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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W35
管理番号 1420487 
総通号数 39 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2025-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-08-13 
確定日 2025-03-04 
事件の表示 商願2023− 82220拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和5年7月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 2月 2日付け:拒絶理由通知書
令和6年 3月21日 :意見書の提出
令和6年 5月10日付け:拒絶査定
令和6年 8月13日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年12月23日付け:拒絶理由通知書
令和7年 1月20日 :意見書、手続補正書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務は、当審における上記1の手続補正書により、最終的に、第35類「抹茶に関する広告業,抹茶に関する商品の販売に関する情報の提供,抹茶に関する広告用具の貸与,消費者のための抹茶(商品)の選択における助言と情報の提供,抹茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。

3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5927376号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成28年3月31日登録出願、第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,インターネットオークションの運営,求人情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行,コマーシャルの企画・制作」、第39類「インターネット経由での旅行に関する情報の提供,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,道路情報の提供,観光旅行の企画・運営,観光旅行の手配」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,書籍の制作,セミナーの企画・運営又は開催,放送番組の制作,通訳,翻訳,映画の上映・制作又は配給,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」及び第43類「飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供に関する情報の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,動物の宿泊施設の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,飲食物の提供の契約の媒介又は取り次ぎ」を指定役務として、同29年3月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標の構成中、「matcha」の文字部分を分離抽出し、これと引用商標とが類似する商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。

5 当審における拒絶理由(要旨)
審判長は、令和6年12月23日付け拒絶理由通知で、「「抹茶」の語のローマ字表記であることを理解、認識させる「matcha」の文字を有する本願商標をその指定役務中の「抹茶に関する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。

6 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、別掲1のとおり、上方に緑色の山のような形状が2つ連なった図形(以下、「図形部分」という。)を配し、その下方に太い線で大きく書された「matcha」の欧文字と、やや細い線で小さく書された「KIMIKURA」の欧文字とを中央揃えで上下に表してなるところ(以下、まとめて「文字部分」という。)、図形部分と文字部分とは、相互に一定の間隔を空けて、重なり合うことなく、独立して表されており、これらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせず、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
そして、図形部分は、その構成態様から特定の意味合いを想起させるとはいい難く、特定の称呼及び観念を生じないものである。
また、文字部分についてみるに、「matcha」と「KIMIKURA」の欧文字は、文字の書体及び大きさが異なるものの、いずれも中央揃えでバランスよく配置されており、本願商標の構成文字全体より生じる「マッチャキミクラ」の称呼も格別冗長でなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
さらに、文字部分のうち、「matcha」の欧文字は、本願の指定役務との関係においては、「茶の新芽を採り、蒸した後、そのまま乾燥してできた葉茶を臼で碾いて粉末にしたもの。」(出典:株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)の意味を表す「抹茶」の語のローマ字表記であると理解、認識させるものであり、自他役務の識別標識としての機能が比較的弱いものといえる。一方、「KIMIKURA」の欧文字は、辞書等に載録された既成語ではなく、特定の観念を生じない造語といえるものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると、本願商標の構成においては、これに接する取引者、需要者が、「matcha」の欧文字のみをとらえて取引に当たるとはいえず、本願商標の文字部分は、その構成全体をもって認識、把握されるというべきである。また、他に「matcha」の文字部分が強く支配的な印象を与えるというべき事情も見当たらない。
したがって、本願商標の構成中の「matcha」の欧文字を分離、抽出し、その上で、本願商標と引用商標とが類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとしたと解される原査定は、取消しを免れない。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本願商標は、その指定役務について、上記2のとおり補正された結果、これをその指定役務に使用しても役務の質について誤認を生じるおそれはなくなった。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした当審における拒絶の理由は、解消した。
(3)まとめ
その他、本願についての拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1 本願商標(色彩は原本を参照。)

別掲2 引用商標(色彩は原本を参照。)


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審決日 2025-02-17 
出願番号 2023082220 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W35)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 田中 瑠美
小俣 克巳
商標の称呼 マッチャキミクラ、キミクラ、エム 
代理人 弁理士法人太田特許事務所 

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