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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W33
管理番号 1417813 
総通号数 36 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-06-20 
確定日 2024-12-09 
事件の表示 商願2023− 93124拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和5年8月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 1月24日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月26日 :意見書の提出
令和6年 3月14日付け:拒絶査定
令和6年 6月20日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「MANJYU」の文字を標準文字で表してなり、第33類「清酒」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2719141号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
指定商品:第33類「清酒」
登録出願日:平成 6年12月 7日(昭和60年8月9日に登録出願された商願昭60−82628を原出願とする商標法第11条第1項の規定による商標登録出願)
設定登録日:平成 9年 1月31日
書換登録日:平成19年 1月24日
(2)登録第3011453号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第33類「日本酒,洋酒,果実酒,薬味酒」
登録出願日:平成 4年 6月10日
設定登録日:平成 6年11月30日

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「MANJYU」の文字を標準文字で表してなるところ、これ自体は辞書類に掲載されている成語ではない。
そして、その構成中「JYU」の文字部分は、我が国において一般的に用いられているローマ字のつづり方(参考:文化庁「ローマ字のつづり方 第1表・第2表」(https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/roma/honbun.html)ではないが、その構成態様からすれば「マンジュ」の称呼が生じるといえる。
そうすると、「MANJYU」の文字は、特定の意味合いを理解させない造語と認識されるというべきものであって、本願商標よりは、その構成文字に相応した「マンジュ」の称呼が生じ、また、特段の観念は生じないものというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標1は、別掲1のとおり、「萬壽」の文字を手書き風の書体で縦書きしてなるものであり、また、引用商標2は、別掲2のとおり、「萬寿」の文字をゴシック体様の書体で横書きしてなるものである。
そして、これらの文字は、請求人提示の情報(甲第8号証)にもあるように、いずれも「万寿」の語の旧字体表記であると考えられるものであって、また、同語は、「寿命の長いこと」(読みを「バンジュ」又は「マンジュ」とするもの。)又は「平安中期、後1条天皇朝の年号」(読みを「マンジュ」とするもの。)を意味する語である(出典:前掲書)。
そうすると、引用商標よりは、その構成文字に相応した「バンジュ」又は「マンジュ」の称呼が生じるといえ、また、「寿命の長いこと」又は「平安中期、後1条天皇朝の年号」ほどの観念が生じ得るものといえる。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、文字種や文字数が異なり、一見して別異の語を表していると理解できるものであるから、視覚上、明確に区別できるものである。なお、商標の使用において、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で、文字種を相互に変換して表記することが一般に行われている取引の実情があるが、上記(1)のとおり、我が国において一般的に用いられているローマ字のつづり方においては、「ジュ」の音は「ju」(ヘボン式)又は「zyu」(訓令式)とつづられるものであるから、本願商標は、「マンジュ」と読む日本語をローマ字表記したものと、直ちにいうことはできない。そうすると、本願商標は引用商標を構成する「萬壽」又は「萬寿」の文字種を単にローマ字に変換して表記したものとはいえず、別異の商標というのが相当である。
次に、称呼においては、いずれも「マンジュ」の称呼を共通にするものである。他方、本願商標より生じる称呼「マンジュ」と、引用商標より生じる称呼「バンジュ」とでは、語頭音が「マ」と「バ」で異なり、3音という短い音構成において、この差異が全体の語調、語感に与える影響は大きいものであるから、これらの称呼については、明瞭に聴別できるものといえる。
そして、観念においては、本願商標より特定の観念が生じないのに対し、引用商標よりは「寿命の長いこと」又は「平安中期、後1条天皇朝の年号」ほどの観念が生じるため、相紛れるおそれのないものである。
以上のことからすると、本願商標と引用商標とは、引用商標より複数生じる称呼の一において共通する場合があるとしても、その他の称呼において明瞭に聴別できるものであって、外観においては明確に区別できる別異のものであり、観念において相紛れるおそれのないものであるから、両商標が与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 引用商標1


別掲2 引用商標2




(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審決日 2024-11-27 
出願番号 2023093124 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W33)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 白鳥 幹周
清川 恵子
商標の称呼 マンジュ、マンジュー 
代理人 吉井 剛 

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