルーア」又は「KAHLUA」若しくは「KAHLUA」(決定注:「U」の字には、アクサン記号が付されている。)の文字をその構成に含むため、その構成文字に相応して「カルーア」の称呼が生じ、申立人の引用商標に係る著名なコーヒーリキュールである「カルーア」との観念が生じる。
他方、本件商標は、前述のとおり「カルーア」の部分が要部となり、その構成文字に対応して「カルーア」の称呼が生じ、観念上、「カルーア」の部分から申立人の業務にかかるコーヒーリキュールとしての観念が生じる。したがって、本件商標は、「カルーア」の部分を要部とする商標として、引用商標との類似性は極めて高いものである。
(3)本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情
引用商標が周知著名性を獲得している商品は「コーヒーリキュール」であり、上述のとおり、申立人は、様々なフレーバーのコーヒーリキュールをシリーズ展開しており(甲3の2、甲4の2〜7)、これら商品は申立人の人気商品の一つとなっている。
一方、本件商標の指定商品「菓子,パン」には牛乳を原材料としてあるいは加工して作られる商品が、例えば「ミルクチョコレート、ミルクキャラメル、ミルク菓子」等、数多くある(甲16)。また、コーヒーリキュールは、コーヒー味の菓子の風味付けや調味料として頻繁に利用されており(甲21)、本願の指定商品である「菓子,パン」と密接な関連を有し、コーヒーリキュールと「菓子,パン」は調味料・原材料と製品との関係において、その生産工程上密接な関係があり、さらに製造主体や販売経路も共通性を有する。
申立人においても、「カルーア」を菓子や料理の調味料や原材料として利用してもらおうと、「カルーア」を使用したお菓子のレシピ(チョコレート及びケーキのレシピを含む。)を多数紹介し(甲6の7、甲6の8の3、甲22の1、甲22の2)、その普及に力を注いでいるほか、申立人自身も以前「カルーア」を原材料、商品名及び包装に使用したお菓子を販売した(甲22の3)
そして、コーヒーリキュールといったリキュールを使用した菓子が作られるようになり、それが紹介される際、リキュールと菓子が雑誌やウェブサイト等で同じページで紹介されることも多い。その他、需要者への広告・宣伝媒体となっている雑誌において、近年、リキュールに関する情報が菓子と同じ広告媒体において、アルコールの有無に関係なく、日常の嗜好品や贈答品の情報として一緒に提供されている雑誌等の現状に鑑みても、両者の関連性は非常に高いと言わざるを得ないものと思料する(甲22の4〜7)。
さらに、引用商標にかかる「コーヒーリキュール」は、主としてスーパーマーケットや酒店等で販売され、本件の指定商品である「菓子,パン」を販売する食料品店とは、流通・販売経路とも酷似し、アルコール飲料と菓子やパンの両者を取り扱う小売業者(取引者)及びこれらを利用する消費者(需要者)も共通であるといえる。
したがって、仮に、申立人の周知著名商標「カルーア」が付された「コーヒーリキュール」と、本件商標の付された「菓子」とが同一店舗で並んで販売されるようなことになれば、本件商標が付された商品は、あたかも申立人又はその関連会社の製造販売する商品であるかの如く、その出所につき誤認・混同を生じさせることは必至である。
加えて、酒類業界においては、一つの酒造メーカーが、酒類のみならず、菓子やパンを展開し、また、菓子やパンに関連するイベントを開催するということが一般的に広く行われている(甲24)。
このようなコーヒーリキュールといった「アルコール飲料」と「菓子,パン」といった「飲食料品」の商品の関連性の高さについては、過去の審判例においても認められていることでもある(甲23)。
これらの事情を総合勘案すると、本件商標の指定商品は周知著名な引用商標の指定商品と高い関連性を有しているというべきである。
(4)判決及び特許庁の審決
平成12年7月11日最高裁第三小法廷判決(甲19)以降、他人の周知著名な商標を一部に含む商標について、当該他人の業務に係る商品等と混同を生じるおそれがあるとして、登録拒絶又は登録無効若しくは取消しの判断をした判決や特許庁の審決は多数存在する(甲25)。
(5)小括
本件商標と引用商標は、称呼及び観念が同一であるため、両商標は類似性の程度が高い類似商標であること、引用商標が「コーヒーリキュール」について使用するものとして極めて高い周知著名性を獲得しており、その周知著名性は本件商標の出願前から現在でも継続しているものであること、カルーアが独創性の高い商標であること、本件商標の指定商品と申立人の商品が互いに関連性の高いものであり、取引者・需要者、製造主体や販売経路及び販売場所の共通性も高いものであること、及び過去の裁判例や特許庁の審決にみられる判断等を総合して考慮すると、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、申立人の業務に係るコーヒーリキュールを想起・連想し、恰も申立人又は申立人のグループ会社が取り扱う業務に係る商品であるかの如く認識して取引にあたると考えられるため、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは明白である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 商標法第4条第1項第19号該当性について
(1)引用商標の著名性
上記において詳述したとおり、引用商標は、申立人の業務に係るコーヒーリキュールについて使用された結果、世界的に高い著名性を有する商標であり、引用商標は、商標法第4条第1項第19号に規定する「他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標」に該当するものである。
(2)本件商標と引用商標の類似性
本件商標及び引用商標は、上述のとおり互いに類似する商標である。
(3)出願人の「不正の目的
引用商標は、前述のように、本件商標の出願時である令和5(2023)年8月8日には、引用商標はすでに申立人の業務に係る商品に使用される商標として極めて広く知られていた著名商標である。
一方、本件商標の要部は、かかる著名な引用商標の「カルーア」と同一の文字構成からなり、その指定商品は、申立人の「カルーア」が著名性を獲得した「コーヒーリキュール」と密接な関連を有する商品である。ゆえに、本件商標において偶然に著名な引用商標と同一の文字が採択されたものではなく、引用商標の有する高い名声・信用・評判にフリーライドする目的で出願、使用されたことは優に推認される。
さらに、申立人は、サントリーのウェブサイト等において、「コーヒーリキュール」を使用した菓子等のレシピを公開している。この点,引用商標が菓子への商品展開や事業拡大がされるであろうことは容易に推認できるというべきであり、実際に引用商標が本件商標の指定商品について商標登録や防護標章登録している。
本件商標の「ポロショコラ」は、出願人の菓子の商品名であると思われるが、そのような名称「ポロショコラ」に世界的に著名な申立人の引用商標である「カルーア」を組み合わせていることを考えると、引用商標の著名性にあやかって、「カルーア」を含む本件商標を出願したというべきであり、不正の目的があることは明らかである。
また、特許庁においても、他人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていた商標と同一又は類似性の高い商標を、当該広く知られていることを十分に知りながら出願し、登録を受けた商標は、自己の利益を得るために出願した商標は不正の目的に基づくものであると多くの審決が認定している。
したがって、商標権者が本件商標を不正の目的で使用するものであることは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 当審の判断
1 「カルーア」及び「KAHLUA」(「U」の字に、アクサン記号が付さているものも含む。)の周知著名性について
(1)申立人は、世界中でスピリッツの販売等を行うスウェーデン法人であり、1936年にメキシコで誕生した「KAHLUA」(カルーア)という名称のコーヒーとサトウキビの蒸留酒(コーヒーリキュール)を現在に至るまで製造販売している(甲3の2)。
(2)申立人グループは、1975年に誕生したフランス国法人であり、同グループのビジネスは現在、日本を含め世界全域に展開している。同グループは、現在、世界のトップ100のスピリッツブランドのうち17のブランドを保有しており、160カ国に240以上のプレミアムブランドを販売する幅広い商品群を有し、プレミアム&プレステージ・スピリッツ部門では世界2位である(甲3の3、甲3の4)。
また、申立人グループは、現在、全世界に96箇所の生産拠点、74ヶ国の事業拠点を置いており、日本においても、1990年にペルノ・リカール・ジャパンを設立し、東京に本社を置くほか、全国に8つの営業所を置いて事業を展開している(甲3の4、甲3の7)。
(3)申立人が申立人の業務に係る「コーヒーリキュール」(以下「申立人商品」という。)に使用する引用商標を含む「カルーア」及び「KAHLUA」(「U」の文字に、アクサン記号が付さているものを含む。)の文字からなる又はこれらの文字を含む商標(以下、これらの商標を「申立人商標」という。)は、申立人商品やその関連商品にも使用されている(甲4の2〜10、甲8の3〜12、ほか)。
(4)日本においては、1970年にサントリーが申立人商品の輸入販売を始め、該商品は、全国各地の主要な酒屋やスーパー、ホームセンター、ドラッグストア、百貨店等で販売され、業務用には、業務用酒販店経由の飲食店、居酒屋、バー、レストラン等に卸されている(申立人の主張)。
(5)日本国内における申立人商品に関する売上高は、2022年は約10億1400万円、2023年は約11億1000万円、2019年から2023年間の5年間の日本における売上高は、総額約55億3100万円であり(申立人の主張、甲11)、広告費は、2021年は約2300万円、2022年は約3000万円、2023年には約4200万円であった(申立人の主張、甲11)。
(6)「KAHLUA(カルーア)」は、広辞苑第七版、大辞林第四版、世界酒大事典、新版 世界の酒事典、洋酒小辞典、世界名酒辞典などの各種書籍、辞書や事典には一部「商標名」の記載があるものの、ほとんどが「コーヒーリキュール」、「メキシコ産のコーヒー風味のリキュール」等として掲載されている(甲4の1、甲7、甲8)。
(7)以上認定した事実によれば、申立人商標は、申立人又はサントリーなどの申立人の関連会社が長年、我が国を含め外国で使用し、一定程度の販売額があること、我が国の辞書や酒類に関する書籍に掲載されていることからすれば、本件商標の登録出願時には、申立人商品「コーヒーリキュール」を表示するものとして、我が国又は外国のリキュールの愛飲家の間では一定程度知られていたものということができる。
しかしながら、本件商標の指定商品は、前記第1のとおりの商品であり、申立人商品「コーヒーリキュール」とは、生産部門、販売部門、用途、目的等が異なり、両商品の関連性は低く、申立人の提出した証拠によっては、申立人商標が、本件商標の指定商品の分野まで、広く知られていると認め得るような事実は見いだせない。
そうすると、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商標は、本件商標の指定商品の分野においてまで、我が国又は外国における需要者の間に広く知られているとは認め難いものである。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「ポロショコラ・カルーアミルク」の文字を標準文字により表してなるところ、構成中の「ポロショコラ」の文字は、一般の辞書に載録された語ではなく、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないものであるのに対し、「カルーアミルク」の文字は、「コーヒーリキュールを牛乳で割ったカクテルの名称」程の意味合い(甲4の1)を理解させるものである。
ところで、本件商標の指定商品の分野においては、カクテルの風味を有する商品について、例えば「カクテルジュレ カシスオレンジ風味」、「ジントニック チョコレート」、「ショコラバカンス ソルテイドッグ」のように、風味となるカクテルの名称を商品名に含み、当該風味を表している商品が販売されている実情がある(職権調査 別掲9)。
そうすると、本件商標の構成中の「カルーアミルク」の文字は、本件商標の指定商品との関係では、商品の風味を表したものと認識される文字であって、自他商品の識別標識としての機能はないか又は極めて弱いものであるといえる。
したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応した「ポロショコラカルーアミルク」の称呼のほかに、「ポロショコラ」の文字部分に相応した「ポロショコラ」の称呼を生じ、「ポロショコラ・カルーアミルク」の文字及び「ポロショコラ」の文字部分からは特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1ないし引用商標3
引用商標1ないし引用商標3は、「カルーア」、「KAHLUA」の文字からなるか、ややデザイン化された「KAHLUA」(決定注:「U」の字に、アクサン記号が付さている。)の文字をその構成中に含むものであるから、これよりは「カルーア」の称呼が生じるものである。
そして、「カルーア」、「KAHLUA」(「U」の字に、アクサン記号が付さているものも含む。)の文字は、「メキシコ産のコーヒー風味のリキュール」の意味を有するものである。
したがって、引用商標1ないし引用商標3の文字部分からは、「カルーア」の称呼が生じ、「メキシコ産のコーヒー風味のリキュール」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標1ないし引用商標3の類否について
本件商標と引用商標1ないし引用商標3の構成は、上記(1)及び(2)のとおりであって、外観において相違するものであり、いずれの称呼の比較においても、その音構成及び音数において明らかな差異があるから、称呼上、明確に聴別できるものである。
また、本件商標からは特定の観念が生じないのに対し引用商標からは「メキシコ産のコーヒー風味のリキュール」の観念を生じるものであるから、両商標は、観念においても区別できるものである。
(4)小括
以上からすると、本件商標と引用商標1ないし引用商標3とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そして、本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品は、非類似の商品であるから、本件商標は引用商標2との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
さらに、本件商標の指定商品と引用商標1及び引用商標3の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、引用商標1及び引用商標3との関係においても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(5)申立人の主張
申立人は、本件商標はその構成中、周知著名な「カルーア」部分が要部であり、かかる部分と引用商標との類否判断を行うべきである旨主張している。
しかしながら、本件商標の構成中、「カルーアミルク」の文字は、上記(1)のとおり、文字全体として、「コーヒーリキュールを牛乳で割ったカクテルの名称」程の意味合いを理解させる語であり、本件商標の指定商品との関係では、商品の風味を表す語であって、自他商品の識別標識としての機能がないか又は極めて弱いものと言わざるを得ない。
そうすると、本件商標においては、その構成要素全体または「ポロショコラ」の文字部分をもって把握するというべきであるから、申立人の主張は採用することができない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人商標の周知著名性について
上記1のとおり、申立人商標は、申立人商品「コーヒーリキュール」を表示するものとして、リキュールの愛飲家の間に一定程度知られていたものと推認することができるとしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標の指定商品の分野の需要者にまで広く認識されていたものとは認められないものである。
(2)本件商標と申立人商標の類似性及びその程度について
申立人商標は、「カルーア」及び「KAHLUA」(「U」の字に、アクサン記号が付さているものも含む。)の文字からなるもの又はこれらの文字を有するものであるから、本件商標と申立人商標とは、本件商標と引用商標1ないし引用商標3が非類似の商標であるのと同様に、非類似の商標であって、別異の商標といえるものであり、類似性の程度は低いものである。
(3)本件商標の指定商品と申立人商品との関連性の程度について
本件商標の指定商品は、前記第1のとおり第30類「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン」であり、申立人商品「コーヒーリキュール」とは、生産部門、販売部門、用途、目的等が異なり、両商品の需要者は、一般消費者という点で共通する場合があるとしても、それ以外の共通点を見いだすことができないから、密接な関連性があるとまではいえないものであり、関連性の程度は低い。
(4)出所混同のおそれについて
上記(1)ないし(3)によれば、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、本件商標の指定商品の分野の需要者の間において、広く知られているものと認められず、また、本件商標と申立人商標とは、別異の商標といえるものであり、類似性の程度は低く、商品の関連性の程度も低いことからすると、本件商標権者が、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する需要者が、申立人商標を連想、想起するということはできず、また、その商品が申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標とはいえない。
その他、本件商標が商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第19号該当性について
上記1のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国又は外国のリキュールの愛飲家の間において、一定程度知られているとしても、上記3(2)のとおり、本件商標と申立人商標及び引用商標は、別異の商標というべきものであり、さらに上記3(4)のとおり、本件商標は、申立人商標を連想又は想起させるものでもない。
そして、本件商標の登録出願時及び査定時において、本件商標権者が申立人商標にフリーライドするなど不正の目的をもって本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲1
引用商標3(国際登録第1137739号商標)(色彩は原本参照)


別掲2
引用商標6(登録第4595499号商標)


別掲3
引用商標7(登録第737034号商標)(色彩は原本参照)


別掲4
引用商標8(登録第6143405号商標)(色彩は原本参照)


別掲5
引用商標9(登録第6143404号商標)(色彩は原本参照)


別掲6
引用商標10(国際登録第1249679号商標)


別掲7
引用商標11(国際登録第1548109号商標)(色彩は原本参照)


別掲8
引用商標12(国際登録第1748729号商標)(色彩は原本参照)


別掲9 本件商標の指定商品の分野において、カクテルの名称が商品の風味や味を表すものとして商品名に使用されている例
1 「雪印メグミルク株式会社」のNEWS RELEASEにおいて「2層でおいしいカクテルデザート 『カクテルジュレ カシスオレンジ風味』170g 2019年4月2日(火)より全国にて新発売」の見出しの下「カクテルの中でも人気のカシスオレンジの味わいを、当社独自の多層技術を活用し、異なる食感のゼリーで2層に仕立てました。」の記載がある。
https://www.meg-snow.com/news/files/20190320-1558.pdf
2 「キタノ商事株式会社」のウェブサイトにおいて「ワインリッヒ ジントニック チョコレート」の見出しの下「爽やかな香りが広がるジントニックのフィリングを閉じ込めた大人向けのミルクチョコレート。(アルコール分3.6%)」の記載がある。
https://www.kitano-kk.co.jp/products/weinrichgintonic100g/
3 「みんなの食品口コミサイト もぐナビ」のウェブサイトにおいて「不二家 ショコラバカンス ソルティドッグ」の見出しの下、「商品情報詳細」として「期間限定。「フルーティーな夏のカクテル」がテーマの「ショコラバカンス」。「ソルティドッグ」は、塩が隠し味のグレープフルーツのホイップクリーム+ほろ苦いグレープフルーツソースを、ビターチョコレートで包み込みました。」の記載がある。
https://mognavi.jp/product/9000000424816


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異議決定日 2024-12-16 
出願番号 2023088247 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W30)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 小俣 克巳
大森 友子
登録日 2024-02-06 
登録番号 6776596 
権利者 株式会社ラグノオささき
商標の称呼 ポロショコラカルーアミルク、ポロショコラ、ポロ 
復代理人 波田野 晴朗 
復代理人 安西 みなみ 
復代理人 中村 優介 
代理人 稲木 次之 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 池田 万美 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 田中 克郎 

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