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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W29303543
管理番号 1420441 
総通号数 39 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2025-03-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2023-09-01 
確定日 2025-01-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第6174046号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第6174046号商標(以下「本件商標」という。)は、「SAWAYA」の文字を標準文字で表してなり、平成30年8月20日に登録出願、別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和元年8月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、令和5年9月19日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の同2年9月19日から同5年9月18日までを以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第29類「肉製品,加工水産物」、第30類「調味料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」、第35類「肉製品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布.干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布.干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのりの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,穀物の加工品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ぎょうざ・しゅうまい・すし・たこ焼き・弁当・ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ウースターソース・グレービーソース・ケチャップソース・しょうゆ・食酢・酢の素.そばつゆ・ドレッシング・ホワイトソース・マヨネーズソース・焼肉のたれの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料・果実飲料・飲料用野菜ジュースの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「飲食物の提供」(以下「請求に係る指定商品及び指定役務」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、請求に係る指定商品及び指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
なお、請求人は、下記の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由を審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第23号証(枝番号を含む。枝番号をまとめて引用するときは枝番号を省略する。)を提出した。
1 本件商標権者(被請求人)による通常使用権の許諾について
本件商標権者は、株式会社木村園(以下「木村園社」という。)の代表取締役である(乙21)。本件商標権者は、本件商標権取得と同時に、木村園社に対し、使用地域、使用期間、使用態様を限定せず、通常使用権を許諾した。
2 本登録商標は使用されていること
本件商標の通常使用権者である木村園社は、本件商標を指定商品・指定役務、第30類「調味料、穀物の加工品」、第35類「穀物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(以下「穀物の小売等」という。)、ウースターソース・グレービーソース・ケチャップソース・しょうゆ・食酢・酢の素・ドレッシング・ホワイトソース・マヨネーズソース・焼肉のたれの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(以下「ウースターソース等の小売等」という。)清涼飲料・果実飲料・飲料用野菜ジュースの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(以下「清涼飲料等の小売等」という。)について、要証期間に日本国内において使用している。
3 本件商標の使用について
木村園社は、インターネット通販サイトの楽天市場にて、遅くとも2020年12月から現在に至るまで、調味料であるそばつゆ、穀物の加工品であるそば及び清涼飲料である水を販売している。以下、そばつゆ、そば及び水の過去における販売について詳述する。
(1)インターネット通販サイトで使用したこと
ア 2020年12月30日の使用
(ア)被請求人は、過去のウェブサイトを閲覧できるツールのウェイバックマシンというサイト(以下「ウェイバックマシン」という。)に、楽天市場での木村園社のウェブサイトのURLを入力した結果、2020年12月30日のウェブサイトがヒットした(乙1、乙2)。
(イ)2020年12月30日の、楽天市場のウェブサイトにおいて、木村園社は、そばつゆ及びそばを販売し(乙3の3〜10)、清涼飲料(柿田川湧水)を販売した(乙3の7、乙3の8)。
(ウ)同ウェブサイトのトップページには、「茶和家」(乙3の1、乙3の11)、「SAWAYA」(乙3の2)、「茶娘の図形と茶和家」(乙3の3)が、付されていた。
そして、木村園社が販売したそばつゆの包装袋(乙3の5、乙3の7〜10)及びそばの包装袋(乙3の7〜10)には、「茶和家」の文字が記載され、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱の正面、背面、底面には「茶和家」、右側面には「SAWAYA」の文字が記載されていた(乙3の7、乙19の1、乙20の1〜3)。
(エ)2020年12月30日、木村園社は、そばつゆ、そば、清涼飲料の通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」及び第35類「穀物の小売等、ウースターソース等の小売等、清涼飲料の小売等」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
さらに、同日、木村園社は、そばつゆ及びそばの包装袋に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
イ 2022年2月8日の使用
(ア)被請求人は、ウェイバックマシンに、楽天市場のウェブサイトのURLを入力した結果、2022年2月8日のウェブサイトがヒットした(乙4)。
(イ)2022年2月8日の、楽天市場のウェブサイトにおいて、木村園社は、そばつゆ及びそばを販売し(乙5の1)、清涼飲料(柿田川湧水)を販売した(乙5の3)。
(ウ)同ウェブサイトのトップページには、「茶和家」(乙5の1、乙5の4)、「SAWAYA」(乙5の2)、「茶娘の図形と茶和家」(乙5の1、乙5の4)が、付されていた。
そして、木村園社が販売したそばつゆの包装袋(乙5の1)及びそばの包装袋(乙5の1)には、「茶和家」の文字が記載され、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱の正面、背面、底面には「茶和家」、右側面には「SAWAYA」の文字が記載されていた(乙5の1、乙19の1、乙20の1〜3)。
(エ)2022年2月8日、木村園社は、そばつゆ、そば、清涼飲料の通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」及び第35類「穀物の小売等、ウースターソース等の小売等、清涼飲料の小売等」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
さらに、同日、木村園社は、そばつゆ及びそばの包装袋に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
ウ 2022年7月2日の使用
(ア)被請求人は、ウェイバックマシンに、楽天市場のウェブサイトのURLを入力した結果、2022年7月2日のウェブサイトがヒットした。
(イ)2022年7月2日の、楽天市場のウェブサイトにおいて、木村園社は、そばつゆ及びそばを販売し(乙6の1、乙6の3)、清涼飲料(柿田川湧水)を販売した(乙6の4)。
(ウ)同ウェブサイトのトップページには、「茶和家」(乙6の1、乙6の5)、「SAWAYA」(乙6の2)、「茶娘の図形と茶和家」(乙6の1、乙6の5)が、付されていた。
そして、木村園社が販売したそばつゆの包装袋(乙6の1、乙6の3)及びそばの包装袋(乙6の1、乙6の3)には、「茶和家」の文字が記載され、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱の正面、背面、底面には「茶和家」、右側面には「SAWAYA」の文字が記載されていた(乙6の1、乙6の3、乙19の1、乙20の1〜3)。
(エ)2022年7月2日、木村園社は、そばつゆ、そば、清涼飲料の通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」及び第35類「穀物の小売等、ウースターソース等の小売等、清涼飲料の小売等」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
さらに、同日、木村園社は、そばつゆ及びそばの包装袋に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
エ 2022年12月7日の使用
(ア)被請求人は、ウェイバックマシンに、木村園社のウェブサイトのURLを入力した結果、2022年12月7日のウェブサイトがヒットした(乙22)。
(イ)2022年12月7日の、木村園社のウェブサイトにおいて、木村園社は、そばつゆ及びそばを販売し(乙7の1〜4)、清涼飲料(柿田川湧水)を販売した(乙7の2〜4)。
(ウ)同ウェブサイトのトップページには、「茶和家」(乙7の1、乙7の5)、「SAWAYA」(乙7の1)、「茶娘の図形と茶和家」(乙7の1、乙7の5)が付されていた。
そして、木村園社が販売したそばつゆの包装袋(乙7の1〜4)及びそばの包装袋(乙7の1〜4)には、「茶和家」の文字が記載され、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱の正面、背面、底面には「茶和家」、右側面には「SAWAYA」の文字が記載されていた(乙7の1〜4、乙20の1〜3)。
(エ)2022年12月7日、木村園社は、そばつゆ、そば、清涼飲料の通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」及び第35類「穀物の小売等、ウースターソース等の小売等、清涼飲料の小売等」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
さらに、同日、木村園社は、そばつゆ及びそばの包装袋に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
オ 2023年6月16日の使用
(ア)被請求人は、ウェイバックマシンに、楽天市場のウェブサイトのURLを入力した結果、2022年2月8日のウェブサイトがヒットした(乙23)。
(イ)2023年6月16日の、楽天市場のウェブサイトにおいて、木村園社は、そばつゆ及びそばを販売し(乙8の2〜8)、清涼飲料(柿田川湧水)を販売した(乙8の8)。
(ウ)同ウェブサイトのトップページには、「茶和家」(乙8の1、乙8の8)、「SAWAYA」(乙8の2)、「茶娘の図形と茶和家」(乙8の1、乙8の8)が付されていた。
そして、木村園社が販売したそばつゆの包装袋(乙8の2、乙8の3、乙8の7)及びそばの包装袋(乙8の2、乙8の3)には、「茶和家」の文字が記載され、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱の正面、背面、底面には「茶和家」、右側面には「SAWAYA」の文字が記載されていた(乙8の7、乙19の2、乙20の1〜3)。
(エ)2023年6月16日、木村園社は、そばつゆ、そば、清涼飲料の通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」及び第35類「穀物の小売等、ウースターソース等の小売等、清涼飲料の小売等」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
さらに、同日、木村園社は、そばつゆ及びそばの包装袋に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
(2)顧客から書き込みがあったこと
ア 被請求人は、楽天ビジネスログインをし(乙9、乙10)、みんなのレビュー(乙11)を検索したところ、そばつゆ、そば、清涼飲料を購入した顧客からの書き込みがあった。
イ 2022年7月30日に投稿された書き込みには、そばつゆ、そば、清涼飲料を購入した顧客から、美味しかったなどの記載があった(乙12)。
ウ 2022年(※審決注:2021年の誤記と認める。)6月24日に投稿された書き込みには、そばつゆ、そば、清涼飲料を購入した顧客から、父の日のプレゼントなどの記載があった(乙12)。
エ 上記書き込みのあった商品は、そばつゆの包装袋及びそばの包装袋には「茶和家」の文字が記載され、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱の正面、背面、底面には「茶和家」、右側面には「SAWAYA」の文字が記載されていた(乙18、乙19の1、乙20の1〜3)。
オ 2022年6月及び7月頃、木村園社は、インターネット通販において、そばつゆ及びそばの包装袋に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売し、そばつゆ、そば、清涼飲料を梱包した箱に本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して販売したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」について、商標法第2条第3項第2号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。
(3)顧客との取引があったこと
ア 被請求人は、楽天ビジネスログインをし(乙9、乙10)、顧客管理を検索した(乙13)。
イ そばつゆ、そば、清涼飲料のセットは、2022年6月27日(※審決注:17日の誤記と認める。)に発送され(乙14)、2023年5月8日ないし2023年5月30日の間に、少なくとも9件の注文があった(乙15)。
ウ 清涼飲料水は、2022年7月1日ないし2022年8月31日の間に、少なくとも1件の注文があり(乙16)、2022年7月22日(※審決注:28日の誤記と認める。)に発送された(乙17)。
エ いずれも、楽天市場のインターネット通販にて販売されたものである。前述のとおり、木村園社は、そばつゆ、そば、清涼飲料の通信販売を行うウェブサイト上に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供したのであるから、第30類「調味料、穀物の加工品」及び第35類「穀物の小売等、清涼飲料の小売等」について、商標法第2条第3項第8号に基づき本件商標を使用したことは明らかである。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)ウェイバックマシンによりアーカイブされたウェブサイト(乙2、乙3、乙8、乙23)
乙第2号証、乙第3号証、乙第8号証及び乙第23号証は、ウェイバックマシンによりアーカイブされたウェブサイトである。
ア 乙第2号証は、アーカイブされた日付けであり、カレンダー上に、「DECEMBER 20,2020」(2020年(令和2年)12月20日)と表示されている。
イ 乙第3号証は、「Dec 30,2020」(2020年(令和2年)12月30日)にアーガイブされた楽天市場のウェブサイトであり、乙第3号証全体でウェブサイトの1ページをハードコピーしたものと認められるところ、乙第3号証の2の左上には、赤色の丸い図形の下方に「SAWAYA/KIMURAEN」(「/」は改行を表す。以下同じ。)の文字が表されており(別掲2)、また、当該ウェブサイトのページには「年越しそば」「八十八夜新茶蕎麦 6人前」「天然だし そばつゆ 6人前」「茶和家/木村園」「静岡県掛川市下垂木2083」の記載がある。
ウ 乙第8号証は、「Jun 16,2023」(2023年(令和5年)6月16日)にアーガイブされた楽天市場のウェブサイトであり、乙第8号証全体でウェブサイトの1ページをハードコピーしたものと認められるところ、乙第8号証の2の左上には、赤色の丸い図形の下方に「SAWAYA/KIMURAEN」の文字が表されており(別掲2)、また、「茶和家 木村園」(「茶和家」には「さわや」のルビが振られている。)「八十八夜茶そば」「希少な富山県そば粉と厳選した小麦粉使用」「天然だし/そばつゆ6人前」の記載がある。
エ 乙第23号証は、アーカイブされた日付けであり、カレンダー上に、2023年6月16日が表示されている。
(2)商標権者(木村園社の代表取締役)及び木村園社の本店の住所について(乙21)
木村園社の履歴事項全部証明書(乙21)には、商標権者が2017年(平成29年)7月1日に代表取締役に就任(同月7日に登記)したことが記載されている。
また、木村園社の本店の住所は、乙第3号証に記載された住所と一致する。
(3)上記(1)及び(2)によれば、以下のことが認められる。
ア 木村園社は、楽天市場のウェブサイトにおいて、「そば(の麺),そばのつゆ」(以下「使用商品」という。)を掲載し、販売するために広告を行ったところ、当該広告は少なくとも2020年(令和2年)12月30日及び2023年(令和5年)6月16日には需要者が閲覧できる状態になっていると推認できる。
そして、上記2020年(令和2年)12月30日及び2023年(令和5年)6月16日の各時点において、商標権者が木村園社の代表取締役である。
イ 使用商品は、上記(1)のとおり、楽天市場のウェブサイトにおいて陳列され、当該ウェブサイトにおいて、取扱いに係る商品の出所を表すハウスマークを表示する位置として一般的といえる左上段部分に、ひときわ大きく目立つ態様で「SAWAYA/KIMURAEN」の文字からなる標章(別掲2)が表示されている。
2 判断
(1)使用商品及び使用商標について
使用商品は、顧客に販売するために、楽天市場のウェブサイトに掲載、広告されていたものであり、「そば(の麺)」及び「そばのつゆ」であるから、請求に係る指定商品中、第30類「穀物の加工品」及び「調味料」の範ちゅうに属する商品であるとみて差し支えない。
また、使用商品が表示されていたウェブサイトには、「SAWAYA/KIMURAEN」の文字からなる標章の表示があるところ、当該標章は二段書きで表されており、上段と下段に観念上のつながりがある等の特段の事情も見いだせなく、上段の「SAWAYA」の文字部分のみで独立して自他商品識別力を発揮するものといえるから、当該「SAWAYA」の文字部分のみを使用商標とみて差し支えない(以下、当該「SAWAYA」の文字部分を「使用商標」という。)。
そして、使用商標を構成する文字と本件商標とは文字構成を同じくするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であるといえる。
(2)使用時期、使用行為、使用者について
商標権者が代表取締役である木村園社が、要証期間である2020年(令和2年)12月30日及び2023年(令和5年)6月16日に、使用商品に関する広告に使用商標を付して電磁的方法により提供したといえるから、同社が、要証期間に、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。
そして、要証期間において、商標権者は木村園社の代表取締役であり、同社が本件商標を使用するに当たって、黙示の許諾があったことは推認できるから、木村園社は本件商標についての通常使用権者と認められる。
(3)小括
上記(1)及び(2)からすれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標をウェブサイト上に表示して、本件審判の請求に係る指定商品(「穀物の加工品,調味料」)の範ちゅうに属する商品(「そば(の麺),そばのつゆ」)に関する広告を電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認めることができる。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、その審判の請求に係る指定商品に含まれる穀物の加工品及び調味料について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用した事実を証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1(本件商標の指定商品及び指定役務)
第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,ジャム,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」
第30類「食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」
第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第43類「飲食物の提供,展示施設の貸与,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,動物の宿泊施設の提供」

別掲2(乙3の1、乙8の2:色彩は原本参照。)




(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-12-03 
結審通知日 2024-12-06 
審決日 2024-12-18 
出願番号 2018105002 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W29303543)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 豊瀬 京太郎
小俣 克巳
登録日 2019-08-23 
登録番号 6174046 
商標の称呼 サワヤ 
代理人 出雲 暖子 
代理人 松下 恵三 

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