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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W3541 |
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管理番号 | 1420404 |
総通号数 | 39 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2025-03-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-09-15 |
確定日 | 2025-03-06 |
事件の表示 | 商願2022−28502拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和4年3月11日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和4年 9月21日付け:拒絶理由通知書 令和4年12月 8日 :意見書の提出 令和5年 6月 9日付け:拒絶査定 令和5年 9月15日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「外国人雇用労務士」及び「Foreign Employment Management Consultant」の文字を上下二段書きしてなり、第35類及び第41類に属する別掲に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 本願商標は「外国人雇用労務士」の文字と、「Foreign Emp loyment Management Consultant」の文字を上下二段に併記して表してなるところ、全体として、「外国人の雇用を管理する者」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。 ところで、末尾に「士」の文字が付された名称は、国・地方公共団体又は公益に関する団体等が認定する資格を表すものとして一般に親しまれているから、末尾に「士」の文字が付された名称は、需要者・取引者に、国等が認定する資格、あるいは、その資格を付与された者を表すものとして理解させるものである。 そして、「労務士」の文字を含む国家資格として、厚生労働省が所管する「社会保険労務士」が知られており、その業務内容として、労働に関する諸問題や、労務管理などに関する相談業務やコンサルティング業務があり、また、「社会保険労務士」の資格を有する者が、外国人労働者の雇用管理に関するコンサルティング事業を提供している実情も認められる。 そうすると、本願商標を、その指定役務に使用しても、あたかもこれら「外国人労働者の雇用管理」に関する資格を有する者、あるいは、これら資格と同種の国家資格を有する者によって提供される役務であるかのごとく、需要者を誤信させるおそれがあるから、本願商標の登録を認め、独占排他的に使用する権利を付与することは、公正な取引秩序を乱すおそれがあり、社会公共の利益に反するというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 4 当審の判断 本願商標は、前記2のとおり、「外国人雇用労務士」及び「Foreign Employment Management Consultant」の文字を上下二段書きしてなるものである。 本願商標の構成中「外国人雇用労務士」の文字は、その文字中「外国人」は、「日本の国籍を有しない人。」等の意味を、「雇用」の文字は、「やとうこと。」等の意味を、「労務」の文字は、「労働に関する事務。」等の意味を、「士」の文字は、「一定の資格・役割をもった者。」等の意味をそれぞれ有する語(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)であり、全体として「外国人の雇用に関する事務に係る一定の資格・役割をもった者」ほどの意味合いを理解させる場合がある。 また、本願商標の構成中「Foreign Employment Management Consultant」の文字は、その文字中「Foreign」の欧文字は、「外国人の」等の意味を、「Employment」の欧文字は、「雇用」等の意味を、「Management」の欧文字は、「管理」等の意味を、「Consultant」の欧文字は、「コンサルタント」の意味をそれぞれ有する語(いずれも「プログレッシブ英和中辞典第5版」株式会社小学館)であり、全体として「外国人の雇用の管理に係るコンサルタント」ほどの意味合いを理解させる場合がある。 そうすると、本願商標からは、「外国人の雇用に関する事務に係る一定の資格・役割をもった者」又は「外国人の雇用の管理に係るコンサルタント」といった意味合いを理解させる場合があるとしても、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような構成でないことは明らかである。 そして、当審において職権により調査しても、「外国人雇用労務士」及び「Foreign Employment Management Consultant」と同一又は類似する名称が法令によって使用を規制されている事実は見いだせず、また、原審説示のように、本願商標を、その指定役務に使用しても、あたかも「外国人労働者の雇用管理」に関する資格と同種の国家資格を有する者等によって提供される役務であるかのごとく、需要者を誤信させるような事情は見いだせなかった。 さらに、本願商標は、その登録出願の経緯等につき、社会通念に照らしても、著しく社会的相当性を欠くものとも認められないため、請求人が、本願商標をその指定役務に使用することが、公正な取引秩序を乱すおそれがあり、社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものと認めることもできず、加えて、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。 したがって、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものということはできないから、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願の指定役務 第35類「広告,市場調査又は分析,市場調査又は分析に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,フランチャイズの事業の運営及び管理,起業に関する指導及び助言,経営の診断又は経営に関する助言,財務書類の作成又は監査若しくは証明に関する情報の提供,職業のあっせん,職業のあっせんに関する情報の提供,セミナーへの講師のあっせん,セミナーへの講師のあっせんに関する情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行,輸出入に関する事務の代理又は代行に関する情報の提供,外国人研修生の受け入れに関する事務,外国人研修生の受け入れに関する事務に関する情報の提供,日本留学に関する一般事務の代行,日本留学に関する一般事務の代行に関する情報の提供,コンピュータデータベースへの情報編集,コンピュータデータベースへのデータ入力及び検索代行,消費者のための商品及び役務選択における助言と情報の提供,外国人就労希望者への求人情報の提供,求人情報の提供,新聞記事情報の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,コンピュータソフトウェアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ダウンロード可能な音楽及び映像の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,録音・録画済み記録媒体の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供,検定試験の企画・運営又は実施,検定試験の企画・運営又は実施に関する情報の提供,資格の検定・認定又は付与,資格の検定・認定又は付与に関する情報の提供,進学のための進路指導,進学のための進路指導に関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,セミナーの企画・運営又は開催に関する情報の提供,電子出版物の提供,電子出版物の提供に関する情報の提供,図書及び記録の供覧,図書及び記録の供覧に関する情報の提供,図書の貸与,図書の貸与に関する情報の提供,電子出版物の提供に関する指導・助言,書籍の制作,印刷物の制作,オンラインで提供される電子出版物及び電子定期刊行物の制作,演芸の上演,演劇の演出又は上演,演芸又は演劇の上演の情報の提供,演芸・演劇の上演に関する指導・助言,音楽の演奏,音楽の演奏に関する情報の提供,放送番組の制作,放送番組の制作に関する情報の提供,インターネット等の通信ネットワークを利用した教育放送番組の制作・配給,放送番組の制作に関する指導・助言,教育用の記録媒体の制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),音響用又は映像用のスタジオの提供,音響用又は映像用のスタジオの提供に関する情報の提供,運動施設の提供,運動施設の提供に関する情報の提供,娯楽施設の提供,娯楽施設の提供に関する情報の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供に関する情報の提供,楽器の貸与,楽器の貸与に関する情報の提供,運動用具の貸与,運動用具の貸与に関する情報の提供,録音又は録画の再生機及びその付属品の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,録音又は録画済み記録媒体の貸与,おもちゃの貸与,写真の撮影,写真の撮影に関する指導・助言,通訳,翻訳」 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審決日 | 2025-02-19 |
出願番号 | 2022028502 |
審決分類 |
T
1
8・
22-
WY
(W3541)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
大島 勉 |
特許庁審判官 |
浦崎 直之 小林 裕子 |
商標の称呼 | ガイコクジンコヨーロームシ、フォーリンエンプロイメントマネージメントコンサルタント |
代理人 | 伊藤 浩二 |