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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W33
管理番号 1417814 
総通号数 36 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-06-28 
確定日 2024-12-09 
事件の表示 商願2023− 89139拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和5年8月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月22日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月 5日 :意見書の提出
令和6年 3月26日付け:拒絶査定
令和6年 6月28日 :審判請求書、手続補正書の提出

2 本願商標
本願商標は、「HYAKUJYU」の文字を標準文字で表してなり、第33類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、当審における上記1の手続補正書により、第33類「清酒」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第1233449号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和48年11月22日登録出願、第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同51年11月8日に設定登録され、その後、平成19年5月23日に指定商品を第33類「清酒」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「HYAKUJYU」の文字を標準文字で表してなるところ、これ自体は辞書類に掲載されている成語ではない。
そして、その構成中「JYU」の文字部分は、我が国において一般的に用いられているローマ字のつづり方(参考:文化庁「ローマ字のつづり方 第1表・第2表」(https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/roma/honbun.html)ではないが、その構成態様からすれば「ヒャクジュ」の称呼が生じるといえる。
そうすると、「HYAKUJYU」の文字は、特定の意味合いを理解させない造語と認識されるというべきものであって、本願商標よりは、その構成文字に相応した「ヒャクジュ」の称呼が生じ、また、特段の観念は生じないものというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、「百壽」の文字を明朝体様の書体で縦書きしてなるものであって、これは、原審が説示し、請求人も本件審判の請求の理由において認めるとおり、「百寿」の語の旧字体表記であると考えられるものである。
また、同語は、原審提示の情報や、請求人提示の情報(令和6年6月28日付け手続補足書の甲第10号証ないし甲第13号証)にあるように、「数え年で100歳のお祝い」を意味する語として広く使用、紹介等されているものであり、その読みを「ヒャクジュ」又は「モモジュ」とするものである。
そうすると、引用商標よりは、その構成文字に相応した「ヒャクジュ」又は「モモジュ」の称呼が生じるといえ、また、「数え年で100歳のお祝い」ほどの観念が生じ得るものといえる。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、文字種や文字数が異なり、一見して別異の語を表していると理解できるものであるから、視覚上、明確に区別できるものである。なお、商標の使用において、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で、文字種を相互に変換して表記することが一般に行われている取引の実情があるが、上記(1)のとおり、我が国において一般的に用いられているローマ字のつづり方においては、「ジュ」の音は「ju」(ヘボン式)又は「zyu」(訓令式)とつづられるものであるから、本願商標は、「ヒャクジュ」と読む日本語をローマ字表記したものと、直ちにいうことはできない。そうすると、本願商標は引用商標を構成する「百壽」の文字種を単にローマ字に変換して表記したものとはいえず、別異の商標というのが相当である。
次に、称呼においては、いずれも「ヒャクジュ」の称呼を共通にするものである。他方、本願商標より生じる称呼「ヒャクジュ」と、引用商標より生じる称呼「モモジュ」とでは、語尾の「ジュ」以外の音が相違し、語調、語感が明らかに異なるものであるから、これらの称呼については、明瞭に聴別できるものといえる。
そして、観念においては、本願商標より特定の観念が生じないのに対し、引用商標よりは「数え年で100歳のお祝い」ほどの観念が生じるため、相紛れるおそれのないものである。
以上のことからすると、本願商標と引用商標とは、引用商標より複数生じる称呼の一において共通する場合があるとしても、その他の称呼において明瞭に聴別できるものであって、外観においては明確に区別できる別異のものであり、観念において相紛れるおそれのないものであるから、両商標が与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲 引用商標




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審決日 2024-11-27 
出願番号 2023089139 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W33)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 白鳥 幹周
清川 恵子
商標の称呼 ヒャクジュ 
代理人 吉井 剛 

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